資生堂と言えば日本の化粧品業界で誰もが知る化粧品メーカーですが、同時に世界120か国以上に商品を販売し、売上の半分以上を海外から稼ぎ、2018年10月をめどに社内の公用語を英語にする事を発表しているグローバル企業としての側面も持ちます。就活生にも人気の企業で、キャリタス就活が2018年卒を対象に行った就職希望企業ランキングによると医薬品・化粧品業界で1位なのはもちろんの事で、総合ランキングでも13位、女子大学生のランキングでは8位、女子大学院生のランキングでは1位となっており、特に女子就活生の中で人気の高い就職先の1つだと言えます。本記事ではそのような資生堂の特徴や選考対策についてまとめています。

資生堂の主な事業内容は?

資生堂の主な事業は化粧品の製造・販売です。資生堂では自社が保有しているブランドを、6つに分類しています。

<プレステージ>
デパートや化粧品専門店で販売されている高価格帯のブランドです。「ベアミネラル」「クレ・ド・ポー ボーテ」「ベネフォーク」などがあります。

<フレグランス>
主に化粧品販売店やデパートで販売する香水ブランドの事を指します。「アライア パリ」「ドルチェ&ガッバーナ」「エリー サーブ」などがあります。

<コスメティクス>
ドラッグストア・量販店に対して中価格帯で販売するブランドの事を指します。「アネッサ」「エリクシール」「プリオール」などがあります。

<パーソナルケア>
主にヘアケアやボディケア商品を中心に低価格帯の商品を展開するブランドの事を指します。「マシェリ」「エージーデオ24」「TSUBAKI」などがあります。

<プロフェッショナル>
サロン専用のヘアケア商品を中心に展開しているブランドの事を指します。「資生堂プロフェッショナル」というブランドがあります。

<ヘルスケア>
美容食品や一般医薬品等を展開しているブランドの事を指します。「イハダ」「ザ・コラーゲン」などがあります。

また、資生堂が行っているのは化粧品などの美容品の製造・販売だけですが、資生堂グループという単位で見た時には、美容院の運営や、美容サロン向けのパーマ剤やスタイリング剤などの販売、小売店のマーチャンダイジングサポート、レストラン事業、化粧品の小売、事業所内保育所の運営など様々な事業を行っています。


競合と比較した資生堂の強み

まず、化粧品業界の売上高において資生堂はトップの企業です。資生堂の売上高は約7630億円で第1位、その後2位が花王で6076億円、3位がコーセーで2433億円、4位がポーラ・オルビスホールディングスで2147億円、5位はマンダムの750億円となっています。このランキングを見てもわかるとおり、日本の化粧品業界の2トップは資生堂と花王で3位以下に倍以上の差をつけている事が分かります。4位と5位の差は3倍程度となっているので、化粧品業界に占める資生堂の売上の高さが読み取れます。このように業界の1位として大きなシェアを獲得している事が資生堂の強みだと言えます。また世界で比較しても、ロレアル、ユニリーバ、P&G、コルゲート、Johnson&Johnsonに次ぐ世界7位のメーカーとなっています。

また、この高いシェアを支える要因としては、強力なブランドをいくつも保有している事と、海外市場に積極的に展開している事が挙げられます。

資生堂が保有しているブランドについては事業内容の項目で説明した通りですが、このように知名度の高く、信頼度も高いブランドを数多く保有している事が資生堂の強みだと言えます。また、ヘアケア、スキンケア、メイキャップだけではなく、「ピュアホワイト」、「ザ・コラーゲン」「飲む肌ケア」などの美容食品の販売を行っており、様々な角度から総合的に美容にアプローチしているというのも強みです。

また、売上の半分以上を海外から稼いでいるのも強みだと言えます。日本での売上は約48%、4076億円で半数以上は海外からの売り上げとなっています。日本以外の国の内訳は中国14.2%、1205億円、アジアパシフィック5.8%、496億円、米州19.1%、1626億円、欧州10.0%、852億円、免税店2.9%、248億円となっています。また、展開している国と地域は約120、研究開発拠点は9か所、生産拠点は13か所と海外の拠点も積極的に展開しています。化粧品業界で同じ位の事業規模を持つ花王の売上比率は30%程度なので、資生堂の方が積極的に海外展開を行っていると言えます。

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資生堂はどのような学生を求めているのか

このように世界7位のグローバルな化粧品メーカーである資生堂ですがどのような人材を求めているのでしょうか。資生堂の求める人材については年度によって変遷していると考えます。

例えば2013年6月にSankeiBizが資生堂の人材開発室採用グループの課長にインタビューを行った記事によると、優秀な人よりも成果を出せる人を求めており、今までどんな成果を出したかが重要で、それを入社してからも活かせるかどうかが選考基準になっていると説明されています。

また、2016年の3月に日経ビジネスONLINEが資生堂の研修グループの社員に行ったインタビューによると、2016年は「常識をぶっ壊せ」というテーマで、発想力や競争心、行動力のある人を採用しようとしていると説明していました。

そして、2018年度卒の求める人物については2020年までの中期経営計画に合わせて「BIG WIN 5」という社員の行動指針を定めており、それが求める人材像になっています。

「BIGWIN5」とは
・全員全力、お客様のために。
・本音を語れ。アクションを起こせ。
・成し遂げてこそコミットメント。
・インスパイアしあう同志になれ。
・決め手は、人間力。
という5つの項目によって構成される社員の行動指針でこれに合致した人材は採用しやすいと考えられます。

また、資生堂は人気企業の中でも特にエントリーシートの通過率が低いと言われており、エントリーシートの段階から本格的に求める人材に合致しているか否か選別が始まっていると考えられるので注意してください。

2017年度卒のエントリーシートでは
・⾃由に⾃⼰PRしてください。(200字以内)
・あなたがここ2〜3年で、何かに挑戦し成果を挙げたことと、その成果をあげるためにとった⾏動についてお聞かせください。 場⾯例:学業、ゼミ、部活、サークル、アルバイト、留学、ボランティア活動等々 (200字以内)
・あなたがこれまでに経験した、周りの⼈との衝突や軋轢を教えてください。 
⼤学院 (博⼠) またそれをどう乗り越えたのかあわせて教えてください。(200字以内)
・あなたがこれまでに経験した、もっとも困難な経験・つらかった経験を教えてください。 
またそのなかであなたが考えたこと、どう⾏動したのかをあわせて教えてください。(200字以内)

などの質問があったと言われています。志望動機がもちろんの事、体験をベースにその人の人間性を観察しようと言う質問が多いので、しっかりとエントリーシートが選考を通過するようにBIGWIN5の指針に則りながら一つ一つのテーマに関心を持たれる様に書き方に注意した方が良いでしょう。

通過するエントリーシートの書き方とは!?コツや注意点に関して

まとめ

以上のように資生堂について就活生が知っておくべき情報について説明してきました。化粧品の製造・販売を行っている世界でも有数のメーカーです。就職先としても人気の企業の1つで特に女子大学生・大学院生から人気の企業です。

メイキャップ用の化粧品からスキン・ヘアケアまで総合的に美容品の製造を行っている事と、海外に対しても積極的に販売を行っている事が資生堂の強みです。

求める人材について、資生堂では「BIGWIN5」という5つの社員の行動指針があるのでそれに合致した人材が望ましいと考えられます。エントリーシートから厳しく選考されているので、エントリーシートの段階でも手を抜かない様にしっかり対策を行った方が良いでしょう。

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