2008 年にリーマンショックが起こったことで、自動車の販売台数は暴落しました。

日本の自動車メーカーもこの悪影響を強く受けています。

2012 年にアベノミクスが打ち立てられるまで、自動車メーカーの業績は伸びませんでした。

今回は、自動車メーカーの業界研究をしていきます。

自動車メーカーの動向、ランキング、各社の戦略、自動車メーカーの仕事内容について幅広くお伝えしていきます。

自動車メーカーへの就職を考えている人は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。


1. 自動車メーカーの動向


現在の自動車メーカーは、どのような動きを見せながら成長しているのでしょうか?

以下より、 3 つの視点から自動車メーカーの動向についてお伝えしていきます。


1.1 自動車販売収益は輸出頼み


自動車メーカーの自動車販売数は、リーマンショックとともに下落しました。

その影響で収益を作ることに苦戦し、編み出した方法が輸出により自動車販売数を上げるというものだったのです。

2012 年のアベノミクスを機に、国内経済は円安へと変わっています。

2011 年から 2012 年にかけて、日本自動車メーカーの利益率は 2 倍以上になりました。

ただ、問題は、国内から海外への輸出量には限界があることです。

無限に輸出が出来るわけではないので、他にも自動車販売収益を上げる策が必要です。


1.2 自動運転の実現に向けた取り組みの活発化


少子高齢化の影響で、日本の人口は減少の一途をたどっています。

若者の人口が減少し、高齢者ばかりになると交通事故の頻度が増えると懸念されています。

高齢者になると老化が進み、判断力、記憶力、視力等が低下するからです。

そこで、日本の自動車メーカーは自動運転の実現に向けた取り組みを行っているのです。

自動運転とは、車に組み込まれたシステムが運転補助や運転代行をすることを言います。

自動車メーカーは、自動運転のシステムを 5 段階に分けています。

5 段階目は、完全にシステムの操縦のみで運転が行われ、無人の車となります。

自動車メーカーに併せて行われている取り組みとしては、ロボットタクシーが挙げられます。

ロボットタクシーは近い将来に実用化が期待出来るところまで技術が確立されています。

訪日外国人が増え、タクシーの利用率が上がる 2020 年までには実用化される予定です。


1.3 就職希望者の採用基準の変化


日本の自動車メーカーへの就職希望者の採用基準が大きく変わりつつあります。

従来の自動車業界では、新卒採用を中心に採用活動を行っていました。

それに対して、今後の自動車メーカーでは、中途採用も積極的に行う方針です。

例えば、大手自動車メーカーの日産自動車株式会社でも中途採用を積極的に行っています。

自動車メーカーで起こっている変化に対応出来る即戦力を求めているからです。

新卒採用をした場合、研修期間を最低でも 1 ヶ月以上は設けます。

その間、新卒者からは売り上げに繋がるような働きを見込めません。

ステータスにかかわらず、即戦力になる中途採用者を即戦力として働かせた方が効率よく利益を生むことが出来るわけです。


2. 自動車メーカーのランキングトップ 3


世界規模でみた時、自動車メーカーは日本・アメリカ・ドイツ(ヨーロッパ)が主な勢力となります。


第1位 ドイツ フォルクスワーゲン です。

日本の自動車メーカーで首位の業績を出し続けているのは、トヨタ自動車です。

しかし、 2017 年にドイツのフォルクスワーゲンがトヨタの自動車販売数を抜き、第 1 位を勝ち取りました。

ドイツの自動車メーカーは他社との協業を行い、自動車部品のコスト削減に努めています。

一方、トヨタでは高級車から軽自動車の販売までまんべんなく行っている印象を受けます。

自動車販売数を確保する為に中国への輸出を多く行ったことも、ドイツの自動車メーカーの勝因の 1 つでしょう。


2 は、 トヨタ自動車 です。

ドイツとの自動車販売数の差は、わずかに数十万台でした。

トヨタ自動車の強みとして、製品開発にあります。

自動車が売れる時に売れる分だけ生産するトヨタ流製品開発で多くの利益を生んでいます。


3 は、 ルノー・日産アライアンス です。

日本とフランスが 1999 年に提携し、協業している会社です。

自動車販売数も 851 万台と順当な売り上げを作っています。

ルノー・日産アライアンスでは、採用する人材選定にも力を入れています。

従業員の高い技術と、ルノーの多額の資本があってこその業績だと言えるでしょう。

アメリカのゼネラルモーターズは、自動車販売数ではトップ 3 には入れていません。

ゼネラルモーターズは、 2009 4 月に経営破たんしています。

それ以来、原因となったコストを削減する為に奮闘していますが、業績面ではいまだに伸び悩んでいる状況です。




3. 大手自動車メーカー 各社戦略


本項では、上記のランキングで挙げた 3 社の戦略についてお伝えしていきます。


まず、ドイツのフォルクスワーゲンの戦略についてです。

フォルクスワーゲンは、電気自動車( EV )の開発に尽力しています。

電気自動車は、振動が少なくギアチェンジの際にもレバーではなくスイッチで操作します。

フォルクスワーゲンは、乗り手のストレスを最小限に抑えられるメリットをもつ電気自動車に注目したのです。

2025 年までに 100 万台の電気自動車を販売するのがフォルクスワーゲンの戦略目標です。


次に、トヨタ自動車の戦略についてです。

トヨタ自動車は、トヨタ生産方式を駆使して無駄な在庫を抱えずに自動車を生産します。

自動車の種類も多様化し、安価な軽自動車から高級セダンまで幅広く販売しているのです。

世界規模で顧客のニーズを満たすトヨタ自動車は、国内トップのシェア率を誇ります。


最後に、ルノー・日産アライアンスの戦略についてです。

ルノー・日産アライアンスは、 2017 年に「アライアンス 2022 」を発表しています。

アライアンス 2022 とは、ルノー、日産、三菱自動車で協業することを定めた新計画です。

協業することによってコストダウンを図り、より多くの自動車販売を行う予定です。

ルノー・日産アライアンスは、アライアンス 2022 により、自動車の年間販売数は 1400 万台以上になると予想しています。



4. どんな仕事があるの?


自動車業界に関連する 3 つの職種をご紹介していきます。


1 つ目は、 ディーラー です。

ディーラーとは、各社で生産された車を店頭で販売する仕事です。

お客様のニーズに合わせた提案力が必要になるので、幅広い車種の知識が求められます。

ディーラーとして押し売りするのではなく、お客様自らが車に対して興味をもつように仕向ける営業力も必要です。

新卒採用も中途採用も積極的に行われているので、車好きな人は挑戦しやすい職種です。


2 つ目は、 エンジニア です。

エンジニアの仕事は、各部門に分かれています。

車の部品作りやメンテナンスから、エンジンやモーターの設計までを手掛ける仕事です。

車を販売する上で、エンジニアのもつ技術が非常に重要になります。

採用傾向としては、過去にエンジニアやテクニカルな職種に携わった経験をもつ人が優遇されています。


3 つ目は、 商品企画 の仕事です。

営業しやすいメリットを多数もつ商品を考案する仕事なので、車好きでないと向きません。

車種についての知識はもちろん、各種部品についての知識も必要です。

顧客が好む車の形やデザインについてのマーケティング力も不可欠です。



5. まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、自動車メーカーの業界研究をしてきました。

自動車メーカーは、大手自動車メーカーを中心に、自動運転技術導入に力を入れています。

電気自動車の開発もさかんに行われており、今後も最新技術を駆使した自動車販売が見込めるでしょう。