集団面接とは
新卒採用のときには、集団面接のある企業が多いでしょう。他の学生にも面接官の注意が向かうので緊張感が薄れたり、質問の答えを考える時間もとれるし簡単だろうなどと思っていたりすると、集団面接で失敗してしまうこともあります。集団面接がどういったものなのか、しっかり内容を知り対策しておく必要があるのです。
面接には個人面接と集団面接があります。個人面接は、自分一人が面接官から質問を受けたり、答えたりするものですね。個人面接の中でも、1対1の場合や、面接官が複数いる1対3程度のものもあります。
一方、集団面接とは、自身を含めて3~5名程度の学生が同時に面接を受けるものです。このとき面接官が1人のときもありますし、2人以上のことも多いです。
学生たちが面接官に向き合って、横一列に座って面接をします。質問内容はオーソドックスなものが多く、自己紹介から志望動機、自己PR、学生時代に頑張ったこと…などを一つずつ順番に聞いていきます。
選考が進むにつれて集団面接も減っていきますが、たいてい一次面接などの段階では集団面接になることが多いです。大企業などでは集団面接は当たり前のようにありますし、それなりに規模がある中小企業であれば集団面接も珍しくありません。
「当日行ってみたら集団面接だった!」なんてこともあり、面接に行くときには常に心の準備をしておかないと慌ててしまうかもしれません。
企業はどうして個人面接でなく、集団面接を実施しているのでしょうか。
「個人面接のほうがじっくり話せて良さそうなのに」などと考えますが、そうではないのです。集団面接の特徴は、企業側の視点だと「複数の学生を同時に面接できること」です。多くの学生から話を聞かないといけないので、これは採用側にとって大変なように思えますが、メリットが多いのです。
まずは大幅に時間短縮ができます。学生を一人ひとり面接するには、新卒は数が多すぎます。だからといってエントリーシートで絞りすぎるのもリスクが大きいので、より多くの学生と出会えるように集団面接を実施しています。そして「学生同士を比較できる」というのも大きな特徴です。
企業は集団面接で学生のココを見ている!
企業が注目しているのは、「マナー・態度」それらによる「学生間の優劣」も、しっかりチェックされています。
まずマナー・態度ですが、他学生と一緒に入室するときでもしっかり声を出して挨拶をしましょう。入退室時のお辞儀も簡単に済ませてはいけません。他の人の話を聞いているときも、気を抜かないようにしてください。
自分の答えを考えるのに夢中で、場に集中できていないのはNGです。そういうときこそ面接官はチェックしているものです。急に回答の順番が変わることもあります。左から順に指名されていたのに、左から3番目の人から指名されることもあるなど、ルールはないので常に自分から始まるくらいの気持ちでいましょう。
また、面接中も「声が小さい」「姿勢が悪い」「落ち着きがない」「暗い」などのネガティブな面に気をつけましょう。マナー・態度は他の学生がしっかりしていたら、余計に悪目立ちします。
面接なのでコミュニケーション力も見極められているでしょう。集団面接は、話している内容自体は難しいものではありません。それでも、聞かれたことに答えられない人がいるのです。自己紹介をお願いしたのに、自己PRを始めたりしたら、意思疎通がとれていないと感じられてしまうでしょう。
また、志望動機を長々と話していたけれど結局何が動機なの?となってしまう人も多いです。質問に対しては、まず「結論」を伝えてそのあとにその「理由やエピソード」などを付け加えていくと伝わりやすくなるのでオススメです。
集団面接のポイント
集団面接は一人あたりの話せる時間が少ないです。効率的にアピールしないと興味を持たれないまま終わってしまった、なんてことになりかねません。その少ない時間の中でいかに好印象を残せるかがポイントです。
笑顔でしっかりと質問に答えていくだけでも、面接官はその学生に対して好印象を持ちます。話すチャンスが少ないからといって、一回で長々と話し続けることはNGです!いくら良いことをアピールしているつもりでも、周りに気を遣えないという評価がくだります。
集団面接にかぎらず、たいてい長い話は要領を得ていないので面接官には響いていません。面接官からの質問は、冒頭でお伝えしたように、エントリーシートや履歴書に書いたような基本的なことが多いです。
自己紹介、自己PR、志望動機などを求められたら、端的に答えるように心掛けましょう。自己PRや志望動機も1分程度でまとめると良いでしょう。
話した内容について補足で回答を求められたりしますが、深く掘り下げてくることはあまりないです。内容を掘り下げられなくても自身が伝えたいアピールを簡潔に伝えられるような、自己PRや志望動機を集団面接用に用意しておきましょう。
他の人と回答内容がかぶっていたり、他の人が自分よりも魅力的だと思える話をしたりしても、ぶれてはいけません。自分なりのエピソードなどを盛り込んでいれば十分に差別化ができるので問題ありません。
「となりの○○さんと同じになってしまうのですが…」などはいちいち言わなくて大丈夫です。自らマイナスな印象を口に出すことで、これから話すことへの自信もなくなってしまう恐れがあります。
他学生が質問意図とは違う回答をした場合でも、流されてはいけません。前の人が自己紹介の時間に自己PRをしても、あなたはしっかりと自己紹介をしてください。間違えたり気を遣ったりして自己PRをすると、一緒に低評価にされてしまいます。
また、他の人の話を聞いているときは、そちらの方向を見ながら軽くうなずいたりしましょう。あくまでも自然にその学生の話に傾聴していると、場にも慣れてくるので緊張感が和らいでいきます。
好印象を残すために、逆質問を積極的にしてみましょう。集団面接の最後には、逆質問の時間を設けていることが多いです。
これはもちろん就活生の疑問や不安に答えるというものではありますが、ある種のPRタイムです。企業は積極的に質問してくる学生を「意欲がある」と感じます。学生は質問によって企業研究の成果を出せますし、印象を残すこともできるので、他学生との差をつけやすい部分と言えるでしょう。
あくまでも質問をする時間なので、余計な自己PRをしないように注意してください。質問も端的なものでないと伝わらないので気をつけましょう。
マナー・態度がきちんとしていて、話している内容もわかりやすく笑顔で好印象。逆質問で入社意欲も感じられる。それだけで十分集団面接の場ではアピールになりえるのです。
まとめ
集団面接は個人面接と違って、周りに惑わされたり、気を遣ったりと、アピールの仕方が難しいと感じるかもしれません。ただ、話す内容は十分に用意してこられるものですし、質問に対するとっさの判断なども個人面接ほどありません。まずは気を抜かずにマナーや態度、大きな声で明るい表情などといった最低限のことを実践していきましょう。
集団面接では他学生を落として自分が生きるという考え方ではいけません。その場にいる他の人にも興味を持ち、自分一人で面接をしているわけではないと自覚しましょう。自身の軸をぶらさずに、チェックされるマナー・態度、逆質問などをうまく活用して面接官にアピールしてみてください。