2019年卒の大学生・大学院生を対象にした、就職活動の準備に関する 調査 によると、インターンシップに応募や申込みをした経験のある学生がおよそ9割、実際に参加したことがある学生がおよそ8割いるそうです。学生時代にインターンをすることが、当たり前になってきています。
しかし、インターン未経験者にとっては、分からないことも少なくないと思います。その一つが、「給料」についてです。
「そもそもインターンに給料は出るのか?」「給料が出るのであれば、いくらなのか?」「支払い体系は時給なのか、それとも日給(月給)なのか?」など、いざインターンに申し込む前に、気になることがたくさんあると思います。
そこで、これまで2,000人以上の長期インターン生を輩出してきた長期インターンプラットフォーム「Infra」のメンバーが、インターンに関する給料のお悩みを解決します。
インターンには「給料あり」と「給料なし」の2種類がある
おそらく、この記事をご覧になっている大学生の皆さんの多くが、「そもそもインターンに給料は出るのか?」ということに疑問を持っていると思います。
結論から言うと、インターンには給料なしの「無給インターン」と、給料ありの「有給インターン」の2種類があります。
多くの場合、「1dayインターン」に代表される短期インターンには給料が出ません。
なぜなら、短期インターンは「自社のPR」や「学生の囲い込み」を目的としてしているため、会社の利益につながる労働(=実務作業)を課さないからです。
つまり、短期インターンに参加する学生は、労働者ではありません。したがって、給料は発生しません。
しかし、遠方から参加する場合は、交通費や宿泊費が支給されるケースがあります。参加する際は、事前にインターンの詳細を調べるようにしておきましょう。
長期インターンの多くは給料あり
一方、長期インターンの多くは給料が出ます。
短期インターンに給料が出ないのと逆で、長期インターンの参加者は会社の利益につながる労働(=実務作業)をするからです。
ごく稀に、長期インターンであっても、「実力がつくから」「教育コストを支払っているから」といった理由で給与を支払わない企業がありますが、そうした企業で働くことはおすすめできません。
これまで2,000人以上の長期インターン生を輩出してきた経験から、最低賃金のルールを守っていない企業や、そもそも給与を支払わない企業の大半が「学生のためになるインターンを提供しているケースは非常に少ない」と断言できます。
労働をしたからには、最低限の対価を得る権利があります。都道府県ごとに「
最低賃金 」が決まっているので、長期インターンをする際は、一度チェックすることを推奨します。
ここまで、給料なしのインターンと、給料ありのインターンの違いについて説明しました。「そもそも、短期インターンと長期インターンの違いを知りたい」という方は、以下の記事をご覧になってから、この記事を読んでみると、より理解が深まります。
短期と長期のインターンの違い
短期・長期インターンの違い
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長期インターンの給与体系は「時給」が多い
続いて、長期インターンの給与体系について、解説します。
アルバイトであれば、時給が主な給与体系ですが、「インターンはどういった給与体系があるの?」と気になっている方が少なくないでしょう。
結論から言うと、インターンの場合も、アルバイトと同様に時給が中心です。ただ、企業によって日給や月給での支払いを行なっているケースもあります。どちらでの支払いかを選べるパターンもあるため、その際はご自身の都合に合わせて選んでみてください。
また、支払日もアルバイトと同様に、「月末締め翌月払い」のパターンが多いです。支払われる日は企業によって異なりますが、長期インターンは「社員の一員として働く」と認識されていることが多いので、基本的に社員と同じ日に給料が支払われると思ってください。
長期インターンの給与相場は「時給1,000円」
これから長期インターンを始めようと考えている方の中には、いったいどれくらいの給料がもらえるのか気になっている人が少なくないと思います。
お給料は企業によってそれぞれですが、長期インターンプラットフォーム「Infra」に掲載されている企業をリサーチしたところ、おおよその場合「時給1,000円」です。
営業職の場合、成約に対してインセンティブが支払われるケースもありますが、大半の長期インターンは時給1,000円前後だと考えていただいて問題ございません。
長期インターンに交通費は支給されるの?
長期インターンは、大半の場合交通費が支給されます。
しかし、月ごとに上限が設定されていることが多く、人によっては予算を超えてしまうケースもあります。
交通費について懸念がある場合は、自宅と学校の通学路から近い企業を選んで定期を活用するなど、工夫をする必要があるでしょう。
長期インターンとアルバイトの違い
ここまで話を聞くと、「給料が同じなのに、アルバイトとインターンは何が違うの?」と思った方がいるかもしれません。
「働いて、対価(お給料)をもらう」という意味でも、似ていますよね。ただ、インターンとアルバイトは、そもそもまったく異なる概念です。
アルバイトは、「本業や学業のかたわら、収入を得るための仕事をすること。また、その仕事をする人」と定義されています。つまり、お金を得る手段です。
一方インターンは、「Internship」の略称で、「学生が自己の適正を把握する、あるいは仕事の内容を理解するために、在学中に一定期間に企業内で就業体験を行うこと」を意味します。
つまり、インターンとアルバイトは、そもそも位置付けが違うのです。その違いについて、一度詳しく説明します。
インターンとアルバイトの業務の違い
まずは、業務の違いから説明します。
基本的に、アルバイトの業務は「お客様をご案内し、注文を伺い、料理を出し、後片付けをし、次のお客様をご案内する」といったマニュアル通りに行動することが求められます。
一方、インターンは「キャリア形成の一環である」という特色があるため、社会人(正社員)同様に働く機会になっていて、「マニュアル通り」ではなく「成果を出す」行動が求められます。
インターンとアルバイトの意義の違い
続いて、意義の違いについて説明します。
アルバイトは「その人」に対してではなく、「その人が使った時間」に対して給与が支払われます。誰がその仕事をしたかではなく、その人がどれだけの時間その仕事をしたかで価値を考えるのです。
一方、インターンは「その人の成果」に対して給与が支払われます。繰り返しになりますが、インターンは社会人(正社員)同様に働く機会です。細かいマニュアルがないので、しっかりと成果を出さなければ、契約を続けられなくなります。
少し難しいように感じてしまうかもしれませんが、逆に言えば、自分の出した成果には、きちんと価値がつくということです。
またインターンは、社長の近くで働く経験や、学生ながら経営会議に参加する経験、商談に同行する経験など、社会人としてしか得られなかったはずの貴重な時間を過ごすことができます。
こうした経験を社会に出る前に積んでおくと、就職活動や、社会人になった際のスタートダッシュにも効いてきます。
ただ、どちらがいいということはありません。アルバイトを頑張るのも立派なことですし、インターンももちろん同様です。どちらをするにせよ、自分の目的にしっかりと合った仕事を見つけることが大事になってきます。
インターンの給料にも税金「103万円の壁」がある
アルバイトの経験がある方は、「103万円の壁」についてご存知の方も多いと思いますが、改めて、大学生であっても年収が103万円を超えると所得税の課税対象になることを覚えておきましょう(勤労学生控除に申請した場合「130万円」まで非課税)。
また、103万円以上の収入があると、「扶養控除の対象」から外れてしまいます。すると、親が支払う税金が約10万円~20万円程度増加することになります。
さらに、130万円以上の収入があると、所得税の支払いに加え、親の社会保険扶養の対象からも外れるため、社会保険料を自分で支払う必要があります。所得を計算し、申告・納税する「確定申告」をしなければいけないのです。
親だけでなく、自分の負担も増えてしまうため、学生の内は収入をしっかりコントロールすることをおすすめします。
確定申告の仕組み
103万円を12か月で割ると、8万8千円です。収入がが8万8千円を超えた月は、源泉徴収の対象になります。 これが、確定申告の仕組みです。
つまり、長期休みに出勤日を増やすなどして、月収8万8千円を超えた場合、年収103万円以下でも所得税が徴収されてしまうのです。
その場合は、確定申告をすることで余分に納めた金額が返金されることを覚えておきましょう。
インターンは目的に合わせて選ぼう
ここまで、インターンに関する給料のお悩みについてお答えしてきました。
大きくまとめると、以下の5点が重要なポイントです。
◼︎ 短期インターンは給料が出ない
◼︎ 長期インターンは給料が出る
◼︎ 長期インターンの給料相場は「時給1,000円」
◼︎ 長期インターンとアルバイトは違う
◼︎ 長期インターンも税金の課税対象
インターンを選ぶ際は、「お金を稼ぐこと」なのか、「経験を得ること」なのか、「内定を得るため」なのか、目的を考えることが大切です。
就職したい企業の内定につなげたいのであれば、短期インターンに参加するのがよいでしょう。
どの企業にも入社できるビジネススキルを身に付けたいのであれば、長期インターンに参加するのがようでしょう。
もし、収入を得ることが目的なら、インターンではなくアルバイトでもいいかもしれません。
正解はないので、自分にあった学生生活を送れるよう、目的からしっかり考えてみてください。
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