就活に健康診断書は必要?

就活中にうっかり忘れがちな書類の一つに健康診断書があります。就活時に健康診断書が必要な企業とそうでない企業に分かれます。
通常、内定後に健康診断を設ける企業が多いですが、応募時や選考時に提出を求められる場合もありますね。
ここからは、就活の際に提出する健康診断書について説明していきます。ぜひ参考にしてみてください。

健康診断書は就活の、どのタイミングで必要?

厚生労働省の指示で企業側は、雇用の応募時に健康診断書の提出を求めることは基本的にできません。
なぜなら健康状態を把握したうえで採用の有無を決定してしまうと、差別になってしまい公平な雇用ができなくなってしまうからです。
なので、一般的には採用後に企業側の指示で健康診断を受けることが多いですね。

しかし、厚生労働省の指示は指導の範囲内ですし職業安定法でも「その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集」することは認められています。
よって、必要な場合は応募者の健康状態を調べることもあります。
雇用の応募時に健康診断書を求められることはなくても、最終面接等の選考が進むタイミングで必要になってくることも。
健康診断書が応募時に絶対に必要ないとは言い切れないので、念のため何通かは用意しておくと安心ですね。

就活に必要な健康診断書の検査項目とは

就活に健康診断書が必要になる場合もあることが、ご理解いただけたでしょうか。
ここからは、就活に必要な健康診断書の検査項目について説明していきますね。

ここまで「健康診断書」と言ってきましたが、様々な種類の健康診断がありますよね。
どの健康診断を受ければいいか分からない!という人も多いのですよね。
企業側から特別に指示が無い場合は、労働安全衛生規則第43条に定められている以下の項目を検査してください。

1.既往歴および業務歴の調査
今までに罹った疾患の有無を調査します。現在の健康状態と合わせて聞かれるので、正直に答えましょう。

2.自覚症状および他覚症状の有無の検査
自覚症状…自分自身が「病気かな?」と思う症状のことです。病気かどうか等は医師が判断するので、正確な健康診断のために正直に話しましょう。
他覚症状…医師の所見によって確認される症状

3.身長、体重、視力および聴力の検査、腹囲の測定
腹囲は以下の場合のみ、医師が認めれば省略できます
1. 40歳未満の人(35歳の人を除く)
2. 妊娠中の女性など、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された場合
3. BMIが20未満の人
4. BMIが22未満で、自ら腹囲を測定し、その値を申告した人

4.胸部エックス線検査
40歳未満で以下に該当しない場合、医師が認めれば省略できます。
1. 20歳、25歳、30歳、35歳の人
2. 定期的に検査する必要のある職場で働いていた
3. 3年に1回のじん肺健康診断の受診対象とされている

5.血圧の測定

6.尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)

7.貧血検査(赤血球数、血色素量)
35歳未満および36~39歳の人は、医師の判断で省略することができる項目です。

8.肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
40歳未満の人(35歳を除く)は、医師の判断で省略することができる項目です。

9.血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
35歳以外の40歳未満の人は、医師の判断で省略することができる項目です。

10.血糖検査
この検査当日の朝食は抜かなくてはなりません。企業に提出するものですから、正確な数値を出すために注意しましょう。
また40歳未満の人(35歳を除く)は、医師の判断で省略することができる項目です。

11.心電図検査
35歳未満及び36~39歳の人は、医師の判断で省略することができる項目です。

健康診断書の費用や有効期限、種類に関して

ここまで、健康診断書の検査項目等について説明してきました。ここまで読んできて「健康診断書には有効期限があったような…?」「健康診断に掛かる費用っていくら?」等、様々な疑問が出てきたかもしれませんね。
ここからは、意外と知らない健康診断書の費用や有効期限、種類について説明していきます。

■有効期限

健康診断書には、明確な有効期限がないものの3か月以内というのが一般的です。しかし、新卒の方の場合は毎年、大学等で定期健康診断を行うと思います。なので、その時の健康診断書が有効な場合が一般的です。
企業が求める新卒の方の健康診断書の有効期限としては「年度内の健康診断書(証明書)」であることが多いです。
年度内とは、4/1~3/31のことを指します。新卒の方の場合は、この期間に毎年、大学等で定期健康診断を行うと思います。
きちんと大学の定期検診を受けていれば、受けた年の年度末(3月31日)までは発行してもらえますので就活には間に合いますよ。
大学によって発行する際の料金が違うので注意しましょう。また、大学で受けた健康診断の結果を発行するには1~2か月掛かるので就活までに間に合わなそうな場合は最悪自腹で病院の健康診断を受けることをお勧めします。

■健康診断書の費用

新卒で就活しない場合や大学での健康診断書の発行が時期的に間に合わない人などは、自腹で健康診断を受けることになりますよね。
そこで気になるのが定期健康診断に掛かる費用です。定期健康診断というと病院で受けるイメージを持つ人も多いかと思います。

・保健所で健康診断を受ける場合
しかし、地域によっては就職用の健康診断をしてくれる保健所があります。病院よりは安くすむのでお勧めですよ。

<保健所の健康診断の費用>
・検査料金:4,000~6,000円
・診断書発行:500~2,000円
検査と診断書発行で5000円程度です。もちろん複数、発行する場合には料金は割増されます。

・病院で健康診断を受ける場合
地域によっては保健所で健康診断を実施していない、予約が取れなかった…なんて人もいますよね。
その場合は、料金が高くなってしまいますが近くの病院で定期健康診断を受けましょう。保険適用されないので注意しましょう。
病院で定期健康診断を受ける場合は、大体7000円から15000円程度です。病院によって費用の開きがあるので事前に費用の確認をしてから受診してくださいね。

病院で健康診断を受ける場合には以下の点を事前に確認してください。
・雇入れ健診の健診項目を受診できるかどうか
・定期健康診断の費用
・診断結果を受け取れる最短日時
・検査の注意事項

病院の予約が混みあっていることもありますので、早めの予約を心がけていください。

■健康診断書の種類

健康診断書と健康診断証明書どちらも同じような名前で混乱しますよね。簡単に言うと、健康診断書は「診断結果を自分で確認するもの、公的な文書ではない」といえます。
また、健康診断証明書は「提出用の公的な文書」といえます。なので、就活中に提出するとしたら健康診断証明書が好ましいです。
しかし、健康診断書の提出を求められることが多いです。どちらを提出するかは、応募する企業側の指示に従いましょう。

意外に時間がかかる健康診断書

自腹で健康診断を受診する場合、受診するまでに自分のスケジュールと合わせて予約を入れなければならなかったり、病院と自分のスケジュールが合わなかったりしますよね。
そのため以外にも健康診断書を発行するまでには時間が掛かります。提出期限ぎりぎりになってしまうなんてことも…。
そうならないためにも、早め早めに健康診断を受けて余裕のある提出を目指しましょう。
ここまで就活の健康診断書について説明してきました。ぜひ今後の参考にしてみてくださいね。