新卒の志望動機を書く前に準備すべきこと

新卒で就活をする場合、「志望動機なんて書いたことがないからよくわからない」という人が多いでしょう。エントリーシートや面接で必ず聞かれる志望動機は、就活を成功させるために対策が欠かせないものです。この記事では、新卒ではどんな志望動機が必要になってくるのか、採用担当者はどこを見ているのか、書き方のコツは何かなど、志望動機の例文も一緒にご紹介していきます。

まず、新卒で志望動機を書く前に準備するのは下記の3つです。

・自己分析で仕事選びの軸を見つける

志望動機を書くには、自分が社会に出て何をしていきたいのかを明確にする必要があります。どんな仕事に就きたいのか、仕事でどんなことをしていきたいのかを考えてみましょう。自身の経験や価値観を見つめ直すことで、会社・仕事にどんなことを求めているのかがわかってきます。それこそが「仕事選びの軸」になります。軸がないまま就活を始めても、説得力のある言葉が出てこなかったり、企業とのミスマッチが起きたりします。まずは、企業を選ぶときに「譲れないこと」を見つけてみましょう。

・業界研究・企業研究をする

志望動機は、その企業に向けたメッセージです。どこにでも使いまわせるようなものは魅力的な志望動機にはなりません。志望動機を書くために、志望する業界のことや企業のことを詳しく知っておきましょう。業界を知ることで競合会社や全体の取り組みを知ることができますし、企業を知ることでその企業の強みや特徴といった魅力を知っていくことができます。

・企業の特徴と自分の軸を照らし合わせる

仕事選びの軸をもとに企業を探していけば、自分にマッチしたところが見つかるでしょう。その企業を詳しく調べて、自分の思いと企業の特徴とを繋げてみましょう。その企業だからこそ自分の思いが成し遂げられるという点が見つかれば立派な志望動機を書くことができます。

新卒の採用担当者が志望動機で見ていることとは

志望動機は自分の言いたいことをそのまま書いてはいけません。企業の採用担当者が見たときに、どう感じるかを考える必要があります。そこで、新卒の採用担当者は志望動機のどんな点を見ているのかを知りましょう。

・マッチング

新卒の就活生と企業とで、一番大切なのはマッチングです。極端な例を言えば、「入社後すぐに英語を使って仕事がしたい」という新卒の人が、国内の日本企業向け営業の仕事を任されてもその思いは叶えられませんよね。企業は新卒者には長く活躍してもらいたいという思いがあります。時間と労力をかけて新卒向けの採用活動を行っているのも、企業に根付いてくれる優秀な人材を育てて企業成長に貢献してもらいたいからです。そのため、入社時点でのミスマッチは避けたいのです。新卒者のやりたいことと企業が求めている活躍が違う場合、選考を突破していくことはできません。そういったことを新卒者の志望動機から判断できるので、採用担当者はマッチングができているかどうかを見ています。新卒者は企業研究をしっかり行い、自分の思いと企業の求めていることが合致しているか知っておきましょう。

・熱意

企業はやはり働く意欲のある人がほしいものです。自社に対する強い思いを持ち、頑張ってくれそうな熱意が感じられるかどうかを志望動機で見ています。「ここまでしっかり調べたんだな」と思わせられるように企業のことはしっかり調べておきましょう。そして、入社後に取り組みたいこと、将来のビジョンなどを伝えるのも良いでしょう。
一方で、給料や残業、休みといった待遇や環境面を志望動機にあげていると、働く意欲が低いと感じられてしまいます。また、会社を勉強する場所のように考えている新卒の人もいますが、それでは採用担当者は喜びません。「成長したいです」や「研修を頑張りたいです」といった当たり前のことは意欲とはみなされない場合があるので注意しましょう。

・貢献度

企業がほしいのは自社に貢献してくれる人材です。新卒に対しても企業への貢献を求めます。入社後すぐには難しいでしょうが、ポテンシャルを秘めた人やもともとスキルを持っている人などを選定していきます。もし企業に対してアピールできるような貢献があれば、志望動機の中で伝えていきましょう。

就活生は知っておきたい!受かる志望動機を書くコツ!

採用担当者がどこに注目するかを理解した次は、どのような志望動機を書けばいいのかを見ていきます。志望動機を書くにもコツがあるので、参考にしてみてください。

・結論から書く

はじめの文章で志望動機を端的に伝えましょう。まずは結論(志望した理由)から伝えることで、わかりやすい構成になります。企業に対しても自分はどこを魅力に感じたのかを、一文で伝えましょう。長いとわかりにくくなるのでNGです。

・結論の理由を伝える

結論を伝えたあとは、そう結論づけた理由を書きます。結論をAだとすると、「Aを魅力に感じたのはなぜか」を書きます。

・自分なりの考えを交える

結論の理由を述べるときに、自分なりの考え方や価値観を交えると説得力のあるものになります。自己分析で仕事選びの軸ができていれば、なぜ自分はその企業を良いと感じたのかをわかりやすく説明できるでしょう。また、自身の経験やエピソードから出てきた意見になるので、誰とも被らないあなただけの志望動機をつくることができます。

・なぜその会社かを伝える

他社ではなくなぜその会社なのかをしっかり伝えましょう。うちじゃなくて競合会社でもいいのでは?と思われてはいけません。企業研究で得た情報が活かせます。

・入社後の取り組みを伝える

熱意や貢献度については、入社後の取り組みを伝えるのがわかりやすいでしょう。「○○部署でこんなことをしていきたい」「○○という強みを活かし、こんな仕事を手掛けていきたい」という仕事への意欲と、企業研究の成果を見せていきましょう。

就活で使える!志望動機の例文

【例文1】IT業界志望

私が御社を志望した理由は、ITで暮らしを豊かにしたいと感じたからです。
高齢化社会である現代は、介護の問題なども多く取り上げられ、自分の親や自分自身はどうなるのだろうと不安になりました。仕事をするなら身近な人のためになることがしたいと思い、介護関係を探していました。そんなときに御社と出会い、独自のシステムで介護業界を発展させていく取り組みに魅力を感じました。
社会問題を少しでも自分の手で良い方向に変えていけるよう、常にチャレンジを続けていきたいと思っております。

【例文2】マスコミ業界志望

御社で、ファッションの流行を創り出す仕事がしたいと思い志望しました。
もともと新しいものを生み出すということに興味があり、大学ではサークルを設立したり、自作のイラストをWebで発信したり、ビジネスアイデアを応募したりしていました。ファッションも好きで洋服店でアルバイトをしていました。新しいことの発信とファッションに携われる仕事がしたいと思い、御社が展開している「流行を創り出していくメディア」の仕事に惹かれました。
まずは営業として経験を積み、編集部門での活躍、新規事業の立ち上げなどに関わっていけたらと考えております。

【例文3】事務職志望

バックオフィスが企業成長のカギという御社のスタイルに魅力を感じ志望しました。
私は人のサポートが合っていると思い、学生時代も部活のマネージャーをしていました。試合には出られなくても、自分の働きかけで誰かの支えになったりすることにやりがいを感じていて、感謝の言葉をもらえることもあり楽しむことができました。御社は営業の方がメインになりますが、その中でもバックオフィスの存在を非常に大切にしているということを知り、ぜひそんな環境で働きたいと考えました。
自分なりのサポートを考えて、企業成長に貢献できるような人材になりたいと思います。

【例文4】販売職志望

御社を志望した理由は、一人一人の個性を活かせるフィールドを魅力に感じたからです。
私は人との関わりを大切に思っており、アルバイトでも接客業を選んだり、ゼミやサークルの活動にも積極的に参加したりしていました。御社は、販売員が伸び伸びと働ける環境をつくることで明るい店舗づくりに取り組んでいると知りました。マニュアル通りでなく、その人の個性を活かすことを大切にしている御社だからこそ、私が持つ人懐っこさや明るさでお客様をサポートしていけると感じました。
人が好きという気持ちを活かし、どんなときも笑顔を絶やさずにファンづくりをしていきたいと思います。

最後に

新卒の志望動機の書き方を、例文を含めてご紹介しました。例文は一部を書き換えるような使い方ではなく、あくまで参考程度にして、自分の言葉で志望動機をつくってみてください。あなたの魅力や思いが少しでも多く伝わる志望動機で、就活を成功へと導いていきましょう。