博報堂と言えば電通と並ぶ日本の広告代理店の二大巨頭だと言われおり、世界でも有数の事業規模の広告代理店です。広告代理店の中でも博報堂は「クリエイティブの博報堂」と言われており、佐藤可士和などの有名クリエイターも輩出しています。また、平均年収も1057万円と上場企業の中でもかなり高い年収となっているので、広告業界を志望している人でも博報堂を受けるという人は多いのではないでしょうか。本記事では博報堂の特徴や選考対策についてまとめています。

博報堂の主な事業内容は?

では、博報堂のような広告代理店とはどのような職業なのでしょうか。多くの企業は自社の売り上げを上げる為に、テレビCMを放映したり、雑誌や新聞に広告を掲載したりと様々な広告活動を行っています。ただし、この広告活動は企業単体で行うのは難しく外部の協力会社を使って行う事が大半です。このような企業の広告活動をサポートする会社が広告代理店です。

広告代理店には大きく分けて、どのようなメディアにも対応して広告活動を行う総合広告代理店、インターネット広告などのように特定の分野の広告に特化した専門広告代理店、親会社の宣伝活動の補佐の為に作られた子会社であるハウスエージェントという3種類がありますが、博報堂はあらゆるメディアに対応する総合広告代理店として事業を行っています。博報堂ではクライアントに対するサービス毎に10個に事業を分類しています。

<ブランディング/コンサルティング>
ブランドの開発や管理、コンサルティングなどを行っています。

<クリエイティブ>
キャンペーン企画の立案や、テレビ広告、新聞広告などの広告物の作成やタレントのキャスティングなど広告作成業務を行っています。

<ストラテジックプラニング>
商品のターゲット、ポジショニング戦略や、コンセプトの開発、キャンペーン企画など企業の広告に関する戦略コンサルティングを行っています。

<カスタマーマーケティング>
消費者向けのマーケティングについて、戦略プラニング、マーケティングプログラム開発、SPツール制作、パッケージ制作、店舗設計など様々な事業を行っています。

<デジタル/インタラクティブマーケティング>
主にWebを活用したダイレクトレスポンス広告、データベースコミュニケーションなどを行っています。

<コーポレートコミュニケーション>
企業・商品広報戦略、ソーシャルコミュニケーションなどを行っています。

<イベント&エンタープライズ>
イベントなどに関するサポートで、各種展示会のブース設計・施工・運営、商業施設等の設計・施工・運営メンテナンスなどを行っています。

<メディア&コンテンツ>
メディアやコンテンツのプランニング(戦略立案、出稿プラン作成等)、プロデュース(コンテンツ制作、キャスティング、各種タイアップ等)、バイイング(新聞、雑誌、テレビなどの広告枠の購入)、ナレッジ(市場分析、データ開発)、トラフィック(素材送稿、出稿確認)などメディアやコンテンツに関する総合的なサービスを行っています。

<リサーチ>
市場調査や消費者調査、テストマーケティング、需要予測などの調査業務を行っています。

<グローバル>
上で紹介した各営業種目について海外展開を行っています。

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競合と比較した博報堂の強み

以上のように総合広告理代理店として企業の広告活動を総合的にサポートしている博報堂ですがどのような強みを持っているのでしょうか。

1つは業界の中でも電通に次ぐ巨大な総合広告代理店だという事です。日本の広告業界の売り上げについて1位は電通です。電通は売上約4.5兆円で圧倒的な広告業界のトップとなっています。ちなみに電通は世界の広告会社5大グループだと言われています。博報堂は博報堂DYホールディングスというグループを形成しており、売上約1.2兆円と電通と比較すると少し売上が小さくなりますが、それでも日本の広告業界では2位、世界でも10本の指に入る広告会社だと言われています。ちなみに広告業界3位はアサツー・デイ・ケイで売上約3500億円と博報堂の約1/3となります。

このように電通と博報堂が広告業者の中でも圧倒的に巨大な広告会社ですが、電通と博報堂はどのように違うのでしょうか。電通と言えば「電通マン」という言葉がある様に、営業力が優れており体育会系な組織全体でガンガンと営業している会社というイメージがありますが、博報堂は反対に個人が活躍する風土があり、電通と比較して「クリエイティブの博報堂」と呼ばれています。確かに博報堂出身者には有名なクリエイターが多く、資生堂の「TSUBAKI」のデザインを手がけた大貫卓也氏やオリンピックのロゴで話題になった佐野研二郎氏、ユニクロのロゴをデザインした佐藤可士和氏など数多くの有名クリエイターを輩出しています。このようにクリエイティブに力を入れている事が博報堂の強みだと言えます。また、クリエイティブだけではなく、グループ内に博報堂研究開発局という研究機関があり、消費者の行動の分析を行っていますし、データに基づいた広告策の提案にも定評があります。このような優れた人材を育成するために、博報堂では企業内大学のHAKUHODO UNIV.を2005年に設立していて、優れた広告業界人の育成を行っています。

また、無借金経営である事も会社の強みで、「広告業に自社ビルは必要ない」という創業家の哲学に基づいて堅実な経営を行っているのも強みだと言えます。

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博報堂はどのような学生を求めているのか

このようにクリエイティブやデータなどに強い総合広告代理店の博報堂ですがどのような新卒の採用にあたって学生を求めているのでしょうか。

博報堂を支える重要なフィロソフィーとして「生活者発想」「パートナー主義」という言葉があります。「生活者発想」とは「生活者」について深く知っているからこそクライアントと生活者・社会との架け橋になれるという事で、生活者の目線を大切にしようと言う思想です。「パートナー主義」については、クライアントと同じ目線で課題解決に取り組む姿勢の事を指しており、広告だけではなく、戦略・企画・実施をトータルで担い、マーケティング活動全体に関わるソリューションを展開していこうという思想です。

このような、2つの指針を大事にしていますが、新卒採用においては特にこれと決まったタイプの人材は求めていないと公表しています。さまざまなバックグラウンドや個性を持った人間がぶつかりあうことによって、クリエイティブなものが生まれるという考えのもと、就活生それぞれの個性を見ています。よって、特にこういうパターンの体験談や志望動機などと言う風に考えずに、一番自分をアピールするのに良いと自分自身が思う事をぶつけると良いでしょう。

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まとめ

以上のように博報堂について就活生が知っておくべき情報について説明してきました。博報堂は「クリエイティブの博報堂」と呼ばれており、電通とは少し売り上げに差がつけられていますが、優れたクリエイターを輩出、クリエイティブが優れており、データに基づいた広告提案を行う日本の広告業界で2位の企業です。人材育成にも力を入れていてHAKUHODO UNIV.という企業内大学を持ち、広告業界人の育成に努めています。

個性を大事にしており、求める人材像は特になくて就活生には自分の個性をアピールして欲しいと公表しているので、きっちり自己分析を行った上で自分の人間性をアピールした方が良いでしょう。なお、「生活者発想」「パートナー主義」という2つの理念を大事にしているので、いくら個性を見ているといってもこの2つの理念からかけ離れた人材については採用が難しいと考えられます。

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