就活生などに際して顕著なものに、リクルーター制度がありますよね。このリクルーター制度とは、企業側によって選定された企業に雇用されているリクルーターによって就活生に接触することによって、より有能な人材を効率よく確保するための手段なのです。
リクルーターは原則として就活生と面談を実施することとなるのですが、選考における面接のような改まったものではなく、比較的ざっくばらんに実施されることも少なくありません。
リクルーター制度とは?
とはいえ、リクルーター制度は、実質選考活動に相当するものです。これまでリクルートという言葉が1990年代前半に跋扈していましたが、この時期はバブルの真っ只中でした。これ以降、現在に至るまで、不況のために減少しつつあったのです。
ところが、2016年には状況が一変し、本業である学業を優先するという趣旨のもと政府により面接を先延ばしにする旨の策定のために、面接期間が3カ月に縮小されたことから、企業側が採用に際して選考に時間をかけることが困難になったのです。このような状況を踏まえて、各企業は、面接のエントリーが開始された時期からの面談に着目し、リクルーターに面談を実施させていき、選考に資するようになりました。
このリクルーター制度を活用する企業、主として銀行や保険業界で顕著なようです。特に銀行業界では、就活生のうちの3分の1に相当する数がリクルーターとコンタクトを取っているとされています。
次いでリクルーターの多い業界はインフラ業界とのことです。他方、理系の業界であれば、自動車や輸送機器、それに運輸や倉庫、素材・化学などについて、7人から8人に1人という割合になっているようです。
リクルーターはどうすればつく?いつつく?
リクルーターとコンタクトを取ることは、いくら要望したとしても就活生からできるものではないのです。あくまでも企業側から選考のある可能性のある人物に対してコンタクトがなされることに注意が必要です。
リクルーターがつく機会とは、プレエントリー後に連絡がある場合がまず挙げられます。地方の企業がそこでの地元学生に対して行うことが通例となっています。つまり、地銀に顕著といえるものです。
そして、エントリーシートを提出した後や企業説明会の後で、コンタクトがなされる場合も該当します。大抵の企業が実施しているのがこの事例です。企業側としても自社に興味のある就活生を対象としている傾向があるために、これにあやかるためにはエントリーシートで入念に主張を行っておくことが望ましいといえます。
また、企業説明会ではアンケートが実施されていることも多く、この内容によってリクルーターを派遣するかを決定している余地もあるというべきですから、アンケートについても真面目に回答しておきましょう。
同じ大学の卒業生がリクルーターとなり、コンタクトがなされるケースもあります。リクルーター制度を採用している企業の傾向としては、大手や著名な企業が顕著であることから、どうしても学歴が優先される傾向もあるといえます。そのため、このケースでコンタクトがなされるのは、有名大学が顕著となるでしょう。
リクルーター面談で聞かれること
リクルーター制度における面談では、リクルーターから諸々質問を受けることになります。いくらざっくばらんな場といえども、何らの対策なく臨場することは慎まなければなりません。リクルーターからして、後悔させない内容のものを事前に検討しておく必要性が生じます。面接ほどの厳格な場ではないにせよ、話す内容については選考における面接と異なるところはないのです。
入念な対策を講じておくとともに、こちらからの質問についても準備万端にしておきましょう。
リクルーター面談の倍率と対策について
リクルーター面談の倍率については、どのようになっているのかというと、特に顕著な金融業界においては、リクルーター1人あたりにつき、就活生が1人か2人程度とのことです。具体的にいえば、リクルーターが3名の就活生にコンタクトを取ったとするならば、段階が進捗していくのは、そのうち、1名ほどとなる計算です。これが3度ともなれば、概ね27倍ほどの競争率になるということです。
本選考前のリクルーター面談という性質上、相当倍率の高いものであることを踏まえておきましょう。
次にリクルーター面談の対策について解説していきます。面談では、単にリクルーターの話すことに対して聞く耳一方であったのであれば、自らの強みを主張できないこととなり、あまり印象づけられないこととなります。そうすると、なるべく自己の魅力が分かってもらえるように対策をとっておくことが不可欠となってきます。
まずすべきことは身だしなみでしょうね。リクルーター面談では、特に服装の指定がなされていなければ、スーツで参加することが原則です。
ブラック無地のリクルートスーツを用意しておくとともに、清潔感を与えることが重要です。もし私服指定であればオフィスカジュアルで赴くと良いでしょうね。
次に、いくらリクルーターとはいえ、面談では敬語で話すようにしましょう。また、所作についても留意しておくことに越したことはありません。通常の選考時のような厳粛な場では行われないために、会話についてもざっくばらんとなってしまいかねません。
敬語で相手に失礼のないように臨めば特に構わないものといえるのですが、なかなかその歯止めが効かない就活生もいることでしょうから、あくまでも選考の一つであることをわきまえておきましょう。
いくらリクルーター制度とはいえ、事実上は選考の一部としてなされていることも多々あるために、当然敬語についても入念に確認がなされています。面談の場がくだけているからといっても、会話までくだけないように留意しなければなりません。飲料を飲む場合の所作についても、特に留意しておきましょう。
リクルーターと面談するに際しては、諸々の質問を投げかけられることが多いです。いくらくだけた場であったにせよ、何らの対策もしないのはまずいですね。リクルーターからこの就活生で間違いなかった旨の心象を抱かせるような回答ができるように臨むことが不可欠です。
選考会場のような厳格な場ではないものの、面談で話す内容は選考同様であるために、入念な対策を行っておきましょう。
反対に質問をしなければならないこともあることから、就活生側からも逆質問を準備しておくに越したことはありません。
リクルーター制度を採用している企業は?
それでは、実際にリクルーターによる面談制度を実施している企業にはどのような企業があるのでしょうか。
以下は過去にリクルーター制度を実施したことがある企業一覧です。業界ごとに主要企業をまとめました。
※これは過去のデータですので、現在は行っていないこともありますし、これらの企業以外にもリクルーター制度を採用している企業は多く存在します。あくまで参考程度にご覧ください。
銀行
みずほフィナンシャルグループ
みずほ銀行
三井住友銀行(略称SMBC)
三井住友信託銀行
スルガ銀行
ゆうちょ銀行
証券
SMBC日興証券 投資銀行部門
日本銀行
日本政策金融公庫
日本政策投資銀行(略称DBJ)
大和証券
野村證券
商工中金
保険
第一生命
東京海上日動(通称マリン)
かんぽ生命
住友生命
日本生命
メーカー
川崎重工
日清紡
日立製作所
AGC旭硝子
JFEスチール
キヤノン
トヨタ自動車
マツダ
旭化成
新日鉄住金
通信
NTTコミュニケーションズ
NTT東日本
NTT西日本
建設
鹿島建設
清水建設
インフラ・エネルギー
東京電力
J-POWER
関西電力
中部電力
鉄道
JR東日本
JR西日本
京急電鉄
小田急電鉄
東急電鉄
人材
リクルートエージェント(株式会社リクルートキャリア)
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最後に
以上のとおり、リクルーター制度は、企業が有能な就活生を前もって確保する意図のもとで人事担当者以外の(社員を派遣)し面談を実施する制度のことを指します。
いくらくだけた場で面談がなされるとはいえ、実質は選考の面接同様であるために、然るべき対応を怠ることがなければ、そのまま最終面接へ飛躍できる可能性もあるのです。ただ、相当な学歴があることを要する場合が少なくないことから、不公平との意見も多々あるようです。リクルーターからの着手があれば、実際の面接対策と同様の施策を怠ることのないようにしておきましょう。