知ってる?インターンに関係する保険がある!
みなさんは、インターンシップに役立つ保険があることをご存知でしょうか?
そもそも保険とは、何らかのトラブルによって自分が損害を受けた場合や、自分以外の誰か、または企業に対して損害を与えてしまった場合に、その損害を補償してくれる制度のことです。
「インターンシップ中に会社の備品を壊してしまって、弁償しなければならなくなった…」
「誤って同じグループのインターンシップ生にケガを負わせてしまって、医療費などの損害賠償が…」
このように、もしものときに助けてくれるのが保険なのです。
ちなみに、誰かに大けがをさせてしまった場合だとか、企業への損害賠償の場合だと、本当にとんでもない額の請求になってしまう場合もあります。
保険に加入していない場合、損害額を保険の補助なしで全額支払わなければなりません。
おそらく、就職活動どころではなくなってしまうでしょう。
どうでしょうか?
インターンシップに関する保険について、少しでも知っておいた方が良い気がしませんか?
ということで、今回は「インターンシップに参加する際に知っておいた方が良い保険」についてお話しします。
【目次】
1.インターン参加中のリスクって?
2.加入すると良い保険をご紹介!
-学生教育研究災害傷害保険(学研災保険)
-学研災付帯賠償責任保険(付帯賠責)
3.つまり、分かりやすく言うと...
4.保険についての注意点
5.まとめ
インターン参加中のリスクって?
インターンに参加するときには、「どんな業務をするのか」「社員の方はどんな人か」「スキルを身に付けられるように頑張ろう!」など、その仕事内容や周りの社員・インターン生についてばかりを考えてしまいがちです。
もちろん、第一に考えるべきはこれらのことですが、参加中のリスクについても考えておく必要があります。
インターン参加中に個人で保険に加入している大学生は少なく、リスクについても考えている人はほとんどいないようです。
具体的にどのようなリスクが考えられるかというと、分かりやすいのは、企業の物品を壊してしまったり、システムにかかわるソフトの破損などの損害を起こしてしまうこと。
また、契約時の規約違反をしてしまい、情報漏洩や企業のイメージ低下につながることをしたと判断されること。
このように、考えられるリスクはいくつかあるのです。
インターン生は正社員のようにしっかりとした保険に加入する必要はないと思われがちですが、実際に社員同様の仕事を経験するうえで起こるかもしれないリスクをしっかり考えておきましょう。
これらのリスクに対応するために、個人で参加するインターンでは損害賠償責任保険や災害傷害保険に加入しておくことが有効です。
一方で、大学で教育活動の一環としてインターンに参加する場合には、学生を対象とした保険に加入することができます。以下で詳細を解説していきます。
学生教育研究災害傷害保険(学研災保険)
「学生教育研究災害傷害保険」など長くて読みにくいので、略称である学研災保険という呼び方でお話しします。
学研災保険は、「学生が教育活動中に被った災害に対して必要な給付を行い、大学の教育研究活動の充実・発展に寄与することを趣旨として、昭和51年度から始められた災害補償制度」です。(公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)ホームページより引用)
この保険は、
・学校の授業(通常講義だけでなく、たとえば実験・実習など)
・入学式や卒業式などの式典や文化祭
・キャンパス内の学校施設
・サークルなどの課外活動中
・通学中、移動中
これらの事故で起きた被害に関して、適用される保険です。
JEESのホームページには、
・講義、実験、実習、演習または実技による授業を受けている間(通信生の場合は面接授業を受けている間)、指導教員の指示に基づき研究活動を行っている間の傷害事故
・大学の主催する入学式、オリエンテーション、卒業式など教育活動の一環としての各種学校行事に参加している間の傷害事故
・大学が教育活動のために所有、使用、又は管理している学校施設内にいる間の傷害事故
・大学の規則にのっとった所定の手続きにより大学の認めた学内学生団体・サークルの管理下で行う文化・体育活動を行っている間の傷害事故
このようなケースが紹介されています。
この保険は、大学に入学する際に加入を勧められているか、強制的に加入させられている可能性が高いです。
気になる方は、在籍している大学の窓口で確認してみましょう。
また、学研災保険は個人単位での保険ではなく、大学の窓口を経由して申し込む保険です。
もしも自分が加入しておらず、これから加入したいと思う方は大学の学生課などに相談してみてください。
学研災付帯賠償責任保険(付帯賠責)
こちらも正式名称が非常に長いので、略称で話を進めますね。
付帯賠責とは、「国内外において、学生が正課、学校行事、課外活動(注1)及びその往復で、他人にケガをさせたり、他人の財物を損壊したことにより法律上の損害賠償責任を負担することにより被る被害を補償します。」という保険です。(公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)ホームページより引用)
要するに、「学校に関連する何かしらの出来事で他人にケガをさせてしまったり、備品を破壊してしまった場合に、それらの損害賠償の補償をする」というのがこの保険の内容です。
適用範囲は、学研災保険と同じと考えて大丈夫でしょう。
例えば、JEESのホームページには
・化学の実験中、間違って薬品を混ぜて事故を起こしてしまい、クラスメイトにケガを負わせてしまった。
・インターンシップ先の機械を無断で使用し、誤って壊してしまった
・自宅から大学へ通学している途中、老人にぶつかって大けがをさせてしまった
・文化祭の模擬店で、食中毒を出してしまい、入院者が出てしまった
このようなケースが紹介されています。
この保険は、在籍している大学が賠償責任保険を取り扱っている場合に、上記の「学研災保険」に加入している人のみが加入できます。
こちらも、大学に入学する際に加入を勧められている、または強制的に加入している可能性が高いです。
学研災保険と付帯賠責はセットで加入していることがほとんどですので、どちらか片方だけ加入しているということは考えにくいでしょう。
というか、付帯賠責は学研災保険への加入が前提条件ですからね。
大学関係の保険はこれらふたつがメインとなります。
インターンシップに参加する前に、自分がどのような保険に加入しているのかを確認しておきましょう!
つまり、分かりやすく言うと…
これまでの説明が分かりにくかったり、漢字だらけで流し読みしてしまったという方はいらっしゃるでしょうか。
そんな方のために、以下に簡単にまとめてみました。
「大学に関係する活動中に起きた事故・トラブルにより、自分自身が損害を受けた場合の補償」をするのが学研災保険です。
「大学に関係する活動中に起きた事故・トラブルにより、第三者に損害を与えてしまった場合の補償」をするのが付帯賠責と言っていいかと思います。
どちらにしても、トラブルが起きてしまった際の助けになることは確実です。
自分が保険に加入しているかどうかは、大学の窓口に確認してみてくださいね。
保険についての注意点
上記の二つの保険に加入しているからといって、必ずしも安心とは限りません。
安心するために加入するんじゃないか、と思った方。ご指摘の通りです。
しかし、安心できないというのも、きちんと理由があります。
そもそも学研災保険も付帯賠責も、大学を経由して申し込まなければ加入することができない保険です。
そして、これらが適用されるのは「大学を経由したインターンシップの活動中」に限られてしまうのです。
インターンシップに参加する方の中には、企業のホームページや就活サイトなどから参加の申し込みを行う方もいるかと思います。
そういった「個人で申し込み、参加したインターンシップ」には、学研災保険と付帯賠責は適用されない可能性が高いのです。
ですが、ご安心ください。
民間の保険であれば個人単位でも申し込みが可能です。
ただ、民間の保険となると、企業によって様々なプランが用意されていて、正直なところここでは紹介しきれません。
かなり多岐にわたってしまいますので、ここでは紹介は控えさせていただきますが、気になった方は保険会社のホームページなどをチェックしてみてくださいね。
また、長期インターンシップに参加する場合には、何かしらの保険に加入することを強制される場合があります。
業務が長期間にわたるほど、当然ながらトラブルが起きる確率も高くなってしまいますからね。
そのような場合は、自分が加入する保険をよく確認しておきましょう。
いちど目を通すだけでも構いません。どのようなケースで適用されるものなのか、補償内容はどのようなものかなど、ある程度の概要を把握しておくようにしましょう。
ただ、長期インターンシップの場合、多くはきちんとした雇用契約を結ぶことになると思います。
企業との間に雇用契約が存在していれば、労災が適用されることになりますので、保険のことは気にしなくても大丈夫である可能性が高いです。
いろいろともめないためにも、自分が参加するインターンシップの契約内容をよく調べておくのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、インターンシップに関連する保険についてお話ししました。
大学に関係している保険は、「学生教育研究災害傷害保険(学研災保険)」と「学研災付帯賠償責任保険(付帯賠責)」のふたつです。
これらは大学に入学する際に加入している可能性が高いため、大学の窓口で確認してみてください。
また、民間の保険もいろいろとありますので、気になる方は保険会社のホームページをチェックしてみてください。
インターンシップでは、思わぬトラブルが起きてしまうこともあり得ます。
「もしも」のときの備えは、しておいて損はないかと思います。
困ったときに助けてくれるのは、知人ではなくお金かもしれませんよ。
そんな「もしも」を起こさないために、今回のお話がお役に立てれば嬉しいです。