りそなグループと言えば、三菱UFJ、三井住友、みずほと並んで四大メガバンクとして挙げられる銀行で東証一部に上場しています。実際にはちょうど都銀と地銀の中間の銀行で、都銀としては営業範囲が一部地域に集中しているし、地銀としては営業範囲が広いという事で独特の銀行だと言えます。設立の経緯として、大和銀行、近畿大阪銀行、奈良銀行という3つの銀行が2001年に合併し、更に2002年にあさひ銀行も経営統合を行って2002年4月からりそなグループとなりますが立ち上がりは波乱万丈だったと言えます。2003年3月期決算で自己資本比率が基準を下回ったために預金保険機構を引受先とする1兆9600億円の株式を発行して公的資金を注入し6月からは実質的に国有化されていました。そして、2015年6月にようやく公的資金の返済を終えて、事業展開を加速中の銀行の1つです。本記事ではりそなグループの特徴や選考対策についてまとめています。
りそなグループの主な事業内容は?
まずはりそなグループの主な事業内容について説明します。りそなグループはりそな銀行と埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行の3行とその関連子会社によって構成されています。ちなみに近畿大阪銀行については2018年4月に三井住友フィナンシャルグループの傘下のみなと銀行と関西アーバン銀行と経営統合を行い、関西みらいフィナンシャルグループとなる予定です。関西みらいフィナンシャルグループはりそなグループと三井住友グループが株式を保有する事になっています。
このようなりそなグループでは大きく6つに業務・分野を分類しています。
<法人分野>
主に中小企業に対する資金提供や経営コンサルティングなどを担当します。法人営業、事業承継、与信審査業務、不動産関連業務、企業年金、シンジケートローンなどが主な業務となります。
<国際業務>
日本企業の海外取引や海外進出などの支援。海外為替やファイナンスを行っています。りそな銀行では特にアジア圏への進出に力を入れて取り組んでいます。
<経営管理業務>
会社のバックオフィス業務を担当しており、経営企画、リスク管理、人事、財務、総務、広報などりそなの経営を裏から支える重要なポジションです。
<プレミア層取引>
りそなが推進している「リテール×信託」という独自性を活かして、通常銀行が扱っている資産運用や住宅ローンに留まらず、遺言信託や不動産の活用などの信託サービスを行い顧客の様々なニーズに応えます。
<窓口業務/個人分野>
銀行の窓口にくる顧客とコミュニケーションをとる事によって、潜在的なニーズを引出し、生涯にわたる関係性を構築します。
<専門系業務>
りそな銀行の資金を債権・株式・融資・不動産などの各マーケットに投資して運用益を獲得します。投資運用方針の策定からリスク分析・評価も行います。
また、りそなホールディングスという単位で見れば、ファクタリング、ベンチャーキャピタル、投資運用業、信用保証など様々な金融業務を行っています。
競合と比較したりそなグループの強み
以上のような業務を行っているりそなグループには競合と比較してどのような強みがあるのでしょうか。
まず、メガバンクと地銀のちょうど中間のような存在で、事業規模が大きくて地域密着型の展開を行っているというが大きな強みです。3大メガバンクの有人店舗数は平均約730店舗だと言われており、上位地銀10グループの平均有人店舗数は約260だと言われています。対してりそなでは約580とメガバンクに匹敵する有人店舗数を保有しています。特に、経済活動の活発な首都圏、関西圏に集中的に店舗を配置していて、日本国内の人口・GDPの3割以上をカバーしています。このように3大メガバンクに次ぐ事業規模でありながら、特定地域に集中する地域密着型の事業展開を行っているのが大きな強みです。
またリテールによって高い収益性を確保しながら、業務の効率化によって低い経費率で運営を行っているのも大きな特徴です。りそなは地域密着型の事業展開を行っているために、メガバンクよりも中小企業・個人の深耕開拓に成功しています。メガバンクの個人・中小企業向け貸出の割合が約61%の所、りそなでは約86%となっており、地銀上位10グループでも約72%なのでりそなの中小企業、個人の深耕開拓具合が伺えます。
このようにリテールに特化しているからこそ預金と貸付の金利の利ザヤも大きく、3大メガバンクの平均が0.86%の所、りそなグループでは1.05%と地銀上位10グループの平均1.09%に並ぶ金利回差となっています。
また、メガバンクの場合は経費率が高くなりがちで、平均の経費率は68.0%となりますが、りそなグループの経費率は64.6%低くなっており、更に地銀上位10グループの平均64.9%と比較しても若干低くなっています。
このように、メガバンクと地銀の良い所を掛け合わせようとするスタイルがりそなグループの強みだと言えます。
また、信託機能に力を入れている事も、りそな銀行の強みだと言えます。メガバンクでもグループ単位で見れば信託の取り扱いをしている場合もありますが、りそな銀行の場合は商業銀行でありながら唯一信託業務を併営しており、他の銀行のようにグループの信託会社に取り次ぐのではなく、ワンストップでスピーディーに銀行と信託両方のサービスを提案する事が可能です。
りそなグループはどのような学生を求めているのか
このように銀行の中でも特徴的なサービスを行っているりそな銀行ですがどのような学生を求めているのでしょうか。金融業界では一般的にリクルーターによる採用が行われており出身大学によって入社難易度が違うと考えられています。りそな銀行もリクルーター採用を行っているようですが、比較的色々な大学から採用を行っているので、メガバンクほど出身大学を気にする必要はないと考えられます。
りそな銀行では求める人材像について、第一に「誠実」な人という条件をあげています。よく言われるように銀行はメーカーなどと違い形ある商品が存在しないので、お客様から信頼を得られるために誠実さが必要だとされています。
第二は「自ら気づき、考え、行動できる」ことが挙げられています。お客様に何ができるかを考え抜いて、強い意志と情熱をもってチャレンジする人がりそなで活躍すると言われています。
また、この他の条件として「変化に対応できる柔軟な発想力・頭の柔らかさ」が挙げられます。今後ますます必要になってくると言われています。IT技術の進歩が象徴するように、社会はどんどん変化していき、それに合わせて変化する事がチャンスを生み出すという考えに基づきこのような人材が必要だと言われています。
まとめ
以上のようにりそなグループについて就活生が知っておくべき情報について説明しました。りそなグループは4大メガバンクと呼ばれて都銀の仲間に分類される事もありますが、地銀のように扱われる事もあります。銀行としてちょうど都銀と地銀の中間のようなビジネスモデルで、東京圏、関西圏で地域密着型に事業展開を行っており、リテールに特化したことによる高収益性と、業務効率化による低い経費率が強みとなっています。リテールに強い理由としては商業銀行で唯一銀行業務と信託業務を併営している銀行と言う事で両方のサービスをスピーディーに顧客に提案できる体制が挙げられます。
大手銀行の中でも内定者の出身大学が比較的分散しているもの特徴で、中堅以下の大学でも十分に内定を獲得するチャンスがあります。求める人材像としては、第一に「誠実」である事、第二に「自ら気づき、考え、行動できる」ことが求められており、また、「変化に対応できる柔軟な発想力・頭の柔らかさ」なども必要だとされています。