三菱地所は三菱グループの中心企業であり、三井不動産と双璧をなす、不動産業界の最大手である事から、志望している学生も多いと考えられます。また、平均年収も1100万円越えという事で、ブランドだけではなく給与面でも魅力的な企業だと言えます。本記事では三菱地所の特徴と選考対策について説明します。 

三菱地所の主な事業内容は?

三菱地所は100年以上にわたり東京の丸の内地区一帯を開発してきた不動産ディベロッパーであり、東京の「丸の内ビルディング」や大阪の「グランフロント大阪」など様々な有名な建物に関わっています。不動産会社の中でも総合不動産会社として様々な事業を行っています。三菱地所では展開している事業別に事業部を以下のように分類しています。

<ビル事業>
三菱地所は丸の内の開発に大きくかかわっており、丸の内の再開発やオフィスビルからのテナント料は大きな収益源となっています。またそれだけはなく、msb Tamachiプロジェクト、四谷駅前地区第一種市街地再開発事業、新宿南口プロジェクトなど様々な都内の開発プロジェクトが進行していますし、東京以外にも大阪のグランフロント大阪、名古屋の大名古屋ビルヂングなど地方のビル開発にも関わっています。

<住宅事業>
住宅事業では、住宅分譲・注文住宅から、マンション管理、リフォーム、賃貸管理・仲介、売買仲介まで消費者向けに総合的な不動産サービスを展開しています。分譲住宅ブランドとしては「ザ・パークハウス」、住宅管理事業では会員組織「三菱地所のレジデンスクラブ」、注文住宅では「三菱地所ホーム」、リフォーム事業としては「三菱地所のリフォーム」、売買や賃貸の仲介・管理では「三菱地所の住まいリレー」など、様々な子会社やブランドを運営しています。

<投資マネジメント事業>
不動産運用を行っている投資家の長期・安定ニーズに対応する不動産投資信託から、機関投資家を対象とした私募ファンドまで幅広い運用サービスを提供しています。日本だけではなく、世界中でファンドの運用を行っており、運用資産総額は約3兆円に上ります。

<ホテル事業>
「ロイヤルパークホテルズ」というブランドで全国8ホテルを展開しています。水天宮の近くに1989年に開発したロイヤルパークをはじめとして、最近では新機軸としてリーズナブルな価格で宿泊できる、「THEシリーズ」として、ロイヤルパークホテル ザ 汐留、ロイヤルパークホテル ザ 京都などの運営を行っています。

<不動産サービス事業>
事業用不動産の売買仲介や居住用不動産の賃貸借の仲介、不動産の有効活用のコンサルティングなどを行っています。不動産Web管理ツール「CRE@M」、賃貸マンション・オフィスビルの経営サポート事業、パーキング事業などを行っています。

<設計監理事業>
三菱地所設計と言うグループ会社で建築・土木の設計・監理を行っています。元々は三菱の「丸ノ内建築所」という1890年に設立された部署からスタートしており、120年を超える歴史のある事業です。日本だけではなく、台北南山広場プロジェクトなど海外のプロジェクトにも参画しています。

<海外事業>
1970年代から、アメリカやイギリスでの不動産賃貸・開発を行ってきましたが、近年はアジア・ヨーロッパにも事業展開を進めています。ヨーロッパでは三菱地所ロンドン社、アジアでは三菱地所アジア社、三菱地所(上海)投資諮詢有限公司が中心になって事業を進めています。

<生活産業不動産事業>
商業施設・物流施設の企画・運営と、国内オフィス・住宅を除くあらゆる不動産の開発を行っています。商業施設では施設の企画、開発から開業後の運営まで一貫した事業展開を行っています。丸の内エリアなどの「都心複合施設」、アクアシティお台場などの「単独ショッピングセンター、子会社の三菱地所・サイモンが運営する「プレミアムアウトレット」を成長の3基軸としています。物流施設事業は2012年に始まった比較的新しい事業ですが、2014年には福岡に延べ床面積4万平方メートルに及び巨大な物流施設「ロジクロス福岡久山」の開発を行っており、今後もロジクロスブランドの物流施設の開発や彩都もえぎ物流施設計画など様々なプロジェクトが動いています。

更にこの8つの事業を横断的に行き来する全社営業窓口として、クライアントの不動産全般の問題を総合的に分析してソリューションを提供する、「ソリューション営業グループ」という部署があります。売上のうち約半分はビル事業と生活産業不動産事業によって作られていて、住宅事業が全体の3割強、後の5事業で2割弱の売り上げを作っています。また、全事業を合計して会社全体での連結売上は約1兆円、連結経常利益は約1500億円で、連結で約8500人の従業員が働いています。

競合と比較した三菱地所の強み

三菱地所は三菱グループというブランド力と堅実な基盤を活かした不動産開発を行っています。不動産業界でも、三井グループの不動産事業を担っている三井不動産、2013年に一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームの6社が経営統合して誕生した飯田グループホールディングスに次ぐ業界3位の売り上げを誇っています。何かと比べられる三井不動産と比較すると、三井グループと三菱グループの違いが反映されており、三井不動産はガツガツしているのに対して、三菱地所は保守的で堅実なビジネスを行うと言われています。

また、三菱地所の最大の強みと言えるのが、丸の内のオフィスビルからの安定した収益です。丸の内地所は丸の内エリアに約30棟の建物を所有・管理しており、それがそこからの収入が約4000億円と売上全体の約40%を占めています。また、三菱地所は丸の内の再開発に大きくかかわっており、2002年の東京丸の内ビルの開発などに関わっています。更に、丸の内以外にもサンシャインシティ、ランドマークタワーなどの収益性の高いビルも保有しています。

このような三菱地所ですが、逆に考えれば丸の内の開発、オフィスビルという安定した事業基盤があるために今後どのように他の収益源を開発するのかが課題であるとも言えます。

三菱地所はどのような学生を求めているのか

まず、前提として三菱グループのカラーにあった人材のほうが採用されやすいと考えられます。三菱グループのカラーとは先ほど説明したとおり比較的保守的で堅実な社風の事を指します。

そうした前提で三菱地所は求める人材像として5つの要素を示しています。

・志ある人
・現場力・仕事力のある人
・誠実・公正である人
・組織で戦える人
・変革を起こす人

どこの会社でも1つ1つはよく見かける文言ですが、5つ別々の軸から要求している事は稀で、ビジネスマンとして仕事で成功するための総合力が求められていると考えられます。

エントリーシートで人材選びについて重視している点を分析すると

・あなたが学生時代にした最大のチャレンジは何ですか。
・あなたが大切にしている信念は何ですか。それを培ってきた経験をふまえて教えてください。
・あなたは三菱地所でどのような仕事をし、何を成し遂げたいですか。そのように考える理由も併せて教えてください。

という3つの質問をしている事から、特に選考においてはその人の仕事でチャレンジする事への貪欲さや信念、何を目標にして仕事をするかというスタンスが試されていると考えられます。

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まとめ

以上のように三菱地所について説明しました。丸の内という安定した収益源を持ち、積極的に事業展開をしている、不動産業界の中でも大手で平均年収も高い会社です。内定を獲得するためには三菱グループのカラーに合う人材であり、「志」「現場力・仕事力」「誠実・公正」「組織で戦える」「変革を起こす」の5つの要素を満たしている必要があります。

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