数年前に比べインターンの服装規定は寛容になりました。スーツではなく「私服参加OK」を表明する企業が増えています。しかし、「私服でお越しください」「服装は自由です」の本当の意味は「ジャケットくらいは着て来てください」です。

本記事では、これまで2,000人以上の長期インターン生を輩出してきた長期インターンプラットフォーム「Infra」のメンバーが、インターンの服装に関する疑問や不安を解消していきます。
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長期と短期で、インターンの服装は違う

インターンでの服装は、長期インターンなのか、短期インターンなのかによって異なります。短期インターンは説明会としての役割があるため、ある程度フォーマルな服装が求められますし、長期インターンはいち社員として働く機会なので、企業の風土に応じた服装が求められます。

そもそも「短期インターンと長期インターンは何が違うの?」という疑問を持っている方は、先に以下の記事をチェックしてみてください。

>>> インターンシップとは?インターンの意味や目的、バイトとの違いなどを紹介

ベンチャー企業での長期インターンの服装



ベンチャー企業での長期インターンは、数あるインターンの中でも、服装に関して最も寛容であるといえます。

歴史が長く、格式や形式を重んじる傾向にある日本の大企業と違い、ベンチャー企業はフレキシブルな考えを持っているケースが多いです。むしろ「格式や形式に囚われず、それぞれの個性や自由を尊重する社風」を大切にしている会社が多く、スーツでビシッと決めてしまうと、浮いてしまうことがあるくらいです。

ただし、営業職など、社外の人と関わる職種の場合は「会社の顔である」「外部の人に見られている」意識を持って服装を選ぶことが大切です。スーツやオフィスカジュアルが基本かと思いますが、会社によって差もあるので、心配な人はその会社の社員に直接聞いてみましょう。

ちなみに、以前、筆者がライターのインターンに応募した際は、特に服装の指定がありませんでした。「何も書いてない場合はスーツでしょ!私、知ってるんだから!」と、気合い満々で面接に臨みましたが、社長の一言目は「スーツじゃなくても良かったのに(笑)」で、なんとなく恥ずかしかった記憶があります。

ですから面接であっても、あまりかしこまる必要はありません。カジュアルすぎない服装で参加し、内定獲得後に「どのような服装で出社すれば良いですか?」と尋ねるようにしましょう。

大企業での短期インターンの服装①「スーツでお越しください」の場合



服装のセレクトに関して一番気楽なインターンは、「スーツ指定」のインターンではないでしょうか。「スーツ」を指定されている以上、インターンに参加する全員がスーツを着てくるのですから、いちいち気を揉む必要はありません。

この手の会社は、近年、就活生の服装に関して、数年前よりも寛容化の傾向にある中、あえてスーツを指定しているのですから、形式や格式を重んじる、昔からの伝統を大切にする社風であることが多いです。

ちなみに、ここで指定されている「スーツ」は基本的に「リクルートスーツ」を指すので、華美なデザインのスーツは避けましょう。

ただし、化粧品会社やアパレル会社など、華やかなイメージのある企業では、「地味」な印象がマイナス評価につながることもあります。

ブラウスのデザインやスカートのシルエットを変え、華やかな印象を演出したほうが良い場合もあるので、事前に自分の参加する企業のインターンについてよく調べておきましょう。

大企業での短期インターンの服装②「私服でお越しください」の場合



大企業のインターンで「私服でお越しください」と指定されると、戸惑ってしまう方もいるでしょう。「もしかしたら、私服は自分だけかも…」そんな不安を持ってしまうかもしれません。

結論から言えば、「私服」とは、「オフィスカジュアル」を指しています。「私服でお越しください」の本当の意味は「ジャケットくらいはきて来てください」です。

オフィスカジュアルとは「フォーマルすぎず、ビジネスの場にふさわしい適度にカジュアルな服装」のことです。ビジネスの場にふさわしくないとされる、デニムやTシャツ、スニーカーはNGです。

たとえば、男性は白いシャツにチノパン+革靴。女性は白いブラウスに派手すぎない色の膝丈のフレアスカート+パンプスなどが「オフィスカジュアル」にあたります。

女性は、女子アナウンサーの格好をイメージすると良いでしょう。女子アナウンサーの皆さんは「派手すぎない色づかい」「過度な露出がない」「奇抜すぎない」、シンプルなのに「清楚で清潔な印象」で好感を持てますよね。

ちなみに、たまに「私服指定」をされているのにも関わらずスーツで来ている人がいますが、あえて「私服」を指定されている場に、スーツで行くのは逆に失礼に当たります。

カジュアルな洋服しか持っていない人も、インターン含め就活のために「オフィスカジュアル」に対応できる洋服を1着は準備しておく必要があるでしょう。

また、「平服でお越しください」も「オフィスカジュアルでお越しください」と同義だと考えて良いです。

大企業での短期インターンの服装③「ご自由な服装でお越しください」



この指示を受けて、「こんなところで自由にされても…」と頭を抱えたことのある学生もいるかもしれませんね。

しかし、あえて「自由」との指示を出しているのには、企業側にもそれなりの理由があります。

一つは「社会人のマナーとして必要な、TPOにふさわしい服装ができる常識力を持っているかどうかを判断したい」から。

なぜなら、一般常識的には、ここでいう「自由」は「常識の範囲内」の話であって、「私服=オフィスカジュアル」を前提にしています。

いくら自由だからといって、デニムにTシャツ、派手なスニーカーにキャップを被り、たくさんのアクセサリーを身に着けて行けば「非常識な人」としてのレッテルを貼られてしまうのです。

しかし、全ての企業がその常識に当てはまるわけではありません。

そこで浮上してくる二つ目の理由が、「自分で必要な情報を集めて、考える能力を見たい」から。

たとえば、出版や広告代理店、エンタメ系などのクリエイティブ系の企業では、オフィス内の社員さんが普通にデニムやパーカーなどのカジュアルなアイテムを身につけていたりします。

そうした企業のインターンでは、一般企業ではアウトな「普段着」を着ている参加者がたくさんいたりするのです。

逆にそんな中、一人スーツを着用してくると、なんとなく場違いな印象を与えてしまいます。

貴方の志望している会社が服装を「自由」と定めてきたのは、もしかしたら「スーツを着てきなさい」という暗黙の了解が既にあるのかもしれませんし、貴方の個性を「服装」で表現して欲しいのかもしれません。

「それは貴方が自分で考えてきてね」という、企業側からのメッセージともとれますね。

大企業での短期インターン④服装に関しての指定が無い



一番悩むのが、服装に関して一切触れられていない場合ではないでしょうか。しかし、そんなに難しく考える必要はありません。パターン③の理由と同様に、「自分で必要な情報を集めて、考える能力を見たい」のだと考えればいいでしょう。

個人的には、上記の理由から、よく見かける「服装の指定が無い場合、スーツで行くのが正解」は、間違いだと思っています。

実際、以前参加した某広告代理店のインターンシップでは、服装の指定がなかったにも関わらず、スーツで着た参加者は総勢100名のうち、片手に収まる程度でした。

それどころか、なかには美大出身という、少し奇抜な格好をした学生もいましたが、決して悪目立ちしているようには感じませんでした。むしろ、グループワーク優秀チームの代表者として、100名の学生の前でプレゼンテーションをしていたため、良い意味で「なんとなくアーティスティックな人」として印象に残っています。

そして、その人に対するフィードバックを聞く限り、おそらく企業側も私と同じように感じたのでしょう。

こんな風に、場合によっては型破りの服装選択がプラスに働くこともあるのです。



以上が「インターンに参加する際の服装で気をつけたいポイント」になります。

大切なのは「自分の志望する会社の雰囲気を読み取り、TPOに適した服装をすること」です。