映画でお馴染みの東宝株式会社は、映像事業を主に展開する日本の大手企業です。
広告・マスコミ業界に関心を抱く学生からも、根強く支持されています。
2015年には、映画製作の年間興行収入で13年連続1位という功績を残しました。
東宝は、国内に留まらず、海外進出にも積極的な映画会社です。
2018年最新版の就活情報でも、東宝の企業研究を進める学生が多くなる見込みです。
ただし、東宝で採用されるのは、ビジネスマンとして優れたスキルをもつ学生だけです。
東宝の主な事業内容は?
東宝では、映像事業と演劇事業を主な事業内容としています。
いずれも目立った功績を残し、世間を湧かせた事業です。
それぞれの事業に必要な部署を完備し、業務の連携も完璧に行っている点も、東宝の魅力の1つと言えますね。
1.1 映像事業
東宝で提供されている邦画は、誰もが1度は目にしたことのある映画です。
『映画ドラえもん』や『名探偵コナン』は、いずれも東宝の映像事業で手掛けられた映画です。
映像・映画製作の為の部署は、全部で6つに分かれています。
企画・製作部、宣伝部、営業部、興行部、映像事業部、国際部の6つの部署があります。
東宝が、年間に配給する映画は、約30作品です。
映像事業の円滑な展開の為には、6つの部署がバランスよく正確に機能することが必須です。
東宝では、シリーズアニメ作品、テレビ局製作作品、時差製作作品の3つを主力映像としています。
企画・製作段階から、各映画の迅速な編成が行われ、ネームバリューを活かした宣伝と営業に移行するのが東宝のスタイルです。
1.2 演劇事業
「東宝演劇」と呼ばれる演劇事業も、東宝が手掛ける主要事業の1つです。
かの有名な『レ・ミゼラブル』も、東宝が運営する帝国劇場で上演されたのです。
東宝が展開するシアター・クリエでは、『RENT』が上演も行われています。
ミュージカルだけでなく、歌舞伎、クラシックバレエ、オペラ、宝塚歌劇なども、東宝の演劇事業の一環として数多く上演されてきました。
上演場所も様々で、東京日生劇場や大阪梅田劇場でも随時公演が行われています。
演劇公演だけでなく、東宝では、自社で作成した演劇ソフトを全国に届ける取り組みも行われています。
こちらについても、演劇事業の一環として、今後も継続される予定です。
1.3 不動産事業
東宝は、映像事業や演劇事業とは別に、不動産事業も展開しているのです。
首都圏を中心に、劇場や映画館、事務所を設立し、各地域の活性化に貢献しています。
東宝が所有するテナント数は、娯楽施設からビジネスホテルまで様々です。
映画や演劇で娯楽を提供する為の資本を、不動産事業から回収するのが目的です。
全国の1等地を中心に賃貸物件を扱っているのも、映画製作や演劇公演などの主要事業にかかるコストを賄う為にほかなりません。
人口の多い街に大型施設を設置することで、経済効果も狙っているとも考えられます。
競合と比較した東宝の強み
東宝は、1932年に株式会社宝塚劇場を開場してから現在まで、急成長を遂げてきました。
創業者の小林氏の名言である「清く正しく美しく」を体現するべく、東宝で働く従業員は奮闘を重ねています。
その甲斐あってか、東宝は、現在も映画業界の代表的企業として君臨しています。
他社競合には、東映や松竹、角川大映スタジオが挙げられますが、いずれも東宝の業績には追いついていません。
2.1 堅実な経営体制
東宝は、他社競合を寄せつけない経営体制に定評があります。
創業者から継がれてきた企業文化が、安定した経営体制を実現するのでしょう。
厳しいコスト管理のもとで事業展開を推し進めることで、無駄なコストの一切を省くのが東宝の企業文化です。
また、各事業には専門の部署が細かく配備されています。
事業計画に乗っ取り、必要な業務をセクションに分けることで業務効率が上がり、業務遂行量も向上します。
こうした点も、東宝の堅実な経営体制を実現する要素の1つと考えられますね。
2.2 事業数の多さ
東宝の主要事業は、映像事業と演劇事業ですが、展開事業は他にもあります。
不動産事業においても、多くの収益を確保することに成功しているのです。
東宝では、関東・関西地区に多数の物件(テナント)を設立しています。
各地区の中心街でよく目にする「リッチモンドホテル」や「ロイヤルパークホテル」もまた、東宝が手掛けた地域密着型ホテルです。
2015年には、「新宿東東宝ビル」の設立に踏み切りました。
屋外テラスには、等身大のゴジラヘッドを併設し、歌舞伎町周辺の人々から注目を集めています。
映画会社でありながら、不動産事業にも乗り出す積極性も、東宝の大きな強みです。
2.3 安定した財源確保
多くの映画会社では、映画事業を専門に展開する場合が多いです。
一方で、東宝は、映画・演劇・不動産と3種類もの事業展開を行っています。
多岐にわたって事業展開を行うことで、安定した財源が確保出来ます。
その証拠に、東宝の不動産事業は、営業利益のうち4割をも占めているのです。
事業展開数が多ければ、いずれかの事業で失敗した際のリスクヘッジにもなります。
リスクヘッジといえば、自社制作の邦画が激減した東宝は、不動産事業に注力しつつ、アニメ映画の製作に切り替えつつあります。
自在に事業の展開方針を切り替えることが出来るのも、安定した財源確保があってこそなのです。
どのような学生を求めているのか
2019年度の東宝の求人募集要項は、2月まで非公開となります。
その間にも、東宝を志望する皆さんは、2018年度の募集要項から「求める人材像」を把握しておかなければなりません。
東宝では、一括採用の方針を導入しており、配属先は入社後に決まります。
本命の部署に配属される為にも、希望部署の適性や能力を備えておきましょう。
3.1 プロフェッショナル志向な人
東宝では、事業内容を問わず、プロフェッショナル志向の学生を求めています。
ただ「映画が好き」や「映画作品のファン」というだけでは、採用されません。
重要なのは、映像を鑑賞する顧客の目線に立つことです。
1つの映像に関して、本当の面白さを客観視出来て、且つ、利益に繋がる仕事をする必要があります。
プロフェッショナル志向とは、多くの場合、社会人経験を通して身につくスキルです。
面接段階からプロフェッショナル志向である点をアピールするならば、映画の企画書などを持参すると良いでしょう。
3.2 自分を磨く力のある人
東宝では、新卒の段階で即戦力になるかどうかは、重視されていません。
肝心なのは、新たな商品・サービスをプロデュースしたり、ビジネスマンに相応しい能力を高めようとする「成長力」なのです。
自分に厳しく、夢と目標を遂行しようとする姿勢こそが、東宝の適性を満たしていると考えられています。
反対に、1度決めた目標を中途半端に投げ出し、現状に満足する怠け者は、東宝には必要とされないでしょう。
3.3 好奇心旺盛な人
東宝では、好奇心旺盛な人でないと採用されにくい傾向があります。
例えば、真新しい映画を製作することになった時、どこにもアンテナを張っていない人はアイデアが浮かびません。
反対に、常にアンテナを張り巡らし、あらゆることに興味・関心を抱ける人ならば、それだけ引き出しも増えて良質なアイデアが浮かびやすくなります。
よって、東宝に入社するには、自分とは無関係の分野にも好奇心旺盛に取り組めるような心意気が必要だと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、東宝株式会社の企業研究を行いました。
確固たる財源確保と、安定の大手企業を志望する学生は多数います。
東宝に入社したいのであれば、まずは「企業文化」や「理念」を理解しましょう。
「お客様への良質な娯楽の提供」こそが、東宝の最大のミッションなのです。
その為に必要な能力は何か、と考えれば、おのずと東宝入社までに磨くべきスキルが見えてくるはずです。