就活に英語は必要であるのか?

就活をするときに、英語力が必要かどうか気になることがあると思います。

エントリーシート(ES)にはTOEICやTOEFL・英検など各種英語資格のスコア記入欄があり、「書かないとまずいのかな」と心配になる方も少なくないでしょう。


社会のグローバル化は日々進んでいて、2020年の東京オリンピック開催に向けてもさらなる加速が予想されます。教育シーンでも、大学受験に英検やTOEICのスコアを活用するといった変化が見られています。


企業では、ユニクロでおなじみのファーストリテイリングや、楽天といった有名企業が英語を社内公用語に設定していることも広く知られています。常に英語が周りにあることで、自然と英語力を身につけていく環境をつくりだしているのです。海外とのやり取りも多い外資系企業では英語力が必要とされているのはもちろんのこと、日系企業でも社員の英語力を必要としているところが増えているのが現状です。


企業の数に比べれば、比率が高いわけではありませんが、大手企業などでは入社試験の段階で英語力を問うところもあります。


具体的には、TOEICスコア○○点以上のみの学生が選考対象となったり、英語で面接やグループディスカッションをしたりする企業もあります。また、入社後の海外赴任や昇進条件にTOEICスコアを必須としている企業も増えていて、スコアによって能力給を支給しているところもあるのです。この傾向は、商社やメーカーなど海外との取引や連携を頻繁に行っている企業に多く見られるようです。

今後はグローバル化によって、就活生にも英語力を求めるシーンが増えてくるとも言われています。




就活で英語力を問われる場面とは

企業や配属部署、職種によって求められるレベルは違いますが、実際の就活においてどんな場面で英語力が問われるのでしょうか。「エントリー時」「適性検査」「筆記試験」「面接」という選考段階ごとに見ていきましょう。


・エントリー時


エントリー時にTOEICスコアを記載する欄があります。必須のところもありますが、TOEICスコアを持っている人は書いてくださいというものが多いです。名前が広く知られているような大手企業・人気企業であれば、最低でも「730点以上」のスコアは持っておきたいところです。

受ける企業が求めている英語力にもよりますが、あまり低い場合はスコアを書くことが逆効果になることも考えられます。


・適性検査


言語、非言語、英語、性格テスト、といった構成が多い適性検査。Web適性検査で業界を問わずよく出てくる「玉手箱」にも英語が含まれています。基礎的な学力があれば、出題に慣れることで解ける問題(マーク方式)が多いです。


・筆記試験・WEBテスト


英語力を問う企業であれば、独自で英語の筆記試験も実施されます。企業によって内容やレベルは様々です。志望企業が筆記試験を実施しているかどうかをリサーチして、必要であれば対策をしておきましょう。


・英語面接


企業が英語を使える即戦力を求めている場合、英語面接が実施されることもあります。また、すべてを英語で行わずに「自己紹介を英語でお願いします」といった具合に、英語への抵抗がないことを見極める程度の面接もあります。企業単位ではなく、その中の特定の職種だけ英語面接を行う場合も多々あります。



■就活の際に読んでおいて損はない【就活ブログ6選】

就活で英語力をアピールする時の注意点

そもそもアピールできる英語力とは?TOEICは何点必要?


企業が採用試験で英語力を求めるとき、物差しとなるのは「TOEICのスコア」です。TOEICは、結果が10~990点のスコアで表示される英語のテストです。ビジネスシーンで使う語句や表現も多く含まれていて、リスニングとリーディングのセクションに分かれています。ビジネスパーソン向けに作られているということで、企業が英語力を測るときの評価対象になっているのです。


就活は応募者数が多いので、かなりの数足切りされますが、TOEICのハイスコアを持っていると有利に働くことが多々あります。履歴書やエントリーシートにTOEICスコアを記載する際、アピールとなるのは「730点以上」です。人気企業はその点数を足切りの基準にしています。


ただ、外資系企業であれば、求められるスコアはさらに高くなり、低くても800点以上になってくるでしょう。高いところでは900点という基準も存在するほどです。そんな中、TOEICのスコアが基準に達していない人でも内定をもらったという例があるため、「スコアが足りていないから…」といってチャレンジをやめてしまうのは非常にもったいないことです。挑戦してみる価値は充分にあります。


就活で英語をアピールにしない場合、スコアが「600点以上」あれば評価の対象に入ってきます。将来を見据えて、英語の勉強にも勤勉に取り組んだという印象を与えることができます。まとめると、英語力を評価対象とする企業を目指すのであれば730点以上、外資系企業では800点以上のスコアを持っておきたいところです。


TOEICは、結果が出るのに1ヶ月程度かかります。19卒生であれば、3月からエントリーが開始されるので、それに間に合うように受検しておきましょう。就活が本格化すると、勉強したり受検したりという時間が思うように取れなくなってくるので、取り組むのであれば早めに準備することをオススメします。



・英語はあくまで言語ツールの一つ


英語を就活でアピールするとき、認識しておいてほしいのが、あくまでも英語はツールであるということです。英語が話せるというだけでは、アピールにはなりません。英語が話せる人だったら、留学生や海外の人材など溢れるほどいます。どんな企業だって、英語力が高い人から順番に採用していくわけではないですよね。また、英語を使わない業務はたくさんあります。

つまり、英語は仕事の出来すべてを決定する要素ではないのです。企業が知りたいのは、英語を身につけるためにどんな努力をしたのか、英語を使ってなにをしたのかといった経験です。


就活に必要なのは、企業が求めている人材なのかどうかということです。英語が得意でも、英語力を求めていない企業にそのアピールだけをしていては評価に繋がりません。企業がどんな人物を求めているのかを知り、英語力を身につけたエピソードをうまく用いることで効果的なアピールができるでしょう。なぜ英語を身につけようと思ったのか、そのためにどんな工夫や努力をしたのかを伝えてみてください。自分で課題を発見し、その解決のために力を尽くした、効率的な方法を考えて実践したというアピールができれば、仕事に通じるものがあり評価のポイントとなるでしょう。


企業によっては業務に英語が必要であっても、入社後に身につけてくれればいいと考えていたりします。今後「身につけられるかどうか」といったことを、英語力以外の部分で見極めていくわけです。




最後に

すべての就活生に英語が必須ではありません。もちろん、TOEICでハイスコアを持っていたり、ビジネスレベルの英会話ができたりすれば、それは大きなアピールポイントになります。就活でアドバンテージをとっていくための道具として使えることも確かです。


一方で、英語力がなくてもトップ企業に入社してきた人はたくさんいます。仕事をする上で、英語がすべてではないと認識しておいてください。


就活で自分の魅力をアピールする1つのツールとして、英語を使ってみてはいかがでしょうか。ただ、英語力を求める傾向も高まりつつあり、必須としている企業や職種も多くあります。そういった企業を志望しているのであれば、求められているレベルを知り、しっかりと対策を講じていきましょう。


英語力が求められていない場合でも、就活をきっかけに英語の勉強に取り組んでいくことで、今後活躍の場を広げていくことができるでしょう。