就活生に大人気な業界の一つ、「総合商社」。「グローバルに働ける」「年収が高い!」と憧れている学生も多いのではないでしょうか。そんな総合商社の中で、大手といえば、5大商社。
今回は五大商社のうちの一つ、住友商事にフォーカスして、まとめてみました。

住友商事の主な事業内容は?

住友商事の取り扱う主たる事業内容は、金属事業、輸送機・建機に係る事業、環境・インフラ事業、メディア・生活関連事業、資源・化学品事業の5部門に大別されます。
ラーメンのような小規模なものから航空機のような大規模に至るまで相当多種多様な領域の事業をこなす総合商社ですが、事業の態様から大別するとトレードと事業投資とに区分することも可能です。
トレードとは貿易のことであり、原材料を外国から輸入し国内のメーカーに販売するほか、国内生産による商品を外国へ販売するなどし、これらによる利ざやの獲得を主眼とする事業です。具体的には、小麦を輸入した後で日本のメーカーに販売し、そのメーカーで製造されたカップラーメンなどを輸出する、鉄などの素材を輸入した後で自動車メーカーに販売し、そこで製造された自動車を海外へ輸出することが一般的です。

他方、事業投資も総合商社の一翼を担っています。総合商社というからには、多数の領域に渡って投資を実施していることから、網羅的に抑えておくことは苦労するでしょうね。諸々の領域に渡る事業に対して出資、当該事業が成功し売上を伸ばせば配当金を得られるという仕組みです。たとえていうならば、資源関連における事業投資であれば、開発に携わる資源メジャーといわれる大企業に対して出資、それに人材を供給し事業を順風満帆にすることにより配当金を入手できます。

総合商社がインフラに係る事業に対して出資することもよくあることです。住友商事のインフラ事業の場合、2004年に仏国に所在する企業とともにメキシコの下水処理ビジネスに携わっています。仏国の企業とはデグレモンのことなのですが、当該企業は水に関連する事業に特化したもので、これに住友商事の金融事業によって培われた調整力を活用していきました。下水を農業ないし工業用水として有効活用する事業を展開していき、メキシコの活性化に邁進しています。

また、事業投資は、トレードとも密接な関連性を有することもあり、トレードについて欠落している余地があれば、これを補うために新たに企業を設置することを企画し投資することも少なくありません。

住友商事が関わるインフラ事業においては、世界的なデマンドに発展しうる上下水道関連のビジネスに対して、国内の有するテクノロジーを打ち出し、輸出に供してもいます。マレーシアが端緒として該当します。

さらに住友商事は、オーストラリアでどのような需要があるかにも当初から着目しており、同国からの穀物の輸出においては国内最大規模となっています。ゆえにラーメンのような小規模なものから、航空機のような大規模なものに至るまで網羅的に取り扱っているといえるのです。

商社は本来、大規模な製品の流通に係る輸出入などをメインに取り扱っている産業に相当するものだったのですが、バブルがはじけて以来、商社のみならずメーカーであっても総合商社化し得たことにより、単にトレードに係る事業のみに邁進していたのでは利益を上昇させることが困難になったために、諸々の事業に手を出したという経緯があるのです。これに対して近時では、権益投資に鋭意注視し続けることによって免れ得たばかりか、三菱商事を除く商社が一転して過去最高額の純利益を打ち出したのです。


競合と比較した住友商事の強み

住友商事のもととなった「住友」としては京都での書店や薬店を端緒に、400年もの歴史を有しており、その精神は未だに健在です。そして、自利利他公私一如と呼ばれる、自己のみならず住友という企業、果ては日本国、さらには世界経済全体をも見据えていくことも住友のビジネスマインドといえ、これを枢要として事業に邁進しています。

住友商事は、そのほかの競合商社と比較しても相当多種多様なモノを取り扱っている企業です。商社特有の連結売上高についてみれば、住友商事は5大商社のなかでは最下位に位置づけられるにもかかわらず、純利益については3位にランクインしていることからすれば、住友商事には堅実経営の徹底ぶりが窺えます。

他方、事業構成については、各取扱領域においてメディア・ライフスタイルを主眼としているように見えはするものの、相当均衡が取れていると評価できます。そして、住友商事は、鉄鋼製品で躍進した経緯があることから、現時点でも鉄鋼製品に強みがあるのです。

よって、住友商事は、事業に対して果敢に挑んでいるとはいい得ないものの、長期的な視野を念頭にリスク回避の手法を巧みに採用し安定的な基盤を策定した企業と評価できます。

住友商事は、資源に係る事業において、相当な損失算入を経験したことにより、かかる分野において危機管理の模索を余儀なくされるとともに、非資源に係る事業について堅実な業績を醸し出すことを重要視していった経緯も有しています。かかる状況を打破するためには、他の住友系列の企業との親和性が、他の競合商社と比して強みとなり得る余地が生じるといわざるを得ません。具体的には、三井住友銀行とで航空機のリースに係る事業に携わったことや、新日鉄住金とで携わった油井管事業などが該当します。

そして、メディア・生活関連においては、テレビ事業に携わるジュピターテレコム、ソフトやハードウェア開発に携わるSCSKに加えて、食品チェーンストアのサミットやテレビ通販のジュピターショップチャンネルなどといったように、日本で著名な企業も多数有しているところです。つまり、住友商事は、安易に世界を視野に入れるに留まらず、時として日本国内における事業で、商売の基本について徹底的に学習するチャンスを与えられる場合もあるのですよ。

どのような学生を求めているのか

住友商事は、高尚な志と倫理観を有し、多岐に渡る価値観と自己の価値観とを併用しつつ主体的な行動の取れること、既存のものに縛られることなくこれまでなし得なかった事業体系を模索し得る人材を自社の社員として要求しています。
住友商事に入社すれば、自己の見識に忠実に主体性をもって行動しつつも、第三者を見下すことなく誠意を持った対応を心掛けるとともに、多種多様な事業に対して果敢に挑むことを経て、最適な結果を得られることを要求されるのです。

そのため、就活生としては、自己がどのような信念や思考を有しているか、ある物事を実現していくためにこれまでどのように第三者と接し行動してきたか、今まで培った経験をどのように活用していくのかを主張していくべきでしょう。

5大商社のなかでは最も新しい住友商事ですが、創業時にはものの32人、しかもいずれも何らの技術も有していなかったというのです。そのような劣勢な状況下のもと、この間において社長は社員に対し、いくら商社のなかで若輩であろうとも、情熱さえ尽きることがなければ競合他社に追従していける旨を説き続けつつも、具体策を編み出し企業を率いてきました。このような競合商社に果敢に挑む姿勢は現在の住友商事にも顕著なものです。目前の際限が何らもない状況にあるなか、どのようにしてこれを打開していくかを住友商事では実現できます。

住友商事は時代の変遷に対して適宜乗り越えてこれたものですが、BtoBにおける顧客からの要望を完遂させることにより、自社の活躍範囲を拡充してきた経緯があります。多種多彩な事業展開が主眼となっている総合商社ですが、住友商事はこれに飽き足らず、各領域から事業全体を俯瞰することによって、相互連携を深めています。これこそが住友商事の優れた先取性や、旧態依然に陥ることなく付加価値を加えていける秘訣といえるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、就活生に大人気、そして就職難易度が非常に高いとされる五大商社の中でも「住友商事」グループに関してまとめてみました。是非、参考にしてみてくださいね。