キリンホールディングスは、最先端の飲料製造・販売を行う大手飲料メーカーです。
人々の「食と健康」を管理するべく、国内に留まらず海外進出も積極的に行っています。
その取り組みの根本にあるビジョンは、新たな価値の創造です。
近年、目新しい味やパッケージに出会う機会が減っていませんか?
あらゆる飲料が発売されている為、飲料メーカーの市場開拓は難航しているのです。
そんな渦中に置かれても、キリンホールディングスは、顧客のニーズに応え続けています。
今回は、キリンホールディングスの企業研究を行います。
事業内容から他社比較を中心にご紹介し、最後に採用傾向についてお伝えします。
キリンホールディングスを志望する学生は、必見です。
1.キリンホールディングスの事業内容
キリンホールディングスは、2種類の飲料の製造と販売を主な事業内容としています。
国内と海外で共通する飲料もあり、国内・海外の綜合飲料事業を展開しているのです。
キリンビール社、メルシャン社、キリンビバレッジ社など、各社が一丸となり、キリンホールディングスの事業基盤を支えています。
1.1 酒類の製造と販売
キリンホールディングスは、酒類の製造と販売に注力しています。
高度成長期に突入した1972年には、飲料メーカー全体の6割のシェアを獲得しました。
ビールの銘柄で有名な「一番搾り」は、何度も品質改良が行われています。
美味しいところだけを絞って作られた、というのが売り文句です。
最新の製法技術として、「一番搾り製法」が使われ、従来の1.5倍もの麦を使っています。
顧客評価もこまめに調査し、キリンホールディングスの酒類は進化を重ね続けるのです。
1.2 清涼飲料の製造と販売
清涼飲料の製造と販売も手掛けるキリンホールディングスは、多くのソフトドリンクを開発してきました。
お茶、紅茶、コーヒー、スポーツ飲料、炭酸飲料、水など、種類も豊富です。
「キリン メッツコーラ」や「午後の紅茶 おいしい無糖」など人気のラインナップもキリンホールディングスが開発した飲料です。
ブラジルで第2位の飲料メーカー・スキンカリオールも買収し、海外に向けての商品開発にも力を入れています。
2.競合と比較したキリンホールディングスの強み
飲料業界の4強と呼ばれるのは、キリン、サントリー、アサヒ、サッポロです。
それぞれのメーカーは、国内だけでなく海外の市場開拓にも目を向けつつあります。
その中で、キリンホールディングスならではの戦略が光ります。
キリンホールディングスは、他社競合と比べて3つの点で優れているのです。
2.1 医薬・バイオケミカル事業に乗り出している
キリンホールディングスの傘下にある「協和発酵キリン株式会社」は、医薬・バイオケミカル分野で活躍しています。
キリンホールディングスは、飲料開発にあたり、生物学の研究を役立てているのです。
主な研究内容は、4種類に分かれています。
1つ目は、「癌」についての研究です。
健康を保証する飲料開発の為に、健康を害する発癌性の高い成分について研究しています。
2つ目は、「腎臓」についての研究です。
高血圧や糖尿病などについても腎臓分野の研究に含みます。
飲料に含まれる糖分のバランスを考え、こうした生活習慣病を防ぐのが目的です。
3つ目は、「免疫とアレルギー」についての研究です。
食物だけでなく、飲料に含まれる成分によってアレルギーを引き起こす人もいます。
アレルギー体質・免疫力が低い人にも、安全に飲める飲料開発の為の研究です。
4つ目は、「中枢神経」についての研究です。
音声・運動・反射の指令を役割とする神経の為、飲料によって中枢神経に害をなさないよう、研究を重ねています。
2.2 安定した海外収益を望める
キリンホールディングスは、海外進出にも積極的です。
現在までで、ブラジル・ミャンマー・オセアニア地域に海外支社の設立を果たしています。
ブラジル、オセアニア地域支社の収益は毎年安定です。
ミャンマーに関しては、ミャンマー・ブルワリー社がミャンマービールで第1位のシェアを誇ります。
国内での市場開拓が難しい今、海外収益が安定しているのは大きな強みです。
2.3 FSC認証紙で容器包装の持続可能性を高める
キリンホールディングスは、2020年末までにFSC認証紙を本格導入する、と提言しました。
FSC認証紙とは、森林管理協議会が提供する、いわば「エコ紙」です。
地球温暖化防止策としても利用され、今ある資源を上手に使うことで、資源の浪費を避けることが目的です。
FSC認証紙は、産業廃棄物による大気汚染問題対策にも有効です。
焼却の際に有毒ガスを発生することもない為、環境破壊が進む現代に適した資源なのです。
キリンホールディングスは、FSC認証紙の利用により、従来の容器包装にかかるコスト削減を図っています。
3.どのような学生を求めているのか
キリンホールディングスを支える各社は、それぞれの役割を明確に把握し遂行しています。
その根底にあるビジョンは、各社共通で「飲料の進化」です。
時代の潮流に沿って、人々のニーズやトレンドは変化します。
変化に柔軟に対応し、スピード感をもって最先端を行く飲料の製造・販売を行うのがキリンホールディングスです。
3.1 何か1つ本気で取り組める分野をもつ人
キリンホールディングスの傘下にある各社では、総合職や事務職を中心に募集しています。
どの職種にも、エントリーシートには共通して「学生時代に本気で取り組んだこと」を記入する欄があります。
そのテーマを導入した理由は、キリンの理念やビジョンへの適性を図る為でしょう。
キリンでは、「飲料の進化」というビジョン一筋で仕事に打ち込める人を求めています。
1つのビジョンに向かってブレることなく進んでいける学生こそが、キリンホールディングスへの入社に相応しいのかもしれません。
3.2 飲料が好きな人
キリンホールディングスは、飲料メーカーです。
飲料が好きな人というのは当たり前に思いますが、そうではありません。
就職情報サイトVOLKERS(参考:https://www.vorkers.com/)をもとに分析してみると、キリンに採用された先輩社員は、飲料に対してこだわりをもっていることがわかります。
「喉が渇いた時に飲む」だけのものとして、飲料を認識してはいないように思います。
製法にこだわり、人々の健康を支える為の飲料を提供しているという点に誰もが興味をもっています。
飲料にこだわりをもち、真に飲料が好きと言える人が採用されるのではないでしょうか。
3.3 語学力が堪能
キリンホールディングスは、国内に留まらず海外進出もしています。
その為、飲料の市場開拓を行う営業職に興味があるなら、語学力を身につけましょう。
世界共通語の英語はもちろん、キリンが海外進出している地域の母国語を学んでおくと良いです。
例えば、ブラジルやミャンマーの言語が日常会話レベルで話せるというのも、採用のポイントになるでしょう。
学生時代には、休暇が多くあります。
貯金をしておき、キリンの支社がある地域に旅行がてら行ってみるのもおすすめです。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、キリンホールディングスの企業研究を行いました。
キリンホールディングスは、新たな市場開拓の為に海外進出をしています。
志望する学生は、まず飲料についてどの程度こだわりをもっているかを、自己分析しましょう。
その上で、バイオテクノロジーや語学について独学でも良いので知識を深めると良いです。