企業説明会とは、単に企業の説明を聞く場ではありません。選考自体とは何らの関係もない旨を企業側が説明することも多々あることでしょうが、企業説明会では、参加する学生の風貌や氏名、それにマナーなどを確認していることは明らかです。もし態度が横柄であるなど、企業側からみて問題点があると見られれば、選考漏れに至る恐れも生じるというべきです。

マナーが遵守されていないために、実力を見せる以前にマイナス要因を露呈させてしまうことのないようにしたいものですね。

そこで、当記事では企業説明会に際して、どのようなポイントを抑えておくべきか、企業説明会におけるマナーについて解説していきます。


企業説明会のマナー【服装・持ち物

マナーといえば、まず服装です。もし何らかの瑕疵があれば、第一印象を悪くしてしまいかねません。総合すれば、清潔感のあるものや華美でないものが原則といえます。私服での指定がある場合以外は、スーツを着用して赴きましょう。私服を指定されている場合であっても、ビジネスカジュアルが無難です。

■企業説明会にベストな服装ー男子就活生編ー


ヘアースタイルについては、基本は短めにし、やはり清潔感を醸し出しておきましょう。

そして、スーツについては、紺か黒、あるいは灰色などといったように地味なものを着用しておき、清潔感を出すために上下ともにアイロンを使います。一番下側のボタンをはずしておきましょう。

シャツについては、原則として白、レギュラータイプを用いるようにします。袖をスーツから1.5センチほど出しておきしょう。

ネクタイは、えんじか、青などを準備しておきましょう。他方、柄については無地かストライプのようなシンプルなものが望ましいです。

企業の用意する書類はA4が基本ですから、A4が入るカバンを用意しておきます。

靴については、プレーントゥかストレートチップ、あるいは内羽根などのビジネス用途のものを履きましょう。清潔感のあるように履きます。

■企業説明会にベストな服装ー女子就活生編ー

ヘアースタイルはまとめておき、額を出しましょう。耳に髪をかけておきます。

スーツについては男子就活生同様に地味なものを着用します。スカートの長さは膝にかかる程度が目安です。

ブラウスについても男子就活生同様に原則として白、レギュラーあるいは開襟のものを用意しておきます。開襟のほうが心象がよくなります。袖についても男子就活生同様に1.5センチほど出しておき、若干のぞかせておきます。

マニキュアは肌色に類似したものを選択しておき、派手なものは厳禁です。

ストッキングについても、肌色に類似したカラーのものを用意しておきます。伝線した際のことを考慮し予備も準備しておきましょう。

靴は、黒のパンプスでよいのではないでしょうか。長時間歩くこともあり得ることからヒールの低い、底が分厚いものを用意しておきます。


■持ち物

持ち物については、過不足のないようにしたいものですが、万一足らずがあれば困ることもあるために、少なくとも必ず所持していくべきものを列挙していきます。

まず筆記用具、A4のメモ帳、スケジュール帳、書類などをまとめるファイル(クリアなものが適している)、ハンカチやティッシュなどは持参したいものです。そのほか、企業説明会に係る資料が配布されていれば持参しましょう。


企業説明会のマナー【会場入り】


企業説明会の開始5分から10分前に到着するようにしておきましょう。

それより早くても何ら問題のないように思えはしますが、あまりにも到着が早ければ、企業からしても準備などで多忙ですから、迷惑がかかることもあり得るからです。他方、ギリギリに到着したり、遅刻することは論外といわざるを得ません。

そして、建物内に入場する前の時点で、コートやマフラー、手袋などを装着していれば、脱ぎましょう。帽子をかぶっていても、脱帽するのがマナーです。その際に、汗をかいていれば、清潔感を失しますから、持参しておいたハンカチやティッシュで綺麗に拭き取っておきましょう。


企業説明会のマナー【受付】

受付段階でも当然にマナーは見られていると考えておいて下さい。もしマナーが欠けているようであれば、受付の担当者から失礼なものと感じられ、最悪は企業側全体にも伝わってしまう場合もあり得ますから、当然に受付する際のマナーも知っておきたいですね。

受付するに際しては、最初に深々とお辞儀をします。

その際の角度は90度とまではいいませんが、あまりにも慇懃無礼であっても却って失礼ですから、45度程度で構わないでしょう。


そして、挨拶をします。この際には、大学名と氏名のみで構わないでしょう。ごもごもとせず、ハッキリと滑舌よく喋りましょう。


受付の段階で書類を受け取る際には、片手でなく両手で受け取るのが当然ですが、その際に渡してくれる人の目を見ながら、丁重な姿勢を貫き通しましょう。そして、一言お礼を述べます。

受付を経て、企業説明会がスタートするに至るまでの間も、態度を見られている可能性が非常に大きいです。そわそわするなど、落ち着かない様子では、選考をも左右しかねないために、ここでも入念なマナーを遵守するようにしたいものです。

会場での席選びに際しては、なるべく前のほうに着席するように心掛けましょう。なぜなら、前のほうが話を聞き取りやすく内容にも徹しやすいばかりか、採用担当者からしても積極的な人物であると判断される可能性が向上するからです。

その際に、カバンについてはイスの横、脚部に立てかけるつもりで置いておきましょう。足や腕は組まないほうがいいでしょう。また、ひじをつくなど、だらけないようにしましょう。スマホも極力いじらないほうが望ましいのですが、必要不可欠な場合であれば、この限りではありません。説明が開始される前に電源は必ず切っておきましょう。

この際にグループで参加するタイプの企業説明会の場合であれば、そばにいる参加者らとで事前に会話をしておくと、その後のやり取りが円滑になるといえます。無論のこと、その際には、はしゃぐなど周囲に迷惑が及ばないようにしましょう。

企業説明会のマナー【質問】


的確な質問をすると、評価が高まりますが、そうではない質問であれば、評価が下がることになりかねません。そうしたことから、どのような質問をすべきなのか、マナーを把握しておきましょう。

原則として、質問する前には、大学名と氏名を名乗ることが最低限の礼儀です。これは覚えておきましょう。


そして、質問の内容なのですが、


・自己で調査をすることによって容易に判明すること(具体的には企業に係る基本情報、企業のHPに書いてあることなど)

・回答者が答えにくいこと(給与などの待遇面、ノルマなど)。

・自分にのみ関係すること(OB訪問など。ほとんどが関係ないと思われますので控えましょう。)


上記のような質問は極力避けましょう。

企業について調べずにくる志望意欲の低い学生と認識されることもありえます。


また、自己アピールと捉えられかねない質問についても避けるべきです(企業側について入念な調査をしたことを長々と喋るなど)。

就活生の適正によって配属先が諸々であることから、どのような部署に配属されるかといった旨のものも避けるべきといわざるを得ません。

では、どのような質問が好印象となるのでしょうか。


まず質問する前に、質問の概要を把握してもらうために、質問の傾向や趣旨、何を目的とした質問であるかを伝えましょう。

ただ、前置きであれば、もし長くなると迷惑になることでしょうから、避けておきましょう。全体で30秒程度がベストです。

そして、参加者は自分のみではないのですから、他の人にも役立つのか、また、説明者が応答しやすいものを選択することです。さらに好印象な質問をするためには、内容を分厚くするために、あらかじめ質問に関する事項について調査しておきましょう。その上での質問であれば、相当深いものを投げかけることが可能といえます。


困った時の質問例


業務に関するものや、どのような人物に適正があるかなどといった質問を投げ掛けることもいいでしょう。説明者が進んで話したくなる話題を振るようにすることがベストです。また説明者の具体的経験を応答させる旨の質問がいいでしょう。


どのような志望動機・流れで御社に入社したのか

・業務内で、どのようなときに一番やりがい・困難さを感じるか

・業務内で、一番成長を感じた瞬間・エピソードについて

・入社前と入社後のギャップを感じたこと

・御社で活躍している人に共通するスキル

・職場の風通しや雰囲気

・若手のうちの働き方



などといったものです。また、質問者が女子就活生なおかつ説明者が女性であれば、企業における女性の働き方について質問してみるのも悪くはないでしょう。

ほかの就活生にとって有用であると、なおのこと良い質問だと考えられます。


さいごに

いかがでしたでしょうか。企業説明会におけるマナーを種々解説してきました。

ある程度対策については予測がつくことだと思われますので、上記で述べたことを踏まえて、決して悪い心象を抱かれないように企業説明会に望んで下さい。

企業説明会とはいっても、選考の場と同様であることを念頭においておきましょう。