今回はサイバーエージェント内定者である、大阪大学 外国語学部 4年の山本翔大さんにお話を伺いました。学歴は本当に重要なのか、彼がなぜそこまで早い時期にサイバーエージェントという人気企業から内定を取ることができたのか、その核心に迫ります。
どのようにして12月に内定に至ったのか?
ーーまず始めに、サイバーエージェントの内定に至るまでの過程を教えて下さい。
最初は夏に一週間のインターンシップに参加しました。インターンシップではチーム毎のコンペティションがあって、そこで特別賞を受賞しました。チームメンバーに恵まれ、また社員さんともたくさん交流できたことで、会社のカルチャーと自分が合うのではないかと感じていました。その後、秋に行われた3日間のインターンシップへの参加を経て、12月上旬に30分間程度の面接を受けました。最終面接なのか分からない状態で臨みましたが、その場で「一緒に働きましょう。」と言われ、握手を交わしたのを強く覚えています。僕は当初から内定をもらったらサイバーエージェントに行くと決めていたので、そこで僕の就活は終了しました。秋インターンシップが終わってから約1ヶ月後のことでした。
ーーインターンシップに参加される前から、自分の中で就活における軸があったのですか?
1、インターネットでビジネスをしている会社であること 2、自分の成長速度を最大化出来る環境であること
という2つの軸がありました。僕はインターネットが子供の頃から大好きで、インターネットを使って何かしたいとずっと思い続けていました。成長速度に関しては、より面白い世界を見ていたい、そして実現させたいと考えていたので誰よりも早く成長できる環境に身を置く事が僕にとって重要でした。加えて若いうちから会社のリソースを使って事業を立ち上げることができる、という点を鑑みてITメガベンチャーに絞っていました。
最終的にサイバーエージェントに決めたきっかけとしては、やはりインターンシップが大きかったですね。インターンシップで出会う社員さん全員がいい人で波長が合っていると思えましたし、一緒に働きたいと思いました。見知らぬ人同士が会う時って、少なからずストレスが生まれると思うのですが、それが限りなく少なく感じたことを覚えています。他にも色々判断材料はありましたが、最終的には人で決めた感じですね。
ーー今振り返ってみて、12月という早い段階でサイバーエージェントから内定を獲得できた理由は何だったと感じますか?
早い段階で内定をもらえた理由は、面接等でもずっと自然体で臨むことができていたので、長所短所ともにお互いに把握し合っていたことで、僕を採る事に対する不安要素が少なかったことが大きいと思います。勝手な想像ですけど(笑)
サイバーエージェント、ITベンチャーの魅力
ーー現在内定者アルバイトをされているとお聞きしましたが、実際に働いてみて、サイバーエージェントっていいなと思うことはありますか?
まず、思っていた以上に上下関係がフラットだったことですね。これは僕にとっては本当に嬉しい発見でした。ベンチャーにはしっかりとした評価制度があると良く言われます。風通しが良くて肩書きに左右される事無く、実力がしっかり評価される体制があるという解釈でしたが、サイバーエージェントに関しては本当にそうだと思います。内定者アルバイトといえど、良くも悪くも本当に一人の社員として見てもらっています。正社員じゃないからといって下手な案を提出したら怒られる。逆にいいモノを出したらホントに実現しようとしてくれる。ぬるい仕事ばかり与えるのではなく責任感のある仕事を振ってくれ、ちゃんと評価してくれる。その中でしっかりフィードバックを与えて成長を促してくれるんです。まだ働き始めて3ヶ月ですが、そういうことが非常に多いです。
また、まだ内定者の身ですが、役員や上の人たちとお話できる機会が本当に多い。それは用意されたものだったり、突発的なものだったり、自ら掴みにいくものだったりしますが、基本的にはメッセージを投げてアポイントさえとれれば会える。多くの人は快く応じてくれます。これも僕にとってすごく感動的なことでした。高い視点を持っている役員や上の方とお話できることで、自分の成長にも確実につながりますから。
あとはとても仲がいいことですね。仕事以外のコミュニケーションも多くて雰囲気が良いです。例で言うと、他の会社をいくつか経験された社員の方は、サイバーエージェントの社内の雰囲気は他の会社と全然違うとおっしゃっていました。これだけ風通しがよくて、みんなが仲の良い会社は滅多にないと。改めて本当にいい会社に入ったと感じました。
ーー役員の方に会えるという話でしたが、社長の藤田さんにも会えるのですか?
藤田社長だけはまだ会えていないですね。ただ何かメッセージを送れば返してもらえるので、そういう意味でコミュニケーションとろうと思えばとれますね。出待ちという選択肢もなくはないです(笑)
ーーITベンチャーに絞って就活をされてきた山本さんにとって、ITベンチャーの魅力は何でしょう?
僕がいうITベンチャーは主にインターネットサービス事業ですが、インターネットは面白いよねっていうことです。僕が今さら言うことでもないかもしれないけど、インターネットの可能性は本当に無限大で、僕たちが生きている間で起こりうる最大の革命とよく言われます。それを使って時代を一歩前に動かすっていうのは、ロマンがあっていいなと。
あとは、ベンチャーは人生の時間を無駄にしたくない人にはピッタリだと思います。一口にベンチャーといっても様々ですが、大企業に入って、安泰かも知れないけど年功序列で下積みだけで5年10年を過ごすなんて、僕はとてももったいないと思ってしまうのです。特にメガベンチャーであれば会社のリソースを使ってでかいことをできるチャンスがあるし、それを掴みにいくことを応援する雰囲気がある。目標がある人にすれば、最短距離で達成するために最適な選択肢の一つだと思います。
Webデザイン・プログラミングスキルの必要性
ーー山本さんはWebデザインを経験されているとお聞きしたんですが、始めたきっかけは何だったのでしょうか?
Webデザインを始めたきっかけは、純粋に自分の中のアイデアを形にしたかったというのがあって、当時はエンジニアの知り合いもいなかったので自分で作ってしまおうと思ったのがきっかけです。2年生の終わりにCampusという組織に入り、そこから1年休学してWebデザイン・ディレクション・Webマーケティングなどを学んでいました。デザインから入ったのは単純にそう勧められたからですね。
ーーWebデザインの知識が就活にどんな形で役に立ったんでしょうか?
僕の場合は、制作よりも企画側に軸をおいてのキャリアを考えていたので、Webデザインの知識が直接就活に役立ったことはないんですが、Webサービスの作り方を学んでいく中で、ビジネス的な観点が持てるようになっていました。これは色々な会社が、どんなビジネスをやっているのか素早く理解し、イメージするのに役に立ちました。
また、Webサービスを作っていくなかで自然とIT全般の知識がついたのは役立ちました。アルバイトでリスティング広告の運用も経験していたので、それはインターネット広告事業を行うサイバーエージェントを受けるにあたって、ある程度アドバンテージになったと思います。また、Webデザインやプログラミングの知識は、実際に働き始めてからも役に立つことが多いですね。例えば同じプロジェクトのエンジニアと話すときに、共通言語で話せるのでコミュニケーションコストが低く、ビジョンの共有がお互いに楽にできます。
ーー近年、プログラミング技術の必要性が世界中で話題になっていますが、やはりWebスキルは必要だと思いますか?
ITは絶対勉強しておいた方がいいです。今や多くのビジネスにITが組み込まれていますし、Webを使ったビジネスモデルはおもしろく、消費者のほとんどがWebにつながっているという背景も手伝って、どんどん伸びていくはずです。その中でITってなに?みたいな人が活躍することは難しくなるのではと思います。就活においてもITの知識は強みになるはずです。
プログラミングとかそういったクリエイター的なスキルは、就活的にというより人生的に、あれば最高だと思います。思いついた事をなんだって形にできますから。やりようによってはそれで食って行くことさえできる。僕がメンターとして参加していたLife is Tech!が今どんどん活動の幅を広げていますが、Life is Tech!の最終的なビジョンはプログラミングが義務教育化されることです。EdTechなんかが盛り上がっているのを見ても、誰もがクリエイターになる日も時間の問題だと感じていて、そういう時代に生まれてもよかったなあ、としみじみ思います(笑)
僕が考える理想の社会は、誰もが好きなことを一生できる社会です。それを実現するのにWebスキルの普及というのは大きな要素だと思っていて、例えば今までは店舗を持たないと物が売れなかった。それが今では、例えばBASEなんかのECサービスを使うだけで誰でも簡単にモノを売れますよね。絵が好きな人なら絵を売れますし、何か特別なスキルを持っている人はそのスキルを売れます。そういった人々と、ニーズを持つ消費者をうまく出会わせることができる世の中になれば、人はもっと幸せに生きられると思うんです。そういう意味でWebスキルが普及するのはすごく楽しみで、その啓蒙としてLife is tech!などのプログラミング教育は非常にいい役割を果たしているのかなと思っています。
ーーでは、実際にWebスキルの勉強を始めたいと思った時、何から始めたらいいのでしょうか?
細かい事は抜きにして、とりあえず何か作ってみるべきだと思います。入り口はデザインでもプログラミングでもインターンでもなんでもいいんですが、作りたいものを見つけて没頭することです。楽しく続けられると思いますし、一番手っ取り早くスキルが身に付くのではないかと思いますね。
就活中に心がけたこと、就活生へのアドバイス
ーー就活の話に戻りますが、エントリーシート、グループディスカッション、面接で心がけていた事はありますか?
まず最初に気をつけてほしいのが、企業によって最適な振る舞い方は変わるということです。決まった正解はなく、それを前提でお話させていただきます。ESと面接はセットです。面接で自信を持って、生き生きと話せることだけをESで書く。また、一貫性のないことを伝えるのは致命的ですから、各事項で僕という人間が伝わりやすいように準備し、相手に刺さるような言い回しやフレーズもこだわっていました。ただ、僕はこういった小ワザとかテクニックみたいなのがあんまり好きじゃなくて、そういうものに腐心するのは自分と企業の将来的なミスマッチの可能性を高めることにしかならないとも思っていました。就活はコンペじゃなくてマッチングだと思うので。誤ったイメージが伝わらない範囲で、そういったテクニックを使っていました。
グループディスカッションでは、メンバーによって役割を考えることを意識していました。そもそも勝ち負けのゲームではないので、全員がそれぞれ価値を発揮できるように、バランスを見て空いている穴を埋める役割を目指していました。例えば、自分よりファシリテーションが得意な人がいればその人にまかせて、自分は議論が逸れないような発言を意識して進める。そうすることで何かしらのバリューを発揮できるはずです。
面接は、基本楽しむ事を意識していました。その方が自分の素を出しやすいからで、コミュニケーションとして楽しい面接は、聞く側にとっても退屈になりにくい。面接官の方が感覚的に気持ちいい会話を目指していました。
ーー実際に就活をしていて、想像と違った事はありますか?
やってみて意外に楽しかったです。始める前は就活に良いイメージを持っていなかったんですが、色々な学生と出会うことができたのがよかった。ただ、今の就活システムに疑問を感じることも多々ありましたね。
ーー具体的にどんなところに疑問を感じられたのでしょうか?
就活がメソッド化されている現状がある気がします。自己分析にしろ、GDにしろ、面接にしろ、ある程度のお手本があって、皆それを勉強する。いかにうまく化粧をするかが目的になっている感じが全体としてあった気がします。限られた接触回数で面接官が学生の真の姿を捉えるのは相当難しいと思います。これらは入社後の学生と企業のミスマッチに繋がるので、お互い不幸な結末になる可能性が高いと思います。
ーーでは、現状の就活システムの中で、就活生はどのように動いていったらいいのでしょうか?
根本的な解決は、学生がやりたいことや夢を、就活が始まるまでに持っておくことだと思います。例えば、アメリカの学生は日本の大学生と違って、そもそもやりたいことが結構明確ですよね。自分の中でやりたいことや夢があったら企業も明確に選び易いと思うんです。日本の多くの大学生が、入学してから就活開始までの間何も考えずに過ごしている事が問題です。一年生の時からやりたいことを探す努力をしていれば、自分の将来についてある程度の方向性が見えてくるはずです。
ーー最後に、就活で悩んだことや、それを踏まえて就活生にアドバイスはありますか?
悩んだことは特になくて、というのも僕の場合は幸いにも優秀なアドバイザー(ITベンチャーに内定していた友人)がいました。唯一、万人に通じるアドバイスがあるとしたら、いいアドバイザーを早めに見つけようという事です。就活で難しいのが、色々な人に相談するのはいいのですが、答える側の意見も十人十色で、全てを聞き入れようとすると路頭に迷ってしまいます。価値観がそもそも違うのだから当たり前ですが。だから、自分に合った良きアドバイザーを見つける事がすごく大事ですね。そういったアドバイザーを見つけるのに、このCo-mediaのサービスなどを上手く活用したらいいのではないかと思います。