海外インターンとは
学生の頃にインターンを経験する人は多くいますが、最近は海外インターンに参加する大学生が増えているのです。海外インターンとは、アメリカやアジア、ヨーロッパなどに長期間滞在して行うインターンシップのことです。日本では1週間程度の短期インターンも盛んですが、海外インターンは3ヶ月以上の長期にわたることが多いです。海外に滞在して現地の企業で業務に携わるので、ある程度の語学力も必要です。留学ではなく、海外インターンを利用して語学力を伸ばそうという学生もいます。
就活を見据えた学生の中には「海外インターンに参加して、他の学生と差をつけよう!」と考えている方もいるのですが、実際に就活で有利になるのでしょうか。海外インターンに参加するメリットや注意点について見ていきましょう。
海外インターンに参加するメリット
・語学力を鍛えながらビジネスの現場を体感できる
海外インターンでは、ビジネスで通用する語学力を身につけることができます。英語を例にしても、学校の授業や留学だけではあまり触れる機会のないビジネス英会話を習得できるチャンスです。ビジネスの場だからこそ得られる高い語学力は、海外インターンに参加する大きな魅力です。また、その国ならではの働き方を知ることができるので、「将来は海外で働きたい」という人であれば、実際に海外での仕事を体感することで得られるものも多いでしょう。
・国際交流と海外での生活を経験できる
現地で暮らすことで海外の文化を理解することができます。業務でも現地の人や他国からのインターン生などと関わるので、グローバルな環境を楽しみたいという方にはピッタリでしょう。現地で暮らすというのは留学でも経験できますが、インターンでは社会人と関わっていきます。なので、働く人と触れ合うことで新たな視点を養えるメリットがあります。
知っておきたい!海外インターンに参加する上での注意点
上記のようなメリットがあり、美味しいことづくし!のように感じられる海外インターンですが、参加を決める前に知っておくべき注意点もあります。
・休学の必要がある
参加するインターンの期間にもよりますが、海外に居住することになるので大学に通えなくなります。夏休みや春休みといった長期休暇中に終わるものであれば問題ないでしょう。ただ、それ以外の期間にも開催されていると、大学を休学する必要も出てきます。休学すると卒業が遅れたりするので、そういった点も考慮して参加を決めましょう。
・現地に馴染めない可能性もある
海外で生活するのは、そう簡単にはいかないこともあります。社会人でも、「海外勤務をしてみたけど、どうしても馴染めずに帰国した」という人がいるほどです。住んでみたら「食べ物が合わない」「文化がわからない」「言葉が通じない」など、現地の環境に馴染めない可能性もあります。周りに助けてくれる人もいない…となると精神的にもつらくなってくるものです。海外インターンに参加するのであれば、その国や地域の情報を色々収集しておきましょう。
・場合によっては語学力が伸びないことも
海外で働いているからといって、語学力が勝手に向上するわけではありません。インターンの中でも、語学力を必要としない仕事もあります。「行ってみたら業務は全部日本語だった…」という例もあり、社内が日本人だらけ、取引先や顧客が日本人という、語学力を求めていない現場もあるのです。そうならないためにも、参加する前にインターン先で語学力がどの程度必要なのかを把握しておきたいところです。また、外国語を使う業務でも、受け身になっていては、経験できることも吸収できることも減ってしまいます。語学力を上達させる努力をしていきましょう。
・単にアルバイトの延長になる可能性も
海外インターンで経験できる業務をしっかり調べていかないと、単なるアルバイトになってしまう可能性もあります。日本語を使って電話窓口をしたり、単純なデータを打ち込むだけだったり、そういった業務を任された場合、海外まで行かなくてもよかったとなってしまいます。
・海外インターンにいくだけで就活に有利になるわけではない!
海外インターン経験を就活の武器にしたいという方も少なくないと思います。ですが、海外インターンに「参加するだけ」で有利になるわけではありません。明確な目的もなく参加したり、抽象的な表現で面接時に話をしたりすると、「海外に興味があったからインターンに参加してみたのだな」くらいに思われてしまいます。志望企業の業務内容によっては、「海外勤務経験だけをアピールされても…」と思われてしまうこともあります。ただ参加しただけで有利になるわけではありません。海外インターンに参加した強みをアピールできるようにしましょう。
海外インターンの経験を就活に役立たせるためには
それでは、海外インターン経験を活かして、就活を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか?
・日々の体験を記録する
インターン中はなにかと忙しく、考えをまとめている暇がないかもしれません。そんなときでも、日々感じたことをメモする習慣をつけてください。3ヶ月や1年経って帰国してからでは、最初の頃に感じていた細かい印象なんて全然覚えていません。インターンを振り返るための資料として、自分用のメモをつけましょう。その日なにをしたか、なにを考えていたかなど大事だと思ったことをどんどん書いていきましょう。毎日継続していけるよう、丁寧に文章にしなくてもいいです。仕事だけでなく、人間関係や文化など、体験したことを幅広くメモしていきましょう。このとき、なぜ海外インターンに参加したかという目的に沿って記録をつけていくと効果的です。
・海外インターンに参加する目的を明確にしておく
そもそも何の目的で海外インターンに行くのかを明確にしておきましょう。日本でインターンを経験するのではダメなのでしょうか。英語力を発揮したいのであれば、日本には英語を使うインターンはないのでしょうか。海外の文化に触れたいのであれば、旅行で行くぐらいではダメなのでしょうか。「将来を見据えて、海外で働くということを経験してみたい」「ビジネスで通用する英語力を身につけたい」など、海外インターンでしか果たせない目的があるのか、また、海外インターンに行けば本当にその目的を達成できるのかどうかをよく考えてみましょう。海外で得られる経験はたくさんあると思いますが、「何のために参加するのか」を明確に持っておかないとせっかくの機会を活かしきれません。もし、あなたの目的が海外インターン以外でも達成できそうであれば、もう一度考え直してみるのも良いでしょう。
・就活で話せる経験をしよう
海外インターンに参加した人でしか話せないことはたくさんあるはずです。その中でも、あなただけにしか話せない経験があるでしょう。人知れない苦労や頑張ったこと、身についたスキル、出会った人、帰国後に活かせたこと…など、海外インターンを経験したことによるアピールを話せるようにしましょう。せっかく海外インターンで働いたのですから、「職場で何をしたのか」についても話せると良いでしょう。任されていた仕事の内容というよりも、その仕事をどうやったのか、工夫したか、成果は出たか、といったあなたが行動したことによる経験が良いアピールになるはずです。
最後に
海外インターンは、ただ参加するだけでは就活に活かせません。就活のため、将来のために目的を持って参加しましょう。そして、インターン経験を最大限アピールできるように、参加前の準備や滞在中の過ごし方を工夫してみてください。そうすれば、海外インターンに参加したことがきっと大切な経験になるはずです。