今回は、化粧品業界に就職をしたいと考えている就活生のために、化粧品業界の企業ランキングと年収や就職するためにするべきことをまとめました。



化粧品業界の現状

平成26-27年度の化粧品業界の市場規模は2兆1516億円でした。

化粧品が平成26年度10月に免税対象消費に加わったことが売上向上に拍車をかけました。具体的には、外国人が日本の商品を消費する 「インバウンド消費」 が盛んに起こりました。中国人や韓国人、台湾人などが日本のドラッグストアで「爆買い」をするようになったのもこの影響です。27年度には円安・元高の影響でインバウンド消費が一時横ばいになり、今後のインバウンド消費が活発になるかどうかは予想がつかなくなりました。
化粧品の国内消費が落ち着いてくることを見越して、いくつかの企業は海外事業を展開し始めています。子会社をつくる主な国はアメリカ、中国、台湾、韓国、香港、シンガポール、ベトナム、ギリシャ、スイス、トルコといった場所です。日本の化粧品の需要がある国々に裾野を広げていっています。

化粧品業界は従来の化粧品会社の他に異業種からの参入もあり、盛り上がりが再び蘇ってきています。
そんな化粧品業界の課題は大きく分けて2つあります。

一つ目は 「国内における海外ブランドとの競争」 です。現状、海外ブランドが日本に多く進出してきている傾向があります。すでに日本での浸透度合いも増しており、国内ブランドと海外ブランドの競争が過激になりすぎている傾向があります。海外ブランドを輸入することは良いことでもありますが、国内ブランドが下降するような働きになるのは抑えたいところです。

2つ目は 「国内から世界的ブランドが誕生しない 」です。日本の化粧品ブランドはものすごい数存在しており、現時点でもかなりの飽和状態となっています。ですので国内での成長は期待できません。よって、海外進出を目指したいところではありますが、世界的に見ると日本の化粧品ブランドのイメージが確立しておらず、なかなか世界的ブランドに発展しないということが発生しています。高級化粧品でいくのか?安物化粧品でいくのか?ということもままならない日本の化粧品ブランドのイメージを変えていく必要があるといえます。

化粧品業界 売上げ企業ランキング

化粧品業界に属する企業を売上TOP10までをランキング形式にし、TOP3の企業ついて解説を入れました。

1位 資生堂 7,630億円
2位 花王 6,076億円
3位 コーセー 2,433億円
4位 ポーラ・オルビスHD 2,147億円
5位 マンダム 750億円
6位 ファンケル 550億円
7位 ノエビアHD 493億円
8位 シーズ・HD 376億円
9位 ミルボン 273億円
10位 ナリス化粧品 219億円

1位の 資生堂 は世界的にも有名な化粧品ブランドになりつつあります。国内での需要が横ばいになってきたといいうこともあり、海外事業での成功がこのような結果を支えているといえます。

2位の 花王 は子供から大人まで「一世帯」という単位での市場を確立してきました。1位で世界的な知名度を誇る資生堂と比べてもほとんど変わらない売上を上げているということが強みであるといえます。国内での需要がとても大きいということが分かるかと思います。花王も今後は海外進出を考えている特色が出ており、今後の動きが注目されています。

3位の コーセー は資生堂の利益を越す勢いがありますが、売上的には3位でした。新しく発売されたブランドが人気を博し、ランクインを果たしたと考えられています。コーセーは国内での市場にこだわってきており、海外進出は今後の予定です。国内メインの化粧品メーカーで堂々の3位であるコーセーは今後の成長が楽しみであるといえます。


「化粧品業界で働く」とは



職種には 「総合職」 「美容職(美容部員)」 の2種類があります。

まずはじめに総合職について説明をしていきます。
総合職には「経営・企画」「人事」「総務」「経理・財務」といったものがあります。

「経営・企画」 に関しては、その企業の経営戦略や経営方針を決め、指示を出す中核の職種です。競争が激しい化粧品業界では、常に新しいアイデアが要求され、あらゆる戦略を組み立てなければいけない大変さがあります。しかし、企業のハンドルを握っているという自覚が持てる誇りある仕事の一つであるといえます。

「人事」 は企業に勤める社員さんの管理をする職種です。新卒採用者・中途採用者と直接関わることもしばしばあります。就職活動中に会う企業の方もほとんどが人事の方ですよね。企業を動かす「人」をみる力が必要とされ、適材適所な配属をするといったスキルを要求されます。担当した社員さんが活躍している姿を見ることができるとやりがいを感じるはずです。

「総務」 は、企業内での一般事務や庶務・法務が仕事内容です。気の利いた性格の人が活躍できる職種とも言われています。縁の下の力持ちになりたい方はやりがいを感じるはずです。

「経理・財務」 は企業内のお金に関わることを担当する職種です。経費や人件費、資金調達・資産運用など、企業が発展する基盤になるお金を回してより良い企業をつくることを目指せる仕事です。

次に美容職について説明をしていきます。
美容職というよりも「美容部員」と言ったほうが聞き覚えがあるかもしれません。美容部員はお客さんに化粧品の紹介をするいわば「化粧品の販売員」です。
お客さんの悩みやリクエストに答えて最適な商品を提示してあげるのが仕事です。商品を通じてお客さんに喜んでもらえることがやりがいであるといえます。美容部員の働いている場所をイメージしてみると「百貨店」や「デパート」がすぐに思いつくのではないでしょうか。しかし美容部員はその他の場所でも商品の紹介を行っています。例えば「大型スーパーの化粧品コーナー(GMS)」「ドラッグストア」「コスメショップ」といった場所でも仕事をします。

さて、化粧品業界に属する企業はみな海外進出を目指しています。それは日本の市場ではすでに化粧品メーカーが飽和しているからです。では、化粧品業界に就職をすれば、海外で働くことはできるのでしょうか。これに関しては「海外で働くことができる」が答えです。細かいことは企業によりますが、海外の子会社を立ち上げている化粧品メーカーもたくさんあります。急激な事業拡大によって海外事業部の人手が足りないということも事実です。そのためには「英会話ができること」や「成績を出すこと」など様々な条件が設けられている場合があります。

気になる年収は?

化粧品業界に就職を考えている方の中には年収について気になっている方も多いのではないでしょうか。化粧品業界の平成26−27年度平均年収は560万円でした。企業ごとに見るとかなりの差があります。平均年収ランキングで1位に輝いたのは花王で833万円でしたが、10位のナリス化粧品の平均年収は533万円となっており、300万円の差が出ています。

人気な化粧品業界に就職するには?

化粧品業界就活生からとても人気な業界です。憧れの業界で働いてみたいという方は多いと思います。ここでは「化粧品業界の選考対策」と「志望動機のポイント」についていくつか紹介したいと思います。
まずは選考対策として、化粧品業界の面接でよく聞かれることを紹介します。

・最近流行りのプチ整形をどう思いますか?
・高齢の男性向けの新商品を出すとしたら、どのようなコンセプトを掲げますか?
・男性の化粧について、あなたの考えを教えてください
・心理的ストレスの美容への影響について教えてください
・小中学生のための化粧品を作るとき、あなたならどこに注意しますか
・化粧する楽しみについて、女子小学生に話すとしたら何と伝えますか
・「外見の美しさ」「内面の美しさ」違いは何だと思いますか?

次に志望動機のポイントについて紹介します。
志望動機のポイントは2つあります。
まずは 「化粧品会社の仕事を通じてどんなことをやりたいのか」 ということです。志望動機では、仕事として自分はどう関わっていきたいのかということが大切になってきます。
2つ目は 「製品が好き以外にも語れること」 です。企業に就職するということは仕事をするためなので、ファン要素が強い回答は選ばれにくくなります。また、その他の就活生も同じような回答をしていることが多いです。


まとめ

今回は、化粧品業界に就職したいと考える方向けに、化粧品業界の企業ランキングや年収、就職するためにするべきことをまとめました。いかがでしたでしょうか。世界進出を狙っている国内の化粧品メーカーはたくさんあり、今後のさらなる発展が期待できます。