私たちの生活において大事な水回りの管理を行うのが、水道業界です。水回りのトラブルがあれば、水道屋が駆け付け、配管工事等を行ってくれます。今回は、水道業界の業界研究を行っていきます。水道業界の仕組みや特徴、シェアランキング、仕事内容について幅広く取り上げます。水道業界への就職を考えている人は、本記事内容を参考にしてみてください。
水道業界とは?
まずは、水道業界について解説していきます。
私たちの知る水道屋さんは、どのような仕組みで運営されているのでしょうか?
・水道事業の全般は水道業界が運営する
水道の蛇口をひねれば水が出てくる仕組みを考えたのは、水道業界です。
現在、家庭で広く使われている水道は、1887年に横浜で作られた水道を応用したものです。
私たちが普段から使っている水道水は、「上水道」から供給されています。
1957年に制定された水道法により、飲み水としても使える水が供給され始めたのです。
こうした水道事業全般を管理・運営しているのが、水道業界です。
・お墨付きでないと水道事業は出来ない
水道業界が行う水道事業は、厚生労働大臣もしくは都道府県知事からの認可が必要です。
事業者が、許可なく独断で水道事業を展開することは出来ません。
水道事業に関わる設備やサービス料金の変更についても、認可を受けなければなりません。
こうした決まり事は、すべて水道法に定められたものです。
・水道業界の動向
近年では、景気が下がったことによる給水人口の減少が話題になっています。
日本で暮らす人々の意識は節水へと向かっているからです。
水道業界は、これを大きなチャンスととらえ、今ある水道設備を海外に展開しています。
主に、水道事業が未発展の東南アジア地域に向けた事業展開を行っています。
また、経済的にかなり豊かになっている中国に向けた海外進出計画も順調です。
水道業界の特徴
水道業界のルールや扱う商材、採用傾向など、知っておきたいことは多くあります。
以下より、素偉業業界の特徴についてお伝えしていきます。
・水道法に則った運営
水道業界は、水道法に則った運営を大前提としています。
2001年には水道法が一部改正され、2002年から改正水道法として施行されました。
水道業界が運営にあたって特に重要視しているのは、清浄な水の供給です。
水道法に制定されている水質基準を守り、暮らしを支える水を供給しています。
また、水道事業を展開する際には必ず公的な認可が下りてから行っています。
こうした、公正な運営のもと、水道業界は私たちを支え続けているのです。
・水道にも種類がある
水道には、「簡易水道」と「上水道」の2種類の水道があります。
簡易水道は、設置場所の人口が101人以上5000人以下の小さなエリアで提供されます。
上水道は、5001人以上の給水人口がいるエリアに設置されます。
人数によって設置される水道の種類が変わるのです。
また、水道は100人以下の給水人口の場合は水源なしと定義しています。
・水道業界の採用傾向
水道業界の採用は、事務系と技術系に分かれており、特に技術系の職種で活躍出来る人材が求められています。新卒で技術系の職種に就職する場合には、大学や大学院での専攻分野が大きく影響するため、文系学生で、水道業界を志望するのであれば、事務職で応募がいいかもしれません。また、求人情報誌内には、水道管工事のアルバイトも多く載っています。その中で、未経験OKの仕事に挑戦しておくと、水道業界からの心象も良くなるでしょう。
さらに今後の水道業界は、海外進出の可能性もあります。その点を視野に入れると、語学力がある方が有利になる可能性もあリます。特に、就職希望職種が営業職であるならば、英語や中国語は学んでおくと良いかもしれません。
・水道業界の強み
水道業界の強みといえば、景気に左右されない点です。
私たちの生活において、水は欠かせません。
多くの業界が景気変動によって業績が傾いているなか、水道業界の業績は安定しています。
水の給水人口が減ったのは事実ですが、人が絶えない限り水は必要不可欠な資源です。
安定した業績をおさめていることから、技術革新や海外進出にも積極的になれるのが水道業界の強みです。
・水道業界の平均年収
賃金構造基本統計調査によると、水道業界の平均年収は第1位です。
平均年収は692万1800円で、生涯年収は2億6700万3300円にも上ります。
一般企業に就職した場合、ここまで高収入を見込むのは難しいでしょう。
私的経済活動の基盤となるインフラ業界であることも、水道業界の強みです。
同じ電力系も高収入を見込める業界に含まれます。
が、原発問題があったことから、今後は水道業界の平均年収が最も高くなる見込みです。
シェアランキング
数ある水道業界のうち、シェアが高い事業者はどこなのでしょうか。
以下より、水道事業者ごとのシェアランキングトップ3を挙げていきます。
第1位:日立造船
売上高は3993億円となっており、水道業界随一のシェア率を誇ります。
日立造船では、今後の海水淡水化事業拠点をオーストラリアに映すなど、海外進出の動きにも拍車がかかっています。
第2位:栗田工業
売上高は2141億円で、栗田工業が開発した超純水製造装置がシェア率に貢献しています。
第3位:タクマ
売上高は1163億円となっています。
水道管工事において、高い技術をもつ人材を雇用していることがタクマの強みでしょう。
どんな仕事があるの?
水道業界には、事務職から営業職、技術職まで非常に多くの職種があります。
就職希望の人は、自分が向いている職種を事前に調べておきましょう。
・事務系
水道業界の事務系の職種は、少なからず募集している企業もあります。
事務系の職種とは、総務・法務・広報・人事・経理などです。
企業によっては、受付や秘書というカテゴリーもあります。
事務系であっても、水道業界の直近の動向に関する情報を仕入れておくことが必要です。
また、法務の仕事に就きたい人は、水道法に関する知識を学んでおきましょう。
水質や、水道事業開始にあたって必要な認可については詳しいほど重宝されます。
・営業系
水道業界における営業職では、海外進出も視野に入れた人物が求められています。
高い語学力はもちろん、水道業界のシェアや動向、課題の把握も必須です。
現在、水道業界では、給水人口の減少に伴い、水道事業の海外進出が進んでいます。
海外でも十分に通用する交渉力も求められます。
語学力を身につけるだけではなく、水道業界の最新技術についても調べておきましょう。
・技術系
水道業界で最も募集がかかっているのは、技術系の仕事です。
技術系の仕事は、水道管工事はもちろん、各企業における技術開発にも携わります。
多くの求人には、未経験でも積極採用を謳っています。
技術職に就きたいのであれば、水道業界に関わるアルバイト経験が武器になります。
水道の構造についてじっくり学んでおくのも良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、水道業界の業界研究を行ってきました。
私たちの生活に欠かせない水を安定供給し続けるのが、水道業界の仕事です。
日本経済が傾きつつある現代においても、水道業界が廃れる心配はありません。
それどころか、水道業界は海水淡水化計画や海外進出など、発展の一途をたどっています。
こうした研究内容から、水道業界ならではの強みが沢山見えてきたかと思います。
水道業界への就職を目指すのであれば、しっかりと知識の下積みをしていきましょう。
職種によって学ぶべき内容にも差が出てきます。
共通して学び続けるべきなのは、水道業界の動向についてです。
本記事内容でご紹介した水道業界の採用傾向についても、ぜひご一読ください。