アクセンチュアと言えばコンサルティング業界で知らない人はいないという位有名な会社です。高待遇だけれども難関と言われていて人気のいわゆる外資系コンサルティング会社の中でも比較的採用されやすいという事で、とりあえず受けようと思っている就活生も多いのではないでしょうか。
ここではアクセンチュアで働くために就活生が知っておくべき情報についてお伝えします。
アクセンチュアの企業情報
アクセンチュアは1989年に設立されたコンサルティングファームで、世界55か国200都市以上で社員43万人以上を抱え、売上は329億ドルの巨大な多国籍企業で、日本でも約9000人の人が働いています。本社はアイルランドにありますが、これは税務上の理由で実質的な本社機能はシカゴとニューヨークの拠点が担っています。
元々はアメリカの監査法人のアーサー・アンダーセンの中でITシステムの開発や実装などのコンサルティングを行っていた部門が1989年に分社化されて前身であるアンダーセン・コンサルティングというコンサルティング会社が設立されました。そして、2000年にアーサー・アンダーセンとの関係を解消して2001年からアクセンチュアに名称変更を行いました。日本にアクセンチュアが進出したのは1995年の事です。
積極的にM&Aも行っており、特に近年では日本のマーケティング会社でデジタルマーケティングの強みを持っているIMJを2016年に買収しました。
これまでコンサルティング業界と広告業界は住み分けを行っていましたが、今後デジタルマーケティングの分野では広告主を巡ってアクセンチュアのようなコンサルティング会社と広告代理店と戦う事が予想されています。また、単なるM&Aだけではなく、KDDIやファーストリテイリングなどとジョイントベンチャーを設立するなど、クライアントとパートナーシップを組んで、実業にも積極的に関わる様になっています。
更に自社でテクノロジーラボを解説し、新しい技術研究も熱心に行っています。例えば、2018年1月にはデジタルに特化した専門スキルや社内外の先端技術を集約させたアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京を開設しています。
コンサルティング業界内での立ち位置
コンサルティング会社には大きく分けて3つの系統があります。
1つはPwCやデロイトトーマツのような会計事務所系のコンサルティング会社です。
2つ目はアクセンチュア、アビームコンサルティングなどのIT系のコンサルティング会社です。
3つ目はマッキンゼーやボストンコンサルティングのように会計やITに特化せずに企業戦略の立案などを行う戦略系のコンサルティング会社です。
アクセンチュアはIT系の中でもIBMと並ぶ最大手のコンサルティング会社としてITコンサルティングを行いつつ、マッキンゼーやボスコンのようにシステムの絡まない戦略系のコンサルティングも一部行っています。
IT系コンサルティング業界と混同されがちな業界にSI業界がありますが、両者は同じような仕事でありながら微妙に異なります。SIerはシステムの要件を定義し導入を行う事がゴールになりますが、コンサルティング会社にとってシステム導入は何らかの課題を解決するための手段に過ぎません。
よって同じような事を行っていても両者の仕事のスタンスが大きく違うと言えます。ただしアクセンチュアもITコンサルティングからシステムの導入までを担当するのでSIerと同様の仕事をする事も多いので、一般的なコンサルティングフォームと比較してもエンジニアの比率が高くなっています。
求める人材像を知ろう
では、アクセンチュアではどのような人材を求めているのでしょうか。アクセンチュアの採用サイトでは以下のような人がアクセンチュアの求める人材だとされています。
・背伸びをしてでも目標に手を伸ばさずにはいられない
・自分も会社も世の中までも、変えたいと望む
・ここで成長したあとは「次のステージ」も視野に入れている
・チャレンジに、手加減をしない
・タフな状況も、先頭に立ち楽しめる情熱がある
・正しい判断のためには、上司との衝突も辞さない
・信念に基づき、主張し、実際にやりとげる
・チームワークの可能性を信じる
・多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている
・常に誠実さを失わず、言行一致の気概がある
注目するべきは、3つ目の「ここで成長したあとは「次のステージ」も視野に入れている」という所で、退職を前提として入社しても良いという事です。俗にコンサルティング業界はアップオアアウトと言われていて成果を出さなければ退職するという業界ですが、その分普通の企業と比較すると退職に対しては寛容で、アクセンチュアには「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」というOBのネットワークがあります。
ただし、このように退職に寛容な会社であるからこそ、在職中はプロフェッショナルとしての高い意識と行動が求められます。そのプロフェッショナルとしてのスタンスが上で表記されていますが、一言で言えば仕事への情熱を持てる事が重要だと言えます。
コンサルティングというビジネスに正解はありませんし、作業をこなしていけばいずれ終わるというものではないので自ら主体的に課題を解決する姿勢が必要となります。そうなったときに、チャンレンジに手加減をしない事や、背伸びをして目標を狙いにいく、信念に基づく主張するなどの指針は非常に重要で、新卒なのでスキルが重点的に問われる事はありませんが、少なくともスタンスだけはプロフェッショナルとしてアクセンチュアに貢献できる人材を求めていると言えます。
インターンシップに参加するには
アクセンチュアに限らずコンサルティング会社ではインターンシップを通じて内定が貰えるというケースは少なくありません。よって通常の選考ではなく、インターンシップから既に内定獲得競争が繰り広げられていると言えます。
アクセンチュアでは2017年は和魂偉才塾というタイトルでソリューションエンジニア育成プログラムとビジネスコンサルタントプログラムに分けて各5日間のインターンシップを行っていました。前者はSI業界を志望する就活生向け、後者はコンサルティング業界を志望する人向けのインターンシップになっています。
もちろん、どちらのインターンシップも無制限に参加を許可しているわけではありません。インターンシップに参加するためにはまずインターンシップの選考をクリアする必要があります。
インターンシップの選考フローは
・エントリーシートの提出、適性検査
・グループディスカッション
・面接
という流れで全て突破できればインターンへ参加する権利が与えられます。インターンシップの選考の流れは実質的には本選考のフローと変わりなく、インターンシップへの参加の選考の時点で既に会社側も人材の見極めを行おうとしていると考えられます。
エントリーシートの内容は普通の企業と同様ですが、コンサルティング会社は一般的に普通のSPIではなく、少し難しいテストを行っているのであらかじめ対策をしておいた方が良いでしょう。
あとはオーソドックスなコンサルティング業界のグループディスカッションや面接です。ただし、ケースワークというコンサルティング業界独特の質問がある事には注意してください。
例えば、新幹線の車内販売の売り上げを増やすためにはなどのような方法があるのかという質問がケースワークとして出題されます。あらかじめケースワークの練習をしていないと上手く回答できないのでケースワーク対策は行っておきましょう。
まとめ
以上のようにアクセンチュアについて説明してきました。世界でも代表的なITコンサルティング会社で日本だけでも約9000名の社員が働いている巨大なコンサルティング会社です。コンサルティング会社の中でも特に事業意欲が旺盛で、ITに特化している強みを生かして広告業界を攻めたり、クライアントとジョイントベンチャーを作って新しいビジネスを行ったりと積極的なビジネス展開を行っています。特にコンサルタントとしてアクセンチュアに入社したい場合は選考においてインターンが重要なので、インターンシップに参加するようにしましょう。
ただし、インターンと言っても実際の選考とほとんど変わらないフローで選考が行われますし、コンサルティング業界独特の難しい適性検査やケースワークがありますので、きちんと対策はしておかないとインターンに参加する事すらできないので注意してください。