花王と言えば日本で誰もが知る有名な日用品のメーカーですが、就活生にも人気の企業の1つです。マイナビと日経新聞が共同で行った2018年卒大学生就職企業人気ランキングによると、「繊維・アパレル・化学・薬品・化粧品」部門で3位、学情が行った就職人気企業ランキングでも総合6位に位置する人気企業です。
ここではそのような人気企業ある花王について就活生が知っておくべき職種や事業内容について説明します。
消費財メーカーで働く魅力
まず、花王のように私たちが日常生活で使う洗剤やシャンプー、化粧品などを取り扱う会社を消費財メーカーと言います。消費財メーカーには花王の他にも、資生堂やP&G、ライオンなど日頃私たちが良くCMで目にするメーカーがあります。
消費財メーカーで働く魅力は大きく分けて3つあり、安定して働きやすい事と、人々の日常生活に目に見える形で貢献できる事、女性でも働きやすい事にあります。
1つ目に挙げた安定して働きやすいという事について説明します。
就職先として人気の業界として銀行や商社などがありますが、これらの会社は給料が良い分離職率の高い傾向にあります。
商品によって差別化する事が困難なので新規開拓を積極的に行ったり、ノルマがあったりと地道な営業が求められます。一方で消費財メーカーは自社で商品を開発・製造し商品ブランドに信用力が高いので営業でもあってもルートセールスが中心だったり、ノルマがあっても比較的達成しやすかったりするので、同じ会社で長期間にわたって働きやすい労働環境だと言えます。
2つ目に挙げた人々の日常生活に目に見える形で貢献できるという事ですが、消費財はテレビCMなども放送していますし、スーパーやコンビニ、薬局に行けば自分の会社の製品を目にする事ができるので日常生活でも自分が勤めている会社がどのように社会に貢献しているか確認でき、周囲の人々も自分が勤めている会社の事をよく知っているので、サラリーマンとしての自己肯定感が高くなります。
また、上の2つの魅力に関連して、女性が働きやすい仕事場だと言えます。消費財の主なターゲットは主婦層になるために、特にマーケティング部門などは女性の感性を生かして仕事をする事ができます。また、比較的職場環境も整っている会社が多いので、女性でも体力的に無理なく働けたり、出産などで長期休職しても比較的復帰しやすかったりする職場環境だと言えます。
花王の事業内容
では、そのような消費財メーカーとして花王ではどのような事業を行っているのでしょうか。まず、花王は2016年の決算によると売上高約1兆4600億円、連結従業員数約3万3000人の巨大企業です。日本の日用品のメーカーとしてはトップクラスの事業規模で、事業部は大きく分けてビューティーケア事業、ヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業、ケミカル事業の4つにわかれています。
ビューティーケア事業は花王の売上の4割程度を占める事業で、化粧品やスキンケア製品などの製造、販売などを行っています。保有しているブランドとしては「ソフィーナ」「カネボウ」「ビオレ」などが挙げられます。
ヒューマンヘルスケア事業は花王の売上の2割弱を占める事業で、人々の健康や衛生に関わる商品を製造・販売しています。保有しているブランドとしては「ロリエ」「メリーズ」「ヘルシア」などが挙げられます。
ファブクリック&ホームケア事業は花王の売り上げの2割強を占める事業で、洗濯や食器洗いなど家事で使用する消耗品の製造・販売を行っています。保有しているブランドとしては「アタック」「ハミング」「マジックリン」などが挙げられます。
ケミカル事業は花王の売り上げの2割弱を占める事業で、主に企業を顧客にしているので普段の生活であまり見かける事はありませんが、食品・建築、エレクトロニクスなど様々な産業において花王の化学製品が使われています。
また、各事業は日本国内だけではなく海外に対してもブランド展開されており、花王に占める海外の売上比率は約3割程度となっています。
職種とその年収
では、花王にはどのような職種があって、平均年収はどの位なのでしょうか。平成28年度の平均年収798万円で、毎年平均年収800万円前後で推移しています。ただし、これは花王全体の平均年収なので工場の働いているパートなどの年収が平均を下げているので、大卒、正社員だけで計算した平均年収はこれより高くなっていると予想されます。大卒の初任給は21.5万円と一般的な大卒の初任給となっていますが、ここからどのように昇進するか、その時の会社の業績にもよりますが、係長から課長クラスまで出世すると年収1000万円前後になると予想されます。
採用コースは大きく分けて事務系と技術系に分かれており、事務系は総合職とビジネスプロセスエンジニア、クリエイティブ職に、技術系は研究職と生産技術職に分かれています。このうち高待遇を得やすいであろうと考えられるコースは事務系の総合職と、技術系の研究職です。
事務系の総合職は商品の営業、マーケティング、人事、経理など様々な部署で活躍する事が想定されている採用枠です。
ビジネスプロセスエンジニアは社内のITシステムの管理などを行っている部署で働く事になります。
クリエイティブ職はコピーライティングや商品のパッケージやプロダクトデザインを担当します。
技術系の研究職は、生物系、科学系の専門知識を活かして花王で作られる商品や基礎技術の開発を行う職種です。
生産技術職は工場での製造に関する部署で、効率的にスピーディーに工場で商品を製造できるように活動する職種です。
それぞれの職種によって微妙に適性が異なり、事務系の総合職は文系・理系でも良いですが、ビジネスプロセスエンジニアリング職では理系のITに関連した学科を専攻した就活生、クリエイティブ職でもデザイナーとして応募する場合は美大や美術系の専門学校出身の方が選考で有利になると考えられます。
また、研究職は基本的に大学院修了以上か薬学部、獣医学部、医学部などの専門的な知識を保有している必要がありますし、生産技術職は理系が対象となっています。成りたい職種と自分の専攻を加味して受けるコースを選択してください。
花王のインターンシップとは
花王ではインターンシップを開催しているので、花王での働き方について知りたいという人はぜひ参加した方が良いでしょう。花王では技術系インターンシップとシステム系インターンシップの2種類のインターンシップを開催しています。
技術系インターンシップは研究職で働きたい学生を対象にしており、大学院修士課程か6年生学士課程に在学中の人を対象とした12日間のインターンシップです。1日目にオリエンテーションを受けた後に実際に研究所で研究を行い、最終日にプレゼンテーションを行います。
システム系インターンシップは全学生を対象に行う5日間のインターンシップです。1日目にオリエンテーションを受けたあとに情報システムの社員と同じフロアで研修テーマにグループで取り組み、最終日に成果をプレゼンテーションします。
いずれのインターンを受ける場合にも、まずはインターンシップの選考に合格する必要がありエントリシートを提出した上で面接に合格する必要があります。
2017年のインターンシップについて、技術系のインターンシップは2017年6月14日に申し込みが締め切られて、7月中に選考が行われ、2017年8月から9月にかけて開催されました。
システム系インターンシップは応募期間2017年11月15日まででそこから選考が行われ2018年2月に開催されます。参加したいと思ってすぐに参加できるものではないので事前に開催状況をチェックするようにしておいてください。
まとめ
以上のように花王について説明してきました。大卒の就職において人気企業の一つであり日本有数の消費財メーカーです。職場環境もしっかり整備されていて、待遇も良いので一つの会社で安定して長期間働きたいという人には良い職場です。
採用コースは事務系と技術系に分かれていますが、事務系と技術系の中で更にコースが細分化されているので、希望している職種と自分の専攻を加味した上で応募するコースを選んでください。