みなさんこんにちは!
私は現在、理系の大学院に所属しており、研究活動と並行して、株式会社スマートシティ企画という会社で長期インターンをしています。理系の人がインターンをするのはまだまだ珍しいんじゃないか、ということで、理系学生がインターンをするということについて、自身の体験を踏まえながら記事を書きました。
以下は記事の構成です。
1.なんで長期インターンを始めたのか?どんなことをしているのか?
1.なんで長期インターンを始めたのか?どんなことをしているのか?
応募したきっかけ
インターンに応募しようと思った理由は、いくつかあるのですが、専攻していた学問が直接活かせる進路と自分が将来進みたい道にやや乖離があったことが大きいです。
都市をドカーンと開発したい!みたいな子供みたいな憧れから都市計画を専攻してきたのですが、学んだことが直接活かせる業界、すなわち官公庁や市町村の都市計画担当、は自分の性格上どうしてもマッチしないと感じており、そのため民間企業で働くことになるな、だったらビジネスの現場で経験を積むべきだろう!というのがインターンの志望理由です。
また、就職先としては規模の大きな企業を考えてはいるものの、働き方としては、あまりきちっとしてない小さめの会社にも興味があったので、学生という身分を活かしてインターンとして潜り込んでみよう、といった好奇心もありました。
面接ってどうなの?
応募した後は面接ですね。
初めてインターンをしよう、という方の中には、面接とかどうやるんだろう、不安…という方も少なくないかもしれません。
とはいえ、そんなガチガチに緊張するほどのものでもないなあと正直僕は思います。
以下、僕が面接した時の流れを書きます。
「どうも、こんにちは、まあまずは軽く自己紹介でも」
「はい、◯◯大学大学院で都市工学を専攻している××です。まちづくりの勉強を学部の頃からしており、〜を勉強したり、〜に取り組んだりしました。今回は、〜という理由でインターンに応募してみようと思いました。」(超フツー)の自己紹介
「へえ、面白そう、卒業研究とかなんかやってました?」
「卒業研究は、ベトナムの…」
「ベトナム!ベトナムは面白いですねえ、僕もこないだ行ったんだけど…」
(あ、研究の話、しなくていいの…?)
「じゃあ、うちの会社の説明ちょっとするね…(以下、説明が2,3分)…まあ大体こんな感じなんだけど、ど、どう?やってみる?」
「あ、はい、ぜひやりたいです」
こんな感じですごくゆるい雰囲気で終わりました笑。
履歴書には志望動機も書いたんですが、面接では書いた以上のことは聞かれなかったです。
これは会社によって違うので、もちろん就活みたいに「学生時代頑張ったことは?」「あなたの強みは?」等々聞く会社もあるでしょう。
すごく人気のあるインターンを目指す場合はみっちり対策した方がいいような気もしますが、僕の会社みたいにゆるい雰囲気で面接して、「働いてみる?」「はい」「うんオッケー」な場合もあります。
どんなことをしているのか?
私が働いている会社は、まちづくりに関係するプロジェクトを提案したり、関連する調査を行ったりしています。
そのため業務内容は多岐にわたります。インターン生はメインで仕事を回している人の補助という位置付けなので、その時進めたいプロジェクトに必要な作業を割り振るという感じになります。
本当に色々なことやりますが、例をあげると
・蓄電池ビジネスに関する海外事例の調査
・風力発電市場規模の推定
・英語資料の翻訳
などです。
僕がこれまでやってきた業務は上記のようなものですが、それはもしかしたら僕が理系でリサーチや分析が好きという適性を買われてかもしれません。
2.理系×長期インターンの考察
ここまで、僕自身のインターンの経験について書いてきましたが、理系の学生が長期インターンを始めるにあたっては、不安な点などもあるかと思います。
そこで、「理系は勉強忙しいんじゃないの?」「専門の勉強に集中したら?」「そもそも理系って会社から期待されているの?」といったテーマについて、自分なりの見解を述べていきたいと思います。
忙しいんじゃないか?
はい、その通りです。多分理系の学生は平均すると文系の学生より忙しいかと思います。
でも、本当に工夫の余地はないですか?
僕は、学部生の時にも、今とは別の会社で4ヶ月ほど長期インターンをしたことがあるのですが、自分の所属する学科は週に20コマを超える授業が入ることが普通で、長期インターンをする時間なんてないかと思っていました。
ただ、大学の勉強だけだとビジネスの世界のことが全く分からず、興味のあった不動産業界の仕事を知ってみたいという思いから、仕事の現場を経験できるインターンにはどうしても挑戦したいと思いました。
そこで僕は、
「3年生の1学期に週24コマを詰め込み、2学期を17コマ程度に減らして全休を作り、そこでインターンをする」
という作戦を立てて、実際にその通りにしました。
全休は与えられるモノじゃなくて作るモノです。週24コマくらい気合いでなんとかなります(1つだけ単位落としたけど)。
ただ、そこまでして週一回空けてインターンすることに意味があったかと言われると、「なくはない」程度だったかなと思います。週一回しかこない人に大きな仕事が回ってくるはずもないので、スキル面での成長はあまりなかったような。
ということで、実践的なスキルを「週二回以上」出社するようにした方がいいと個人的には思います。
ただ、全くの無意味だったかというとそうではなくて、仕事の「アウトプット」だけではなく「プロセス」を知るという意味では価値はあったと思います。
不動産業の例でいうと、どんなビルが出来たか、という結果ばかりでなく、候補地の選定をサイト上で必死になって行ったり、全体会議で候補地・理由を発表してダメ出しされたり、といった具体的な仕事の流れがわかったのは、本当に向いているのか?やりたいことなのか?と自分に問う上で有益でした。
専門の勉強に集中したら?
これは人それぞれの優先順位によると思います。専門性を極める道に既に進んでいて、その進路に自信を持っている人には、長期インターンで経験を積む必要はないのかもしれません。
例えば研究者になる、もしくは研究開発職につくなど、学んだことがそのまま将来につながっていくような場合、学業や研究に集中した方がいいでしょう。また、多くの指導教員は、学生に対して学業に集中することを望んでいるような気がします。
ただ、そういう指導をする教員たちは皆、「授業や研究に集中して取り組み、アカデミックな進路に進んで成果を上げてきた人たち」であり、そういった人たちが発言しているのだということには注意しましょう。教授が進んできた進路と、学生がこれから進んでいく進路が、一致するとは限りません。
理系に入ってとはいえ、専門も特に思い入れがあるわけではなくなんとなくで決めた、とか、勉強はしているしそれなりに面白さも感じているけど、あんまり活躍できる感じじゃないな、みたいな人は少なくないかと思います。
そういう場合は、長期インターンで仕事の経験をしてみるのも良いのではないでしょうか。
理系の人への期待は高い!
ここまで、理系でも長期インターンできるよ、という学生側からの話を主に紹介しましたが、一方で採用する企業側は、理系の学生についてどう思っているんでしょうか?
気になったので、社員の方に聞いてみました!
「理系の学生の需要ってあります?」
「それは確実にある。なんたって計数に強いこと。計数に強く、数字を扱うことに抵抗がないことは、雇う側としては非常に助かる。もっとも理系文系って属性にこだわっているわけじゃないんだけどね。」
とのことでした。
この原稿を書いている今日は、「廃棄物処理プラントの経営」について、シミュレーションできるボードゲームを作り、一般の人でもわかりやすく体験できるようにするという企画に携わっていたのですが、ゲームの中で点数を設定したり、仕組みを考えたりする場面でも、数字の強さという理系的な強みは大いに活かされたと思います。
もっともボードゲームを作る仕事はそんな多くないとは思いますが、とにかく数字を扱うことに慣れているのは大きな強みなので、自信を持っていいのではないでしょうか。
3.学生時代にやっておきたいこと
学生時代にできることは色々あります。学業、サークル、学生団体、恋愛、旅行など色々と。
どんな学生時代を過ごすか、それは自由だと思いますが、キャリア全体から大学時代を位置付けるとすれば、「自分が活躍できそうな分野を見極める」時期と言えるのではないかと思っています。
僕の場合、インターン先の会社で「この辺の資料使ってテキトーに市場規模推定しといて」との仕事をいただいた(会社の名誉のために言いますが、「テキトーな」資料を客先に出したりはしてないですよ!ちゃんとチェックはしてくれます)
時に、専門分野外で詳しくもなんともなかったものの、必死でロジックを考え、モデルに落とし込んでいくという作業を経て、「あ、Excelで数字をいじくってモデル作るの、楽しいな」と、偶然にも気づきました。それで、元々は専門外だった財務モデリングの本を買って自分で勉強したりする等、その後の取り組みにもつながりました。
もちろんインターン以外にも有意義な時間の使い方はいくらでもあるとは思いますが、実際の仕事の場を経験すると、どういった仕事が向いている、向いてない、といったことがだんだん分かってきますし、それが分かることのメリットは大きいと思います。
理系の皆さんは学業等で忙しいかもしれないですが、もし研究の道以外の進路も考えているのであれば、ぜひ長期インターンに挑戦して、自分なりの活躍の場を見つけて欲しいと思います!