就活をいつから始めればよいのだろうか。誰かに聞いても人によって意見が違っていてかえって混乱してしまうかも知れません。表向きのスケジュールだけに目をやっていると乗り遅れてしまう可能性もあります。単純に時期だけを見るのではなく活動内容や準備として何が出来るのかも一緒に考えるなら動き出しのタイミングを割り出していくことができるでしょう。
そもそも、就活の時期って決められてる?
就活の時期はどのようにして決まっているのでしょうか。日本経済団体連合会、通称経団連によって打ち出されているスケジュールがあります。経団連は約1300もの企業によって成り立っています。その目的は様々なアイデアを打ち出すことによって経済界の直面する課題を乗り越え、日本経済を成長させることです。そうした施策のなかに「採用選考に関する指針」というものがあります。そこに、企業がいつから採用予定人数や日程を知らせても良いか、いつから採用選考を始めても良いか、といった採用に関する時期的な指針が書かれています。2019年の採用選考は6月1日の予定です。そして経団連に所属する企業はこのスケジュールに沿って情報を公開してゆくことになります。
1.近年の選考スタートのタイミングについて
近年のスケジュールからその傾向が読み取れます。
16卒の場合 説明会の解禁2015年3月、選考解禁2015年8月
17卒の場合 説明会の解禁2016年3月、選考解禁2016年6月
19卒も17卒にならうスケジュールとなっています。
2.企業別の選考スタートタイミングについて
さて、そうは言っても世の中に存在するのは経団連に所属する企業約1300社だけではありませんし、経団連の定めた説明会や選考の解禁に関する指針には法的な拘束力があるわけではありません。
それで、経団連に属さない企業の中には解禁を待たずに選考を始め、早々と学生に内定を出すところもあるのです。早めに動いて優秀な人材を確保してしまいたいわけです。そうした企業の中には外資系、メガベンチャー、中小企業などがあります。一流企業の中にも経団連に属さず、5月には内定を出しているところはたくさんあるのです。
ですから就活を始めるタイミングは志望する企業によって異なってくると言えるでしょう。では一般的な動きを見てみましょう。
就活での一般的とされる動き方
ここでは経団連の定めたスケジュールにのっとった場合に就活でどのように動いていくことになるかモデルケースをご紹介します。
3月の説明会解禁までの動き
>>インターンシップ、自己分析、業界研究
6月の選考解禁までの動き
>>企業研究、エントリーの完了、企業説明会への出席、OB・OG訪問
このスケジュールで行けば6月以降に内定者が表れるということになります。
ところでインターンシップを活用した学生のうち、何らかの成果を上げることのできた人が選考で良い評価を得るのは不思議なことでなありません。そう考えると学生が実際に就活を始めるのは、このインターンの募集が始まる時期ということになるでしょう。それはだいたい選考が解禁になるより1年も前のことになります。
さて説明会の解禁が3月そして面接が6月ということでした。3か月もあるとは考えないでください。これは決して楽なスケジュールではないと言えます。なぜでしょうか?恐らくあなたが応募するのは1社だけではないはずです。ある調査によるとエントリーシートの提出数は一人平均20社となっています。締め切りは遅くともせいぜい5月でしょう。企業の中には4月の中旬で締め切るというところも多いでしょう。つまり解禁から2か月しかないのです。この2か月の間にエントリーシートを完成させるのですが、たとえ10社だとしてものんびりはしていられないスケジュールではないでしょうか。得られる情報を出来るだけ早めに取り込んで企業研究を始めていかなくてはならないことになります。
前述のとおり企業によっては選考を前倒しで行うところもあります。これはあなたにとって何を意味するでしょうか。あなたが仮に6月に初めて面接を受けるのであれば、すでに幾つもの場数を踏んできた面接慣れしたライバルに出くわす機会さえ実際にありうるということです。こちらも早めに動いて試合勘を身に着けておきたいものです。
またWEBテストも選考の解禁前に受けておくことができます。テストは国語、数学、英語などが一般的です。評価が数字になって表れる分野ですから予習を前もって行い高得点につなげたいところです。また、テストを受けられるPC環境が整っているかも前もってチェックしておきましょう。
選考が早まりそうな企業を志望するなら、これをモデルに調整して計画を立ててみましょう。カギは3月の説明会解禁を待たずに出来ることがあり、前準備をいかに充実させておくか、ということです。それは次にご紹介します。
最適なスタートを切るために今できること
19卒で言うと説明会の解禁が3月、選考の解禁が6月ですからこの3か月のみで選考に備えるのは至難の業です。では前準備として何ができるかもう少し具体的に見てゆきましょう。
1.自己分析
自分のことを理解していなくては自己アピールはおろかどの企業を志望するかすら決められないでしょう。しかし自分について知るのは意外に難しいことですよね。漠然とした自分ではなく、明確で客観的な視点を持つためにも過去の経験、一生懸命に取り組んだことを書き出してみましょう。それをもとに自分の良さやアピールポイントを分析してみましょう。
2.業界・企業研究
ここでもやはり分析することが大切です。自分を知ったら今度は相手を知るのです。知るほどに興味がわき、そこで働く自分を思い描きやすくなるでしょう。そして相手がわかれば、アピールするべきポイントが見えてきます。志望する企業に対する自分の活かし方が見えてくるでしょう。
3.インターンに参加する
19卒から短期インターンが1日から認められるようになりました。ただし時間が短いため内容の充実にも限界があるのが現実です。実務を経験するのは難しく、説明会の延長のような位置づけにあるようですが付加的な情報を得る上で参加するのも良いでしょう。
長期インターンシップは3か月以上にわたり学生が企業に入り、実際の業務を経験できるのが特徴です。単なる企業調べでは決して得ることのできない現場の雰囲気を体験することが出来ます。志望する業界に関する理解が得られるとともに、求められているスキルや特性も知ることができるでしょう。
また有給インターンがほとんどなので、馬鹿にならない就活の費用を捻出するうえでも良い手段と言えます。面接官にとって少しでも業界を経験している学生のほうが、まったくの未経験者より好意的に映るのはごく当たり前のことでしょう。実際インターン参加者に対し一次選考の免除などのアドバンテージを設けている企業もあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。実際の就活のスケジュールについて見てくることができました。一般的な流れとしては採用情報の解禁が3月、選考の解禁が6月ということでしたが、それより前から準備を始めなければ余裕がなくなり、生き生きと就活を行うことが難しくなります。6月に内定が出始めるとしても自分にマッチした企業を選ぶにはさらに時間が掛かるかも知れません。長期戦に備えて出来る限り無理のない計画で対応してゆきましょう。