サイバーエージェントと言う名前を知っている人は少ないかもしれませんが、アメーバブログ、abemaTV、グランブルーファンタジーなどと言うと知っている人は多いかもしれません。サイバーエージェントはこのような私たちが普段使用していたり、テレビCMを放映していたりするサービスを提供しているIT企業です。
また、就活生の視点から見ても若くして役員に抜擢される可能性があったり、初任給が高額であったりと何かと魅力的な企業でもあります。本記事ではそのようなサイバーエージェントとはどのような企業なのか、その事業内容など、就活生が知っておくべき情報についてお伝えします。
サイバーエージェントってどんな企業?
まずサイバーエージェントはどのような企業なのか、業界内の立ち位置や設立から現在までの経緯などについて説明します。サイバーエージェントは1998年に創業者である藤田晋氏が転職支援、人材派遣のパーソルキャリア(当時の名前はインテリジェンス)のオフィスに間借りした状態では始めた会社で、当時はインターネット広告の販売を行っていました。
ちなみに2000年前後のITビジネスが急成長した時代をITバブルと呼び、1990年代後半はライブドアの堀江氏、楽天の三木谷氏など今も第一線で活躍している有名なIT企業社長が続々と会社を設立した時期でもあり、サイバーエージェントもこのようなITバブルの時代に誕生した企業の1つだと言えます。サイバーエージェントはITバブルが発生していた事もあり、2000年3月には東証マザーズ市場に上場しました。この時創業者の藤田氏は26歳で、当時の会社を上場させた社長の最年少記録でした。
この後もサイバーエージェントは様々な企業とM&Aを繰り返したり新規事業を開始したりして徐々に拡大していきますが、どちらかというとIT広告業がメインで、一般消費者とのつながりは薄かったことから、この頃もてはやされていたライブドアや楽天と比較するとあまり目立ってはいませんでした。
サイバーエージェントが一般に知られる一つの転機となったのが、2004年に無料ブログポータルサービスのアメーバブログを開始した事です。アメーバブログは今でも人気のあるサービスとなっています。この後も様々なサービスを立ち上げて事業の拡大を行い、2017年の決算ではグループ全体で売上約3700億円、営業利益307億円の巨大企業に成長しました。
このような大企業ではありますがベンチャー的な気質が残っている事もサイバーエージェントの特徴で社員の平均年齢は31歳前後という風に若い人材が中心になっている会社でありながら平均年収は700万円を超えており実力に応じて出世しやすい会社となっています。
サイバーエージェントの事業内容
このようなサイバーエージェントですが、事業展開のスピードが速い事が特徴で、M&Aで事業を買ったり、新規事業を社内で立ち上げたりを頻繁に行うので、様々な事業を行っています。例えば、最近話題になったのがサイバーエージェントとテレビ朝日が出資して設立した会社が行っているAbemaTVというサービスです。2017年度の決算で209億円の赤字が発生していますが、他の事業が好調なためにサイバーエージェント自体は黒字で今後更に事業投資を行っていく事を発表しています。
サイバーエージェントの事業には大きく分かれて3つの柱があり、AbemaTVなどが属するメディア事業、昔から主力の広告事業、近年の稼ぎ頭となっているゲーム事業の3種類があります。広告事業はインターネット広告の販売を行っており売上高2081億円を誇る中心事業ですが、営業利益ベースで見ると広告事業は187億円に対してゲーム事業は265億円と収益に大きくゲーム事業が貢献している事がわかります。実は近年TVCMで放送頻度の高いCygamesという会社はサイバーエージェントの子会社で、その好業績もありゲーム事業は大きく収益をあげています。
この他にも流行に合わせて様々な事業を行っており、近年はマッチングサービスやeSports、仮想通貨に関する事業なども行っています。
新卒採用の選考フロー
選考フローはオーソドックスでエントリシートを提出して、選考会に参加してその後に何回か面接を行って採用というコースになります。コースはサービスや会社の運営に関わるビジネスコースとサービスの開発に関わるテクノロジー・デザインコースがあり、テクノロジー・デザインコースでは選考の初期段階に実技試験があります。
選考会の前半は説明会で、その後に個人ワークとグループワークによる選考があります。選考のテーマは受ける時期やグループによっても異なると考えられるので就活口コミサイトなどで過去にどのような選考会が行われていたかをチェックしてシミュレーションしておいた方が良いでしょう。
サイバーエージェントのインターンについて
またインターンシップの積極的に行っており、ベンチャー企業で働いてみたいという学生にとっては貴重な経験だと言えます。インターンシップは1日で終わる短期のものから、長期に渡るものまで様々で場合によっては賞金がでるイベントも存在します。
例えば、一か所の会場に集まってインターンシップという事ではありませんがGit Push Hackathonというハッカソンイベントを開催しており最優秀賞の受賞者には賞金30万円が与えられます。長期インターンとしては挙げられるのは、デザイナーJOB、エンジニアJOBなどの後ろにJOBがつくインターンで1か月程度実際の仕事現場で働きます。インターンではありますが、時給1000円程度が支払われる場合もあります。
また、1日限定のインターンも開催しており、学生版1dayゲーム開発ハッカソン「ヒダッカソン」、メディアビジネス講座など各種インターンを開催しています。
長期インターンに参加するメリット
よっぽど優秀な実績を残さない限り長期インターンシップを体験したからと言ってその後特別な選考ルートで採用されるという事は無いようです。ただし、長期インターンを経験する事によって、インターンシップを受けていない人よりは有利に立てるのは確実です。どうしても一般的なアルバイトと実際の正社員が行っている仕事は業務内容が違うので、インターンで実際の企業の仕事に増える事によって経験値もスキルもアップします。
また、会社の雰囲気も知る事ができます。ベンチャー型の企業はスピーディーであったり仕事の裁量が大きかったり一般的にイメージされるような大企業の仕事の仕方とは異なり、向き不向きがはっきりとする職場です。ベンチャーで働きたいと思っているけど自分の肌に合うかわからないという人は一度インターンシップでそのような働き方を経験する事によって自分の就活の軸がベンチャーよりなのか大企業よりなのか明確になります。
まとめ
以上のようにサイバーエージェントについて説明してきました。サイバーエージェントはITバブルの時に上場したIT企業で設立されてからわずか20年程度ですが、グループ全体で売上3700億円を超える巨大企業です。大企業でありながら、ベンチャー企業的な風土があり、M&Aや新規事業開発によって次々と新しいサービスを展開しています。
売上の構成比が高いのは創業から続いているインターネット広告事業ですが、近年ではゲーム事業が大きな営業利益を出しています。現在はメデイア事業に集中的に投資を行い新たな収益源にしようとしています。メディア事業は200億円以上の赤字を出していますが、広告事業とゲーム事業の業績が良いのでグループとしては300億円以上の黒字をだしています。
大企業でありながらいわゆるベンチャー企業的な風土も残っている会社であり、インターンシップも充実しているので、ベンチャー企業での働き方を経験してみたいという就活生にとっては良い企業です。また、平均年齢約31歳と若手が中心の企業でありますが、平均年収は700万円を超えており、若手のうちから高給を狙える企業です。