三井住友銀行は、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行とともにメガバンクの一角を担っており、東京証券取引所だけではなくニューヨーク証券取引所にも上場している日本でも有数の銀行です。また、2001年に住友グループの住友銀行と、三井グループのさくら銀行が合併して誕生した銀行ということで、旧財閥の枠を超えて合併した非常に珍しい銀行でもあります。就活生の人気企業ランキングでも毎年上位に入っており、キャリタス就活の就職希望企業ランキング総合編5位、日経新聞とマイナビが共同で行った調査の2018年卒大学生就職企業人気ランキング文系総合6位、など各ランキングで上位を獲得しています。本記事では三井住友銀行の特徴と選考対策について説明します。
三井住友銀行の主な事業内容は?
まずは、三井住友銀行の主な事業内容について説明します。三井住友銀行の採用サイトによれば三井住友銀行は、預金業務、貸出業務などの通常銀行と言われて思いつく業務だけではなく、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務、金融先物取引等の受託業務、証券投資信託の窓口販売業務等を実施しています。
これだけ見ると、様々な業務を行っている様に見えますが、更に一口に預金と言っても、普通預金もあれば定期預金もありますし、外貨預金もあります。また、法人か個人かによってもサービスの内容は異なってきます。このように法人や個人に対して預金や貸付、金融商品の販売や、為替業務等さまざまなお金にまつわる事業を行っています。
また、三井住友銀行が所属している三井住友フィナンシャルグループという単位で見るとさらに様々な金融事業を行っており、証券業やリース業、コンシューマーファイナンス業などお金が関わるありとあらゆるサービスに関係していると言えます。
競合と比較した三井住友銀行の強み
このようにお金にまつわる事業について幅広い展開を行っている三井住友銀行ですが、もちろん競合となるメガバンクも三井住友銀行と同様に様々な金融サービスを行っています。では、競合と比較した時に三井住友銀行にはどのような強みがあるのでしょうか。
まずは銀行業界2位のシェアが強みとして挙げられます。銀行業全体で売上を比較した時に、1位の三菱UFJフィナンシャルグループの売上約5.9兆円と3位みずほフィナンシャルグループ約3.2兆円の間に挟まれた2位の約5.1兆円の企業となっています。この売上からわかるとおり3大メガバンクと言われていますが実際には、三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行のツートップ体制になっています。ちなみに、4位は三井住友トラストホールディングスで約1.2兆円となっていますが、三井住友銀行とは同じ三井住友グループに属していますが直接の資本関係はなくまったくの別会社となっています。
更に総資産で比較すると1位は約303兆円の三菱UFJフィナンシャルグループと断トツの1位となっています。2位から4位までは少しの差ですが、2位はゆうちょ銀行約210兆円、3位みずほフィナンシャルグループ約201兆円、4位三井住友フィナンシャルグループ198兆円となっています。
このように売上、総資産で比較しても三菱UFJ東京銀行の方が三井住友銀行よりも一歩リードしていますが、三菱東京UFJ銀行にも負けない強みを三井住友銀行は保有しています。
三井住友銀行が持っている強みとしてまず挙げられるのが効率性の高さです。三井住友銀行はメガバンクの中でも効率的に収益をあげている事が特徴になっており、業務粗利益に占める経費の割合を示す経費率という指標の低さでは三井住友銀行が長年メガバンクの中でもトップに君臨していました。また、収益性も他の銀行と比較して高いと言われています。銀行版の総資産利益率であるRORAという指標で比較すると三井住友銀行がメガバンクの中でも一番高いと言われています。
このように三井住友銀行はメガバンクの中でも収益性と効率性が高いと言われてきましたが、2018年以降は大きな順位変動も予想されますので注意して見守る必要があります。まず三井住友銀行ではここ10年程度で人件費が大きく増加している事によって経費率が徐々に上昇しており近年は他のメガバンクと同じ水準になりつつあります。また、各メガバンクで今後AIの活用などによって大量の人員削減を行う事が発表されています。このようにメガバンク各社が今後経費率を下げる事に積極的に取り組んでいくので、中期的にはどの銀行が経営の効率性でアドバンテージを得るのかわからない状態です。
ちなみに、事業部単位で他のメガバンクと比較するとリテール部門と投資銀行部門が強いと言われています。
三井住友銀行はどのような学生を求めているのか
以上のように三井住友銀行について説明してきましたが、三井住友銀行はどのような学生を求めているのでしょうか。まず金融業界の選考方法が他の業界と違うのはリクルーターによる採用が活発だという事です。三井住友銀行もその例外ではなくリクルーター面談を上手く突破する事が内定を貰う為のカギと考えられます。1つの目安としてエントリーしてからリクルーターがつけば予選を突破したという風に考えられます。リクルーターが付かなければ少し採用は厳しいかもしれません。
また、金融業界の各企業に対して内定者を多く輩出する大学としては慶應・早稲田が二大巨頭となっていますが、三井住友銀行の場合は、一番多いのは関西学院大学で早稲田、慶應が次いでその後に関西大学と同支社大学が続きます。三井住友銀行のもともとの母体は神戸銀行、住友銀行など関西系の銀行なので関西の大学から積極的に採用を行っていると考えられます。ただし、関関同立の出身だからと言って必ずしも採用されるわけではありません。もちろん面接の経過次第では関関同立の出身者でも不採用となります。
このような前提条件の上で三井住友銀行では2019年度の採用コンセプトとして「君ならでは、を世界へ。」という標語を掲げています。AIやFinTech、仮想通貨など様々な技術が誕生している事によって今銀行は大きな変革期にあります。そのような変革期において、銀行に新しい刺激を与えてくれるようなエッジの効いた人材を採用したいという風な事からこの標語になったと言われています。つまり、積極的に自分が持っている個性を発揮して、失敗する事を恐れずに何かに挑戦できるような人材を求めているのだと考えられます。
まとめ
以上のように三井住友銀行について就活生が知っておくべき情報について説明してきました。三井住友銀行と言えば、三菱東京UFJに次ぐ規模のメガバンクで日本国内でも強いブランド力を保有している企業です。メガバンクという事もあり預金業務、貸出業務、記入商品の販売、仲介、為替業務等お金に関する幅広い業務を行っていますが、三井住友ホールディングス単位では、リースやコンシューマーファイナンス、証券などありとあらゆる金融事業をてがけています。
リテール部門、投資銀行部門に強みを持っており、メガバンクの中でも一人当たりの生産性が高い銀行で、効率性、収益性に優れていると言われています。ただし、この点については今後各メガバンクがAIなどの導入による人員削減を発表しているので順位が大きく変動していくと予想されます。このような金融業界の大変革期にあって会社に新しい風をもたらすような人材を求めており、積極的に失敗を恐れずに色々な事に挑戦していけるような人材を募集していると考えられます。なお、メガバンクの中でも比較的関西の大学から採用を行う傾向にあります。