能條桃子さんプロフィール
慶應義塾大学経済学部2年生。19歳。横浜のベンチャー企業WithPassionでインターンをしながらカンボジアでの運動会プロジェクト、政治活動などいろいろと挑戦中。
長期インターンシップは最初はGIVE、後でTAKEしよう
能條桃子さんプロフィール
慶應義塾大学経済学部2年生。19歳。横浜のベンチャー企業WithPassionでインターンをしながらカンボジアでの運動会プロジェクト、政治活動などいろいろと挑戦中。
ーー1年生の時はアルバイトとかサークルに時間を使われていたと思うのですが、何が事がきっかけで自分の意識が変わったのでしょうか。
大学生の1年目はバイト漬けの日々を送り、遊びやスキーサークルの活動にお金を費やしていました。ところが、夏休みにフィリピンのセブ島で2週間ほど養育支援をするボランティアに参加し、貧困格差を目の前にして、「こんなに高い学費を払って私は大学に何をしに行っているんだろう」と思ったんです。
スキーがオフシーズンの間に熱中できるものが何もなく、「時間がもったいないな」と。そんなときに、身近な先輩にインターンに行っている人がいることを知りました。よく先輩や周囲の大人で「遊べるのは大学生のうちだけだから、遊んでおきなさい」とアドバイスをくださる方がいますが、私は「週5日働くなら絶対楽しくないと嫌だから、早く動いて楽しい働き方を見つけたい」と思いインターンへの参加を決意しました。
ーーその中でどうして株式会社WithPassionをインターン先に選んだのですか?
まず、横浜にベンチャー企業が全然なかったということと、インターン生が少なかったので、社長の隣で仕事ができることに大きなメリットを感じたからです。
社長の隣で仕事をすることで、当事者意識を大分持つことができたので、この点は良かったですね。社員が5人しかいなくて、しかもビジネスのことを考えているのは社長しかいないので、社長の右腕のように扱ってもらい、次第に「自分の仕事」から「会社全体」へと広い視野を持てるようになってきました。
最近では大きな事業を1個任せてもらえるようになり、増えてきたインターン生のリーダーの役割も担わせて頂いております。
私の体験談からこれからインターンを探そうと思っている方にアドバイスですが、バイト感覚で時給を基準にインターン先を探すのはやめた方がいいです。最初私は給料で探したんですよ。結果的には違う形になりましたけど、目的が成長なら、最初は高い給与がもらえなくても、長期的に考えて良い経験ができる方を選ぶ方が重要です。
ただのブラックバイトには気をつけた方がいいと思いますが、最初に少し損してでも、自分が一番成長できるところで探した方が大きなリターンを得られると考えています。
インターンして気づいた人のマネージメントの難しさ
ーー半年間のインターンで学んだことはなんですか?
インターンを始めた当初と現在とでは、将来の見え方が大きく変わりました。当初は、インターンを「大企業に就職するためのアドバンテージ」として捉えていた部分もあったのですが、大企業への就職が全てじゃないことを知りました。「自分で考えて動けば、自分の生き方ができるんだな」と。
もう1つは、指示を待つ人間から他のインターン生へ指示を出す人間になったことで、コミュニケーションの取り方について考え直す機会を得ました。インターンでは年上の人が後輩として入ってくることもあるのでお互いに気持ちよく仕事をできるコミュニケーション法を考えなくてはいけないし、人によって仕事への熱意に差があるわけですが、自分の考えを全面に押し付けてはいけない。
やはり最初はアルバイトと同じ感覚で指示を待ってしまうインターン生もいて、時給で働く感覚が抜けない人もいるんですよ。でもそこで自分の価値観を押し付けるのではなくて、当事者意識を持つように本人たちの内側から意識変革をしなくてはいけないと思うんですよね。
そのための工夫として、小さい事業ではありますが1つの事業を全部インターン生に任せることにしています。株式会社WithPassionは、見習いインターン生への給与体系は、無給+報酬の形をとっているので、その事業で会社に多少の損失を及ぼしても、まずは自分が責任を持った事業で成果を出す喜びを知ってもらうことが重要だと考えたんです。今までのサークルやバイトでは経験する事ができない長期インターンシップに参加したからではの新しい経験なので、非常に自分のためになっているなと感じます。
成長は環境とコミュニティに依存する。いい環境に自分の身を置こう
ーー立憲民主党とカンボジアの運動会でも活動されていますよね。これに参加したきっかけを教えてください 。
自分の今までを振り返ったときに、中学生くらいまでは活動的だったんです。ただ高校時代を振り返ると勉強しかしていなくて、”なぜだろう”と考えた時に、女性が野心を持つことに抵抗があったんですよ。
実際、世の中に空気的に、「女性はおしとやかにガツガツしてない方がいい」というのはあるじゃないですか。大学に入った時も最初はそう思っていたのですが、DeNAの創業者である南場智子さんの本を読んで、やりたいことは全部やろうと思って、自分の興味があることに取り組みました。
あとは、夏休みに入った時に地方創生に興味を持って2泊3日の合宿に行ったんですよ。そこでいわゆる意識高い学生とか社会人が集まる会議があって、そこで「自分が思っていることは口にして、行動にしていいんだ」と気づいたことがあります。そういう意味でも、環境やコミュニティはとても大切だと思います。
この間、株式会社WithPassionのインターンに参加してくれた女の子がいたのですが、その子は周りにインターンをやっている子がいなくて仕事をしづらいと言っていました。現代の大学生の中には「意識高い系」という言葉が浸透しすぎて、皆意識高い系として突出したくないし、平均値でいたいと思っている人が多いんだと思います。逆に皆がやり始めたらどんどん普及すると思うんですけど。
ーー立憲民主党とカンボジアの運動会のどんなところに興味をもって活動を決めたんですか?
立憲民主党は、もとは衆議院選挙の間WEB運用をやりたくて参加したんですけど、街頭演説やビラ配りなどのいわゆる選挙活動から始まって、担当していた現衆議院議員さんの若者の支持率をあげるための取り組みをしていました。
カンボジアでの運動会については、もともと国際協力に興味があったのですが、正直カンボジアに小学校を作るって大学生あるあるじゃないですか。実際ここ10年で小学校はいっぱいできたんですけど、建てるだけ建ててそのあとの管理に手が行き届いていないのが現状で、建設から数年後はただの施設と化して、結局小学校支援は全然浸透していないんですよ。そんな現状を少しでも改善できるように、持続可能な支援をしなくてはいけないと考えているとき、代表を務めている友人が運動会をやろうと言い出したので、それが持続可能な支援のきっかけの1つになればいいなと思いました。
やった後悔より、やらない後悔。失敗したらやり直せばいい
ーー長期インターンや、2つの活動を踏まえて将来の方向性は決まりましたか?
働き方の話になるんですけど、やりたいことをやれる人生がいいなと思っていて。今自分の興味関心の幅が広いので仕事と分けて考えるのではなくて、一貫して「全部仕事であり、全部遊びである」みたいな感覚で生きていけたらいいなってと思っています。
常にやりたいこととやってることが一致しているような人生を送れるような実力をつけていきたいなっていうのがありますね。
あとは、漠然としていますが、女性が活躍できる社会を作ることに貢献したいです。 私は今までの人生で男女間に特別な差を感じたことはありませんでした。ただこれからのキャリアを考えていくうえで、女性は育児を経験することがありますし、男性と同じような頑張り方はできないなと気づいたんです。
「女性が活躍できる職場」をウリにしている会社には、「女性が男性と同じように活躍できる会社」と「女性が女性らしく活躍できる会社」の2パターンがあります。私は女性にガッツを求めて体力勝負を望むのは少し違うと思っているので、女性が女性らしく楽しく働く会社を実現させたいです。
ーー学生に向けてメッセージがあればお願いします!
アドバイスというだいそれたことはないのですが、自分が興味ある事に挑戦してみて、行動してみて失敗したらやめればいいだけなんでリスクがないと思います。
大学生が思ってる以上に会社っていっぱいあるから、一個の会社で失敗しても、他の会社で挽回全然できると思っています。
日本人の価値観として1回失敗したらもうダメなんじゃないかなって思っている人が多いと思います。私は一社目でフィットしましたけど、合ってなかったらやめればいいし、その一歩をふみ出すタイミングって結構重要で、早ければ早いほど本当に良いなと思うので私は2年生の4月からやりましたけどできれば1年生の夏からやればよかったなって本当に思います。
「早ければ早いほど良い」というのは間違いないなって思います。やって損することではないっていうのは結構ありますね。みなさんやりましょう!笑