これから就職活動を迎える大学生にとって気になるのが、「就活がどのようなスケジュールで進むのか」「対策はいつ頃から行えばよいのか」ということではないでしょうか。
近年では大企業でも短期インターンシップを取り入れて、正式な就活解禁の前から学生と接触を図っています。
卒業年によって変わることもある就活のスケジュールについて、それに合わせてどのように行動すればよいかを解説します!
1.近年のスケジュールの変遷
近年、就活のスケジュールは何度も変更になりました。どのようなスケジュールの変遷があったか、ここでおさらいしておきましょう。
就活のスケジュールでポイントなるのは、「採用広報解禁時期」と「選考開始時期」です。
経団連加盟企業の場合、これらのタイミングは経団連の指針によって決まります。採用広報が解禁になると、就活情報サイトが公開されたり、各企業が採用情報を公開したり説明会を実施するようになるため、このタイミングから就活を実質的にスタートさせる学生が多いです。選考開始時期になると企業が筆記試験や面接試験などの採用試験を実施するようになります。
2012年卒の新卒採用までは、採用広報解禁時期は大学3年時の10月、選考開始時期は大学4年時の4月となっていました。しかし、2013年卒から採用広報解禁が12月に変更になりました。さらに、2016年卒からは採用広報解禁が年をまたいだ翌年の3月に変更になり、選考開始もそれに合わせて8月に時期が移動になりました。学生が勉強や研究に集中できるように就活のスケジュールを遅らせた訳です。ただ、この指針に従わない企業もあり、2016年卒の採用においては、大企業よりも先に人材を獲得するために内定を早期に出す中小企業が多くあり、学生の内定辞退も増加してしまいました。
こうした状況を踏まえ、2017年卒からはさらに変更が加えられました。選考開始時期を2カ月早めて6月にしたのです。2018年卒も同様の就活スケジュールとなりました。2019年卒のスケジュールにも特に変更はありません。
採用広報解禁は3月で、この時期から就活が本格的にスタートします。
ちなみに経団連非加盟企業の場合でも、多くの学生が就活に動き出す時期に合わせて採用活動を行なうのが効果的であるため、採用広報に関しては経団連加盟企業と大体同じスケジュールで実施します。ただ、選考や内定出しは経団連加盟企業よりも先に行なうことが多いです。
ベンチャー企業や外資系企業などでは、3年生のもっと早い時期から、中には1年生や2年生でも選考の対象にしているところもあるので、自分の受けたい企業の選考開始時期はしっかり調べておくようにしましょう。
2.これから納得いく就活を送るために重要なポイント
2017年卒からはスケジュール上、採用広報解禁から選考開始までが3か月しかありません。また選考開始から10月の内定式までもわずか4カ月ということになります。採用広報解禁から就活の準備を始めるとあまり時間がないことになります。
ですから、採用広報解禁よりも前の段階で準備をスタートさせることが重要です。今すぐにでも準備を開始しましょう。では、どのような就活の準備ができるのでしょうか?
スムーズに就活に入ることができるように、興味のある業界の企業を探してリストアップしておきましょう。業界や企業研究を進めて、受けたい企業を絞ると効率的な就活ができると思います。Infraにも業界研究コラムや企業研究コラムが多数掲載されていますので活用してください。
また、Webテスト・筆記試験対策は時間がかかりますので、早めに取り掛かりましょう。
さらに、インターンシップに参加することも非常に重要です。
インターンシップを通して、就活と企業の現場を体感することができますから、「就活の戦いが始まった」という自覚を得ることができます。その自覚を持つことは就活を意欲的に行なう上で非常に重要です。さらに、詳しくは後述しますが、インターンシップに参加することで、その企業が本当に自分に本当に合ったものなのかを判断できますし、自分を企業にアピールする機会にもなります。
ですから、インターンシップに参加することが納得のいく就活を送るための重要な鍵となるのは間違いありません。
ちなみに、インターンシップは企業側にもメリットがあります。
新卒入社者のうち30%が「仕事内容が思っていたものと違った」などの理由で入社してから3年以内に退社すると言われていますが、インターンシップに参加してもらうことによって、そのようなギャップを防ぎ、早期退職を減らすことができます。
今後もインターンシップを開催する企業は増えていくことでしょう。
3.短期と長期のインターンシップについて
本格的な就活がスタートするまでにインターンシップへの参加が重要であることを説明しましたが、インターンには種類があります。
大きく分けて短期のものと長期のインターンがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
短期のインターンシップ
短期のインターンシップは長くても2週間程度のスケジュールで、業務への参加を伴わないインターンシップです。以前、経団連加盟企業には、「企業によるインターンシップは5日間以上」という日数規定がありましたが、2017年からは1日からの開催が可能になり、1日のみのインターン(1Dayインターンシップ)も行なわれています。
短期のインターシップでは、実際に業務に携わるというよりは、学生同士でのグループワークやディスカッション、新規事業立案といったものを行なうことになります。多くの場合、給与・報酬は支払われません。短期のインターンシップは、中小企業はあまり実施しておらず、大手企業が開催していることが多いです。対象学年は大学3年生が中心となっています。開催スケジュールは大学生の長期休みの期間中が中心です。
長期のインターンシップ
長期のインターンシップは、1ヶ月以上にわたるスケジュールで行なわれます。短期のインターンとは違って、社員と同じようにその企業の実務に関わることになります。多くの場合、長期のインターシップでは給与・報酬が発生します。
長期のインターンシップは、スタートアップ・ベンチャー企業が開催している場合が多いです。ただ、近年では、大手企業でも長期スケジュールのインターンシップを開催するところが増えているようです。多くの場合、大学1年生から卒業年度の学生までの幅広い学年を対象としており、就職年度ではない学生も受け入れています。
長期のインターンシップは、1年間を通じて随時募集・開催をしています。ただ、企業の受け入れ可能人数に上限がありますから、募集がストップになることもあります。その場合、欠員が出た時や人数の枠を増やしたタイミングで再び募集がかけられます。
このように、インターシップには長期のものと短期のものがありますが、就活を充実させるためにはどちらのインターンシップが有効でしょうか?
もちろん、両方とも重要で有意義ですが、長期のインターンシップの方がより一層就活に有利に働くと言えます。理由は下記の通りです。
・その企業・業界の仕事内容についてより深く知ることができる
短期のインターンシップの場合でも、ある程度業務内容についての知識を得ることはできます。ただ、仕事に実際に携わることはほとんどありませんので、実務について深く理解することは難しいです。でも、長期のインターンシップであればそれが可能です。長期のインターンシップを通して、自分がその仕事内容に本当に向いているかを判断することができ、志望企業や業界を絞る上での大きな助けを得られるでしょう。
・自分の人柄や能力を企業に知ってもらえる
長期のインターンシップでは、企業の社員と一緒に長い期間仕事に携わりますから、自分の人柄や能力をアピールする機会が短期のインターンシップよりも沢山あるでしょう。それが選考の際に有利に働く可能性は十分にあります。
・自己分析が深まる
実際に社員と同じような業務を行うことで、自分の強みや弱みが見えてきます。
就活直前になって焦って自己分析をするのではなく、実際に働いて適性を理解しておくとESや面接でも具体的なことを答えられるようになるでしょう。
就活生はなるべく長期のインターンシップに参加できるように今すぐにでも計画を立ててみましょう。
4.最後に
今回は就活のスケジュールの最近の動向を確認し、納得のいく就活を送るために必要なことを考えました。特にインターンシップへの参加が非常に重要であることが分かりましたね。
これからもその重要性は増していくと予想されますので、今の時代、「就活のスケジュールは採用広報解禁時期よりも前に始まっている」という認識を持って積極的に動き出しましょう!